奈良・京都旅行記
〜2004.11.3,4〜

 「期間限定の特別公開企画」のキャッチフレーズにまんまと乗っかり、そうだ、京都へ行こうと、ねも父、ねも母のふたりで○ラブ○ーリズム主催の「京都御所・秋の一般公開、奈良正倉院展、大阪の夜景を大浴場から望む箕面温泉」という、例によって長いタイトルの一泊二日ツアーに行ってきました。勿論、ちょっと早めですが、紅葉にも大いに期待しての事です。少し時間が経ち過ぎてしまいあまりよく覚えていないのですが…。
 今回のスケジュールは、[1日目]新幹線こだまで名古屋駅→奈良国立博物館「正倉院展」・薬師寺の平山郁夫作「大唐西域壁画」特別公開→箕面温泉(泊)、[2日目]京都御所秋の一般公開→嵐山・嵯峨野散策→高雄[紅葉一番乗り]→京都駅からひかりで帰宅、というコースで、名古屋駅から京都駅までは移動はすべてバスです。
 
《11月3日》 6時起床(だったかなあ。それにしても寝たのが普段同様遅く、3時間寝たかどうか)、朝食も早々に、7時過ぎ、ねも姉の車で駅まで送ってもらい途中乗車駅の小田原に8時50分頃着いた。ところがここでまず戸惑いが。ここは乗換連絡通路が地下道だったはずなのに、いつの間にか登りの階段、エスカレータになってる。そういえばしばらくご無沙汰だったような。
 8時8分のこだま443号12号車に乗車、前の入口から乗ると車両のほとんどの人が私達と同年輩と思われる人ばかりです。そういえば前日に添乗員さん(そうそう、今回は添乗員さんも声の感じから中年のおじさん風(失礼)でしたよ)から確認の電話があって、今回は多くて、86名、バス2台と言ってました。実際はもっと若い人もいましたし,驚いたことに明らかに90歳近いのではと思えるおばあさんも一人で参加していました。かなり旅なれた感じでした。添乗員さんはやはり実直そうな頼りなさそうなおじさん(またまた失礼)で参加者のひとりといってもおかしくない感じでした。でも結構面倒見がいい添乗員のAさんでしたよ。車内で斡旋していただいた笹屋伊織のどら焼、柚子羽二重など、お土産品と2日間の昼食を注文し終え、これで慌てることもなく見学できそうです。
 10時18分、名古屋到着。まずは昼食場所の伊賀上野のドライブインへ向けて、バスは東名阪自動車道を桑名、四日市、鈴鹿、亀山、関を通り、さらに集中工事期間にあってやや渋滞ぎみの名阪国道を西へと走り、お隣の甲賀市ともども市制ほやほやの伊賀市へ。この間見るべきものもなく、バスガイドのOさんの説明も半眠り状態であまり覚えていません。琵琶湖は少しずつ北へ移動している、ということだけが残っている程度(約400万年前、上野盆地に古琵琶湖と呼ばれる湖が生まれ、消滅したり、深くなったりしながら、少しずつ北へ移動し、約40万年くらい前から現在の位置に琵琶湖が誕生したらしい)。伊賀上野ドライブインの1000円の昼食弁当はまずまずというところでした。
 さてバスはさらに名阪国道を西へ走り、天理市を経由して奈良市内へ。奈良ホテルを横目に見ながら奈良公園に差しかかると、さすがに祝日の好天気ということもあり人も車も多いですね。東大寺南大門近くの駐車場までやや時間がかかってしまいました。
 到着時刻などの細かい時間は忘れてしまいましたが、結局、奈良国立博物館での「正倉院展」見学は正味70分くらいになってしまい、駆け足状態でした。それでもねも母は一巡したあと、再度ひとりで見学に走っていました。展示品の詳細は「ねも母の観覧記」を参照いただくことにします。あ、奈良公園の紅葉はいまいちだったような。
 つぎは薬師寺の玄奘三蔵院伽藍に納められた平山郁夫氏作「大唐域壁画」の特別公開です。ここは閉館時間が5時ということで、またまた時間との闘いとなり、ガイドさんも運転士さんもなんとか渋滞を避けて行こうと頑張ってくれたようです。その結果、壁画殿に近い裏側から入ることになり、唐招提寺(補修工事中ということでシートが掛かってました)南大門の前の道を通り、細い道を左折していくと伽藍の横に出るのですが、両側に側溝がある上に大型バスということで、曲がれるかどうか運転士さんは半信半疑のようでしたが、ガイドさんは前にも経験があるらしく、自信をもってバスの前にしゃがみこんで前輪を見ながら誘導してました。が、一回目は失敗、改めて左折前の位置からやり直し、2回目は見事に曲がりきりました。前輪は側溝ぎりぎりといった感じだったのでしょうねえ。すごいねえ、思わず拍手でした。通りがかりの人達もあきれ顔でしたね。この間後ろには乗用車が2、3台ついてましたが、ガイドさんはまったく気にする風もなく悠然と誘導に勤めてました。そんなことで、ここの見学時間は40分、バスを降りるやいなやここも駆け足です。
 で、ここも詳細はねも母の観覧記に譲るとしますが、壁画はなんかガラス張りの狭い一室に押し込められていましたが、もう少し広いスペースで見せてくれたらという感じはしたですね。じっくり観賞するという雰囲気ではありませんでした。
 この後まだ若干の時間があったので、オプションでしたが大宝蔵殿で特別開扉中の吉祥天像を拝ませて頂きました。あとは東塔、西塔前で個別に記念写真を撮るだけで時間切れ、金堂もちょっと覗いただけで終了となりました。このころ小雨がちょっとぱらついてました。
 薬師寺を後にして、バスは今夜の宿、箕面温泉へ向けて今度は西名阪自動車道をひた走り、大阪市内を通り抜け、夕闇の中、大阪北部山裾の箕面市に入ると、山の中腹に目指す箕面観光ホテルの明りが見えてきました。当然山なので直線的に行けるわけはなく、両側に住宅が立ち並び、すれ違うのがやっとの急な坂道をうねうねと登って行くのですが、ここも運転士さんの腕に感心しきりでした。
 箕面温泉とはいえホテルは箕面観光ホテルだけで、スパガーデン、ボウリング場などの施設をもつレジャーランドなのです。一時代前の寂れたホテルといったイメージでいたのです(たしかに施設全体にはそんな雰囲気がありました)が、部屋に落ち着いてみると意外や意外、結構いい感じでしたね。7時の夕食までにお風呂に入る時間がありましたので、大浴場に。すると、おお、ツアータイトル通り大阪市内の煌めく夜景が手に取るように眼前に広がっていました。ほんとにすばらしい眺めでしたね。食後にも喫茶室でサービスの珈琲を飲みながらしばし夜景を堪能しましたが、伊丹空港に向かって下りてくる飛行機の点滅する灯りがひっきりなしに見えてました。夕食の内容も満足、満足ということで、このホテルは及第ですね。部屋に戻ってマッサージを頼んだら11時過ぎならということでしたがお願いしていい気持ちで就寝したのでした。もう一度お風呂にゆっくりと思いながら入れず残念。なお奈良での写真は無しでした。

