雨の箱根仙石原ドライブ旅行記
〈2004.8.29,30〉

 ねもん家恒例の家族旅行も、年々日程調整が困難になってきまして、今年もねも姉の教採試験、学寮からの引越、ねもの院試等々のスケジュールの関係から8月29/30日ということになりました。で、どこへという話ですが、ねも母から仙石原○レスHあたりはどう?ということでねも父、早速ネットでリサーチ。ありましよ、格安で。じゃあそれで決まり、と即予約いたしまして、予約確認メールもいただきました。ところがそれを見たねもが、仙石原○リンスHですか。えっ?○リンス?ありゃー○レスと○リンス間違えちゃったよ、どうしようか。取れたのならそれでいいじゃない、というねも母のお言葉で、今回は仙石原○リンスHに決まった次第です。どうせ間違えるなら箱根○リンスHと間違えたらよかったのにねえ。
 ということで今回も昨年の伊豆高原に続いて、ヴィッツで行こうです。ねもん家ただひとりのドライバーねも姉、免許のないナビゲータねも父で、あのガンコばあちゃんを加えヴィッツに5人です。箱根の坂登れるのか。
 出発前日、明日は少し早めに出ようか、8時か9時だね。そうだね、そうしよう、と決まった。ん?決まったのか?要するに朝起きてみてみんな準備ができたら出発ということである。こんなねもん家の決め方に、さすがにおばあちゃんが寝る前に、明日何時に出発なの?と確認してきました。そりゃあそうだよね、これでは何時までに準備しておけばいいか困っちゃうものねえ。ということで、一応9時ということになりました。

[8月29日] さて、朝起きたら九州上陸が予想される台風16号に刺激された前線が発達してまして、雨です。当然決行ですが、結局もたもたしてて出発したのは9時半をまわってました。
 まずは国道1号線を西へ走ります。ときおりものすごい勢いで雨がフロントガラスを叩きます。道路にもところどころ水溜りが出来てました。こういう状況になるとねも姉は余計に燃えるようで、楽しそうに運転してました。小田原くらいまでは渋滞らしい渋滞もありませんでしたし。
 ところが板橋をすぎるころからか、ノロノロし始めまして、風祭に差し掛かったところでは歩いた方がマシという感じでした。それでトイレタイムにしようと、箱根ビール蔵で一休みすることに。ここは食事はもちろんできますが、車の時はご法度ですが、かまぼこを肴に箱根ビール三種の試飲なんてのが出来るようです。結構皆さんビール飲んでますが車じゃないんですかね。私たちはお昼にはちょっと早いのでピザとかまぼこに珈琲とお茶という変な取り合わせです。そういえばここは正月2、3日の箱根駅伝の中継点でしたね。
 箱根駅伝といえば、ねもん家からも車で2、30分くらいのところの海岸沿いの134号線を走るんですが、自慢じゃないがここに住みついて20年近くなるけど一度も応援にいったことがないんです。朝起き始めたころにちょうど通過するんですが、毎年テレビで見るだけすね。 元○TVアナのT・Kさんなんかが応援に見えてるそうです。
 ちょっと横道にそれちゃいましたが、まだ渋滞です。雨も降ってます。ようやく箱根湯本駅が見えてきました。どうにかお土産屋さんの立ち並ぶ市街を抜けて早川に架かる旭橋に差し掛かるころにはなぜか前後には車が一台も見えなくなりました。こんな日に箱根に登るのは私たちだけか、なんて思うくらいでした。塔ノ沢、大平台とスイスイ登っていきます。宮の下あたりでようやく何台かの車がみえました。ここで1号線とお別れして、138号線、いわゆる箱根裏街道をさらに進みます。
 宮城野を過ぎて俵石、この辺にはいろんなミュージアムがあります。ここで二度目のトイレタイムということで、箱根ガラスの森美術館(以前、對星館への家族旅行の時来ました)のトイレをお借りすることに。さすがにこの辺に来ると結構観光客も多いですね。相変わらずどしゃぶりです。
 ここで事件というほどでもないが、石畳の階段のような、スロープのようなところでおばあちゃんがすべってころんでしまいました。幸いどこにも怪我がなくてすみましたが、このへんの顛末はすでにねも母が当時の日記に書いていますので省略です。
 仙石原の丁字路まできました。実はホテルに入る前にどこかで昼食をというリクエストがなかったわけではなく、たとえばちょっと安くはないが、ポーラ美術館で見学&昼食をという案もありましたが、結局この雨の中ウロウロするよりは、とにかくホテルに落ち着こうなった次第。
 ホテルは湿生花園、ススキの原を抜けるとすぐでした。玄関についても迎える人がいません。チェックインの時間にはちょっと早かったのですが、部屋に入れないかとフロントにいっても前日満員だったものでまだ準備ができてない、とすげない。こんなにはやく来てもらっても困る、とでも。でもだいぶあとになってから新聞でみてわかったことですが、このホテル、10月いっぱいで閉じちゃったんですよ。たしか某自動車メーカーが研修施設かなんかにするため買収したらしいです。なるほど、そういうわけか。最後の客ってわけではないけど、こんなケースもはじめてのことでした。
 で、すでに1時すぎでしたので、昼食をと思ったら、たしか中華レストランだけだったと思うが、それじゃあおばあちゃんの食べる物がない。それでフロントに尋ねると、大箱根ホテル(同系列です)でならできるというので、荷物を預けて移動です。車で5、6分かな。こちらは全然違って、にこやかに迎えてくれました。ホテルの造りも豪華でした。このつぎはここが良いなんて声も。食事は海鮮丼、蕎麦、スパゲッティといったところでしたが、まずまずでした。レストランの全面ガラスの外は、テニスコートです。まだ雨でしたが、緑が鮮やかでした。
 

