ホテルマンの見識

おばさんが、お勤めしていた頃、会議やパーティの受付をする事が多かったのです。
あるときの、新年のパーティでした。
一応総理出席で、経済界の首脳&経済人がたくさん出席します。
当然国会議員も閣僚クラスから陣笠クラスまで(閣僚だって、陣笠がトコロテン式なんだけど、今ほど酷くはなかつた)出席します。
当然ワンフロア独占だし、エレベーターは何基もあるけど、
総理専用というのが一台キープされていました。
総理の前に総理以上の実力者という大物政治家が先に一渡り挨拶して先に帰る、というのにも使わせてもらえません(^_^;
ちょっとご機嫌を損ねたようでした!!・・・だってO平さんだよ(^_^;
勿論セキュリティの問題と、総理が何時いらしてもいいように、と言う配慮ですよね。

で〜、もう、パーティ開始時刻になっています。
閣僚も含めて、出席予定の人たちは殆ど集まってます。
乾杯はどうしても総理にしてもらわなくてはなりません。当然、みんな総理の到着を緊張して待っています。
ところが、
ホテルマンの方たちは、総理の到着と同様に
SO○YのM田さんは、自家用飛行機が遅れて、少し到着が遅れるそうです、と慌しい!
は?M田さん?関係ないよね・・・経済界は重厚長大の時代です(^_^;
M田さんなんて、財界主流ではないし、別に遅れてもどうってことないじゃん?と言う感じでした。

で、おつきになりました!という声とともに、総理専用エレベーターから登場したのはM田さんです。
たくさんのホテルマンたちがM田さんを囲むように、先程の財界首脳たちより丁寧に案内します(^_^;
M田さんは堂々として、総理より立派です!!
でも、みんな違和感を持ってみていました(^_^;
私などは、大丈夫なんかなぁ?叱られないのかなぁ?と、ボーっと見ていました(^_^;

その後、2〜3年後に財界首脳たちのヨーロッパ調査団がありました。
M田さんも同行なさったのですが、特に団長でも副団長でもなく、通訳代わりに同行を許可する、
くらいの待遇のように思えました。
ところが・・・
ミッションの行く先々で、(一国を代表するような)大物政治家、或いは(ヨーロッパ経済を代表する)財界人に、
不要不急のミッションは会ってもらえないような事が多く、このままでは、調査団の面目が保てない!
そのとき、M田さんが電話一本で本人に個別に頼み込んでミッションの面目が立つように手配して下さったのだそうです。

さあ、帰国してから、M田さんとSO○Yへの評価は俄然変わりました!!
経団連が副会長に就任要請をしたり、何かというとM田さんの名前が飛び交うようになりました。

ホテルマンは経済人などより、もっと早く、世界のM田を知っていたのです。
だからこそ、到着を気にしたり(M田さんが来なくては新年互例パーティなど始まらないと思っていのですね)、
O平さんさえ乗せなかった総理用エレベーターにも乗せたし、
総理並の丁寧な案内もしていたんでしょう。

カビの生えた財界などと言うものより、経済の荒波の中で商売しているホテルマンの方が、
現実に社会を動かしている人を知っていたのです(^^ゞ
ホテルマンの見識、と言うか、若かりしおばさんも大いに勉強になりました。

現場というものは強いものですよ。