9月17日(金)

本日、手術後第一日目で、ICU集中治療室から病棟に帰りました、とわざわざご連絡を頂いて、
面会時間に駆けつけました。
ナースステーションにご挨拶して、と行きましたら、わざわざ婦長さんが出ていらして、何かと思ったら・・・

「お母様が、痴呆、ということではないのですが、手術のショックなどがあって、ということで、
皆さん、けっこうそういう方もいらっしゃってね。時間がたつと落ち着いてくるんですが。
ベッドの方で点滴を抜いてしまったり、ベッドの上にこうなって(と、腹ばいになる仕草をして)しまつたり、
ちょっと目を離せない状態になってしまったので、
今、こちら(ナースステーションの隣の処置室)で休んでいただいてるんです。」

「夜間になると、看護士の数も減ってしまって、もしかしたら、もうそれは緊急・最悪の時なのですが、縛る、ということも
考えなくてはならないンですが、ご家族としてはいかがですか」

・・・ん〜、そう言われてもねぇ・・・縛りつけられた姿を想像するのは嫌ですが、やはり、点滴などを抜くのは困るし・・・

「こんな時ですから、宜しくお願いいたします」というしかないじゃない(^_^;

もしかしたら、個室に変えてもらって泊まり込むっきゃないか・・・と思いつつ、母のところに。

婦長さんが、案内してくださったら、看護婦さんが傍についていて下さって、これは大変だ、と(^_^;
「ご家族の方が見えましたよ」と声をかけてくださって、
私を長女と確認して「娘さん見えましたよ」と言っても、ボーっとしてる!無反応(^_^;
目が死んでるものね!!

「お疲れ様。どうですか?」と私が声をかけても無反応。

で、お名前はなんと言いますか?といわれたので伝えました。
「娘さんの○子さんですよ。わかりますか?」と、母に尋ねたら
「わかりません」と言うのです!!

もう〜頭くらくら(^_^;
「お母さん、みんな心配してるから。後からねも姉も来ますから」と言っても、
最愛のはずの「ねも姉」の名前に反応しないのだ〜〜(^_^;
でも、婦長さんが、「落ち着いたらわかるようになると思いますから」と、
どちらともなく言って、お部屋から出でいらっしゃっいました。

私も手近の椅子に座ってから、「どうですか?」と言うと、私の顔見てます。
「どうしてここにいるの?」「私どっか悪いの?」と聞きます。
悪いところがあるから手術して、ICUに一晩泊まったの、覚えてない?と聞いたら、
「そう?覚えてない」と答えます。
「私のことわかります?」と聞くと「わかるよ」と言います。
さっき、わからないって言ったじゃない、と言うと「嘘、嘘」と手を振るんだけど、
ホントに「わからない」と言ったのが嘘なのか、さっき分からなかったけど、顔を見ているうちに思い出したのか・・・謎です。

でも、さっきよりは目が動いているので、何かと話しかけて、
落ち着きはないけど答えていることにそうちぐはぐなことはないのです(^o^)〜ホー
ただ、「帰る」「帰りたい」と言います。

それで、
お母さんは手術がとっても巧く行ったのに、点滴を抜いたり、安静を守れないと、病室に帰れない。
病室に帰れないと退院も出来ない、家にも帰れないのよ、と言いました。
「病室に帰るの?」と言いますから、そう、ここから病室に帰って、そこでよくなったら帰れます、と言いました。

そのうち、お水飲みたい、と言いました。
水のみを取ってやろうとしたら、「それはぬるいから嫌」と言うので、オー!と思い、
家への連絡ついでに、じゃ売店に行ってくる、と言いまして部屋を出ました。

戻ると、丁度執刀してくださった主治医の先生が、傷口の消毒中でした。
暴れたからでしょうか、ちょっと傷も空いていたようです。
先生も、このボケ症状が大変ショックのご様子で、「前の時はそんなことなかったよな」と、煩悶中(^_^;
個室に代わる事は、看護婦さん側としては、家族が付くと行っても、目が届きにくくなるので、
このままのほうが都合が良い、とのことでした。

でも、その消毒で多少戻ったんじゃないか、と思う・・・。
嫌がった点滴も抜いてもらったし・・・と行っても尿袋と、古い血を抜く装置のパイプは付いているので・・・。

冷たい飲み物が来たということで、起き上がって飲む、と言います。
大丈夫かと思いましたが、傍で看護師さんが作業していても何も言わないので大丈夫かと、
起きるのを手伝って、起こして飲みました♪
これでまたちょっと落ち着いたらしい(^^)

私が、席に戻ってからは、とにかく、話しかけること、話させることに専念しました。
とにかく興味のあることを思い出すように、お芝居の話、今後の話・・・タンが切れなくて大変そうでしたが、
とにかく話させる!
やはり、歌舞伎の話は表情が明るくなりました。
橋之助の子どもが初舞台している話などは、ちゃんと分かりました。
「あんなチッチャな子どもに引幕が贈られた」ということでは、「引幕」が?という感じでしたが(^_^;
「宣生が三つ」ということは、自分で言いました\(^^)/

もう帰っていいよ、と言います。あれ?元通りになった?
ただ、「帰る」「帰りたい」と言います。
帰るって、どこに帰るの?と聞きましたら「あんたンとこ」と言われて、又も(^o^)〜ホー
「あんたと一緒に帰る」とも・・・この辺はまだ??

それで、ちょっと、説教も(^_^;
安静にしてなくては直りが悪くて帰れないのよ、と言うこと。
ここがどこか?ということに不安がっているので、最初に入院した病室と同じフロアで、すぐ傍だ、と言い聞かせます。

そのうちパパからメールをもらつたねも姉が駆けつけてきました。
現金なもので母の表情がとっても柔らかくなりました(^^)
それを見て私も(^o^)〜ホーです(^^ゞ
母はちゃんとねも姉がわかったのです♪

その後はねも姉が引き受けてくれて、おばあちゃんのトークタイム!
もう帰れ、もう帰れ、と言うのが始まって・・・嗚呼、いつもの調子に戻ってきたのかな・・・と(^^ゞ
ねも姉が「それでおばあちゃん、手術は巧く行ったの?」と聞くと、
「うん、そりゃあ、A先生がやってくれたんだもの」と嬉しそうに、半ば自慢げに答えます(^^ゞ
へぇ〜♪二年間の間に偉い信頼感が芽生えたもんだわ(^^ゞ

それに若い男性の看護師さんのことを指して、「とっても優しいんだよ」と、これまた嬉しそう(^^ゞ

私だけは残ろうか、とも思ったのですが、何しろ看護婦さんたちの作業室で、やはりお邪魔虫なのです。
で、ナースステーションの受付に伺ったら、どちらでも大丈夫です、と、言って下さったので、
明日のこともあるので引き上げることにしました。

外に出て、ダンナに電話して・・・(´∧`)〜ハァー
でも、ねも姉が来てくれて大変助かりました。

帰りは地元駅までそのまま帰って、地元でお茶して、リニューアルされた駅ビルを一巡りして帰宅しました。