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10月6日(土)

「伽羅先代萩」

玉三郎の政岡を観て来ました!!
と、言いたいんだけど、勿論玉三郎もよかったんだけどさ、
仁木弾正が、凄くよくて・・・ボー(^o^)!!!!
いや、二人とも凄かったのよ!!

えー、まず序幕

「鎌倉花水橋の場」ということで、福助の足利左金吾頼兼が、役と役者の大きさを見せるなんてことない場面。
でも、福助が、ちゃんと、颯爽とした若殿様に見えて、ひいきの相撲取りに出た弥十郎が出色。
図体でかいし、声は左団次に似てるのに顔が違うから、誰だ?と思ったら吉弥の弟だそうな。
ずつと、猿之助についていたそうで、道理で台詞もしっかりしているし、所作も決まっている。
こういう人がちゃんといないと、芝居はだめなんですよ!大事に育てて欲しいです。

で〜、第二幕

「足利家奥殿の場」
「同 床下の場」

「足利家奥殿の場」は、立女形の芸とオーラでひきつける場面の連続でねみんなやりたいけれども難しい場面!
6年前の玉三郎初の政岡の時は、歌右衛門が車椅子でダメ出しに来た、と言う!!
歌右衛門にしてみたら、誰にもやらせたくなかったものの一つだろうし、
自分よりよい政岡が出る!など信じられない話だったのだろう。
歌舞伎は初役でかけるときは教わったとおりに演じなけれどならない、という不文律があり、
その時は玉三郎も、否応なく歌右衛門の真似でやったはずだ。
しかし、時代も違えば、芝居のテンポも違ってくるはずで、批評家の中にも、玉三郎には玉三郎の政岡を観たい、という批評もあった。
今回は、全く玉三郎の政岡である。
テンポもよいが、それでも、飯炊き場は母くらいの年齢でも冗長に感じるらしい。

前半は俗に言う「飯炊き場」!
歌右衛門絶頂の頃は、思い上がって、本当にごはんが炊ける時間を(40分くらい)だらだらとやって、
さすがに一部の提灯持ちを除いてあまりに長すぎる、と不評だった。
今回はテンポもよいが、それでも、飯炊き場は母くらいの年齢でも冗長に感じるらしい。

後半は「千松殺し」で、この時の玉三郎の口説きが凄い!
竹本にうまく乗って、ちょっと歌いすぎ、という気もしないではないが、なんせいいよぉ!!
それ以前に、千松がなぶり殺しに殺されているときに、幼君をしっかと抱きしめて、
ハッタと八汐を睨みつけて、それでも、時折目を閉じる、その間と眼光の鋭さがいいぜよ(^^)
その後、そそっかしい栄御前に一味の連判を預けられて、栄御前を送り出すときの腹芸!!
ブラボー玉三郎!です(^^)v

で、玉三郎すげ〜!!と溜息ついて、その口説きで泣かされて、玉様きゃ〜!!となった後「足利奥殿床下の場」

孝夫さんの仁木弾正ですよ!!
これがまた凄い!!
いい男で、花があって、凄みがあって、白鴎よりも、勿論幸四郎より断然素敵!!
面灯りで花道引っ込むところなど、もう歌舞伎座中というより、世界中俺のものだ〜、と言う感じです!!きゃ〜(^^)
定式幕にその後姿が浮かび上がるんだけれど、それさえ素敵でした・・・死にそう〜〜〜(^^)

団十郎はね・・・ま、頑張ってください(^^)
細川勝元は猿之助の見ているし、八汐は、誰の見ているかな・・・勘三郎を見ているはずなのに印象がない!
まぁ、猿之助の勝元とは比較にならないからね・・・
八汐はもう少しこってりやらないと、なんのために出ているかわからなくなるよね・・・
こう言う役はこってり、ねっちりいやらしくやるのがいいんだけれど、団十郎自身が淡白な人だからね・・・

栄御前の田之助はまあまあよかったのだけれど、大柄な玉三郎に合わせて大きく見せるためか変な座り方をするのが?
(みんなを下がらせて、政岡と密談する時ね、みんながいる時は櫃に腰をかける型だからよいのだけれど)
雁次郎(先代)がやったときは、あの人超小柄だったけど、普通に座っていたと思うのだけどなぁ・・・?

とにかく、仁左衛門と玉三郎の歌舞伎座でした(^^)

あ、忘れちゃいけない!
幕開きに「相生獅子」という姫御寮からの変化物が付くんだけれど、これが福助と孝太郎で、よく踊っています。
ことに、孝太郎が、あそこまで、福助と伯仲するほど踊っているのは特筆もので、へ〜と感心(^^)
母は、孝夫じゃあれだけ踊れないよ!と言ってました(^_^;
んだ、んだ、と私も納得(^_^;

ただ、扇の扱いがブキッチョで二枚扇で、一枚飛ばすときに、受け損ねて、それをあせって、もう一枚を落とす、
というドッキリ場面をやらかしてしまい、はぁ〜〜〜(;_;)
それに二枚扇の重ね方もだいぶずれているし、所作自体はなかなか決まっていて、福助とも五部に近い、と思うのだから、
その辺をキチッと抑えればね・・・。

福助はうまいんだけれど、ちょっと、歌右衛門の真似をしすぎていないかな・・・と思う。
勿論「学ぶは真似ぶ」なんだけど、歌右衛門の悪い癖まで真似ぶのはどうだろう?
母は、芝翫が付いているんだからちゃんと言うだろ、とは言っていたけれど・・・(^_^;
今月の福助は、立ち役の頼兼の大きさを買うなぁ(^_^;

後見で付いていたのは、どっちに誰がついていたのかわからないけれど、孝太郎についていたほうが圧倒的にうまかった(^_^;
あざやかに、すっと引き抜いて、これだけは孝太郎が福助を圧倒したね。
(多分、福助は、今話題の志のぶという人だと思うけど・・・それなら後見はー踊りーはヘタだね)

それにしても、幕開き狂言としては、華やかで中身も充実していて結構なものでした(^^)






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