 さてしょぼいホテルに戻りまして、チェックインいたしました。なるほど、当然といえば当然なのですが、場所柄、アウトドア派向けの足場として利用されてるようですね。そういう意味では便利ですが、部屋も質素です。それが悪いというのではないけれど。部屋割りは、ねも姉とおばあちゃんの組と、ねも父、ねも母&ねもの組となり、ねもはソファーベッドでちょっと割を食ったかな。そのままのんびりと過ごしまして、こうなると期待はやはり夕食です。それがですね、本格的なイタリアンのコースでして、個々にスープ、メインディッシュなど選べるのです。そんなのホテルなら当たり前といわれそうですが、それほど期待はしていなかったわけで。味はというと肉、魚、もちろんワインも大満足でした。どこか取りえはあるものです。あまり記憶にないのですが、家族の皆がお風呂もなかなかよかったと言っております。

[8月30日] 朝食はバイキングです。11時チェックアウト、天気は雲の切れ間から時折お日様が覗いています。すぐ近くには芦ノ湖がありますが、この天気では富士山が見えるわけでもないしパスにして、ホテルのすぐ横のマイセン庭園美術館に寄ることにします。マイセンについては例によってねも母の観覧記におまかせすることにします。ここは喫茶ルームがあるのですが、庭園?裏の庭でもいただけるのですが、晴れ間が見えたかと思うと、突然ザーッと降ってきます。室内でいただくことにしました。マイセンのカップ使用料込みのそれなりの金額でしたが、結構おいしい珈琲&ティーでした。
    

  