《11月4日》今日も快晴。いつもの旅行同様、ついつい食べ過ぎるバイキング朝食をいただく。なぜか珈琲がなかったので、喫茶室で一服、珈琲がないのはつらい。8時15分、京都へ向けバスは出発、9時半過ぎには京都御所に到着。お決まりの全員での記念写真に収まり、いよいよ宜秋門で手荷物検査を受けて御所内に。御車寄ー新御車寄ー建礼門・承明門ー建春門・春興殿を横目に日華門から紫宸殿ー清涼殿・滝口ー宜陽殿ー小御所・御池庭・蹴鞠の庭ー御学問所ー御常御殿ー御三間と見学、清所門から退出、と昨日の忙しさと違ってゆったり気分で見学できました。御所内では各種記念品を販売しており、障壁画の絵葉書数種を、また駐車場傍の土産物店でもいろいろ味見しつつ、栗甘納豆など購入。









 つぎは、嵐山で昼食です。渡月橋傍のレストラン嵐山で湯豆腐定食、湯豆腐つきとはいえ1500円は昨日の1000円と比べても、ちょっと高いかなという感じでした。もっともそのあとのフリータイムを有効に使うことを考えれば、フリーで食事するよりよかったと思う。
 というわけで食べ終わるや否や、土産物店、飲食店の建ち並ぶ大賑わいの道を最初の目的地、天龍寺へ。嵐山はまったく紅葉していませんね。
 フリータイムは、化野は無理としても、祇王寺あたりまではとも思っていましたが、時間的に難しそうでしたので嵯峨野線の手前までに限定したのでした。で、まずは天龍寺の法堂天井の加山又造画伯作の雲龍図を観賞、直径9mの円内に描かれた八方睨みの龍(だそうです)はすごい迫力でした。堂内の隅でのお坊さんの説教、解説もそこそこに(時間がない)、本堂へ。北門から裏手の竹林に抜けるつもりでいましたので、受付で道順を尋ねたら、庭園を通らないと抜けられないとのことでやむなく拝観料を払い、庭園へ。その代わり大方丈、書院内部の拝観はカットです。庭園内の紅葉はまだちょぼちょぼ、曹源池を眺めながら北門へ。



