前ページへ/表紙へ
いやぁ、後姿の美しさ! 傘の柄から脚の線、着物の裾の流れる曲線まで一気に芯がピンと張っているようで 美しさと緊張感とが凄い舞台から客席に流れ込んでくるのです。 まだ、全曲が流れるように、というまでにはいかないけれど、 ひとつひとつの舞姿はおはんさんにも負けてない。 しかも玉三郎の世界になっているのです。これが凄い! どうしてもおはんさんほどの強烈な手本があると、それを真似るだけで汲々としてしまうのに 「玉三郎は玉三郎でございます」とにっこり笑うようなあでやかさをきちんと残している。 それが玉三郎の「雪」の世界を構築しているのです。 |
次ページへ/表紙へ