 そのあとの予定は決まってないのですが、雨だからこのまま帰るという選択肢もありましたが、それも能がないし、ねも姉、ねも母がそれじゃあ前々から一度は話の種に行きたいと思っていたという御殿場プレミアムアウトレットへ行くことに決定。途中ススキの原を眺めていきました(昨日も見てるはずです)が銀色の波にはまだまだ早かったようです。仙石原の交差点を今日は左折、138号線を御殿場へ向けて走らせます。長い乙女トンネルを過ぎると道はくねくねとして運転が大変そうですが、ねも姉は結構上手なのかも。
 雨はアウトレットの駐車場に入る頃にまた土砂降りです。結構でかい駐車場なのに屋根のあるところは空いてません。こんな悪天なのによくもまあ来るもんだねえ、って自分達もそうなのでした。なるべく屋根のあるところに近い場所を探して駐車し、アウトレットへ。ここは22,200平方メートルという広さに、174店舗もあるそうです。ここはそれぞれフリータイムということに。ひととおり見て回りました(ねも父はほとんど店内には入ってません)が、もともと何かを買うという目的がないので結構疲れますね。雨も降ったり止んだりで、晴れると陽射しも結構強かったです。まだ8月の末ですからね。結局買い求めた物はといえば、ねも姉がおみやげ用にと、ここでなくてもありそうな小物だけでした。
 

 昼前だったか、昼過ぎだったか、これを書いてる今となってはあまり定かではないのですが、元来た道を戻ることにして、アウトレットを
後にしました。乙女峠を過ぎて仙石原にかかる頃にはまたものすごい勢いで雨が降り始めて、ねも姉はまたまた張り切りだしてます。それにしても前の席って結構目が疲れるものです。ついつい目を凝らして目の前のもの何でも見てしまう。運転してなくてそうなんですから、運転している者は相当なものだろうに、ねも姉ときたらそんなこと物ともせずといった感じです。
 そう、昼食を食べなくちゃ。もともと行き当たりばったりなのでどこにしようか、全くあてがないのです。それでたしか宮城野あたりだったろうと思うのですが、お店の名前も場所もまったく記憶にないのですが、道沿いに2軒、いや3軒かな、飲食店がありまして、そのうちの寿司と日本蕎麦のお店に入ろうということに。お寿司を食べるカウンターと座敷があり、他のお客は一組だったかな。くわえタバコのおじさんが座敷のテーブルを用意してくれまして、日本蕎麦を食べることに。たしか薬膳蕎麦が売りだったような。どんな蕎麦が出てくるか不安でしたが、これが腰があるしっかりした蕎麦で結構おいしかったのです。どなたかそこがどの辺のなんというお店か心当たりはありませんか、って聞くのも変ですよね。
 一時雨は小降りになっていましたが、宮の下を過ぎたころからか、またかなり降り始めました。そして車もどこから湧いてきたかと思うように前後に連なり始め、渋滞が始まりました。大平台過ぎてしばらくして、トイレ希望者発生です。車はノロノロ状態で、ときおり臨時仮設トイレまで何百メートルという表示板がありましたが、なかなか見えてきません。車はちょっと動いては止まり、止まっては動きでいらいらするばかりです。そうこうするうちにようやくトイレにたどりつきました。どしゃぶりです。この際文句言ってる場合ではないけれど、これがまた汚いトイレでした。もう少しきれいに使えないものかとあきれはてるほどでした。自分のものならそんなふうにはしないだろうに。ま、とにかくほっと一息つけましたが。
 塔ノ沢を過ぎて、湯本へ戻り、そのまま我が家へ直行するつもりで早川沿いに走ってますと、川の向こう岸に「箱根おみやげ創庫・風の館」という看板が目に入りました。何かおもしろうそう、ということで三枚橋(というらしい)を渡り寄っていくことに。ここについてはすでに当日のねも母の観覧記に書いていますので省略しますが、絹手毬のモビールなど創作みやげや陶器類などを売っています。いくつかお土産を追加しました。鉢植えもすこし置いてまして、ねも父は初雪葛を買ってしまいました。
 さあ、今度こそあとは我が家へと、雨の上がった西湘バイパス、国道1号線をスイスイ走り、午後6時頃無事、帰着いたしました。
 ねも姉はじめ、皆さん、御疲れ様でした。