 出るとそこは鬱蒼とした竹林の坂道、ここで同じツアーの別のご夫婦と写真の撮り合いを。坂を登りきると大河内山荘の入口です。ここは、かの時代劇の名優大河内傳次郎さんの元別荘で、およそ30年にわたり、映画の出演料の大半を注ぎ込んでつくりあげたのだそうな。入園料にセットのお抹茶とお菓子をいただいた後、園内を順路に沿って回遊し、そこここに鮮やかな紅葉を観賞、東屋風の展望台からは薄靄のなかに京都市内も一望でき、ほっとしたひとときを過ごすことができました。





 残り時間も後わずかとなり、もと来た竹林を下りきったところが黒木鳥居と子柴垣の野宮神社です。縁結び、子宝安産の神様だそうで、源氏物語、謡曲野宮で名の知られたところです。若い人たちがいっぱいでした。帰り道途中の京福電鉄の嵐山駅には足湯があるということでしたので、時間があったら入りたいと思っていましたが、残念ながらタイムアップ、バスに戻ることに。
 京都での最後の日程は高雄山神護寺の紅葉一番乗りです。嵐山を後にして保津峡を眼下に眺めながら嵐山高雄パークウェイを高雄へと上って行きます。紅葉の最盛期になると大渋滞になるそうですが幸い時期的にまだ早いためスムーズに神護寺への登り口近くの駐車場に到着しました。で、ここから一旦石段を数十段いやもっとかな、清滝川の流れる谷まで下りて行くんです。そして高雄橋をわたるといよいよ自然石を並べて造られたでこぼこの石段を登るわけです。これが三百数十段だそうですが、もっとあったような。ここをねも母はなんと一気に登らないと途中でこけそうなのでといいつつ、ねも父に大差をつけて登っていました。ねも父はというと、足はともかく、といっても結構きてましたが、それ以上に息が続かず、何度か休まずには登れない有様で、日頃の運動不足を思い知ったような次第です。さらに山門直前の石段はかなり急な石段でしたね。山門をくぐってからしばらく、はあはあという状態でした。
 さて肝心の紅葉ですが、最盛期には程遠いのでしょうが、それなりにきれいでした。あれだけしんどい思いをして、まったくだめでしたら、がっくりというところですがまあまあ満足でした。お蔭でかわらけ投げなんてすっかり忘れてしまいました。それと神護寺って国宝が16もあるんですよね。金堂でお参りしただけで、まったく気が回りませんでした。石段の下りもでこぼこ石なので結構大変でした。ところどころにあるお休み処やお食事処にゆっくりしたいところですが、バスに戻る時間です。指をくわえて下りて来たのでした。



 これで今日の日程もほぼ終了、あとは京都駅へ戻るだけですが、途中、西本願寺真ん前にあります京漬物の西利に寄り道し、数種の漬物とお茶、あるいはワインをご馳走になり、ついでにすばらしいトイレをお借りしたのでした。
 京都駅に着いて一旦解散、駅ビルの土産物店を覗いて、一、二買い足し、カフェモーツアルトにて珈琲をいただく。再集合して前日注文済みの御土産を受取り、ホームへ。ひかり324号は7時ちょうど東京へ向けて出発、車内ではこれも注文済みの六切りの京弁当(1300円)が配られ、早速いただきましたが、見た目も、味も昼食弁当より数段よかったですね。
 帰りの途中下車駅はひかりということで新横浜です、21時26分到着。JRは通勤客とかちあって、横浜では座れそうもないだろうと地下鉄にて戸塚へ出ることに。ところがこれが結構時間がかかるんですよ。座ることはできましたが、結局我が駅に着いたのは11時過ぎでした。そしてねも姉の車に迎えられ、無事帰宅したのでした。御疲れ様でした。留守番の皆さん有難うございました。