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1月17日(金)

玉三郎の「京鹿子娘道成寺」

本日待望の歌舞伎座・・・玉三郎の「京鹿子娘道成寺」だったんだけど・・(;_;)
結論から言うとよくなかったんですよぉ(;_;)

何を考えたのか、しょっぱなのほうにお能の道成寺の真似事(乱拍子と謡)を入れてしまい、
それでなくとも踊りの終盤にかかると、時によっては、(小児麻痺の後遺症か)足を引きずる時があるのに、
体力の配分がシビアになったのか、いつものきめ細かさがなくなって、踊り全体が荒っぽくなつた、と思います(;_;)

まあ、一昨年かな、雀右衛門が「80歳の乱拍子」とか言われて話題になったから、
いつかはやりたい、と、思っていたのかもしれないけれど、
お能の「道成寺」と歌舞伎舞踊の「京鹿子娘道成寺」は見所が違うはずです。
で、またもう少し練り上げてから、というなら、チャレンジとして受け止めてもいいとは思うけれど、今日の段階ではまだ無謀!!
第一、そのために本来の玉三郎のウリである繊細さ・丁寧さが失われたのは残念というしかない(;_;)号泣

まぁ、きれいです!!それは変わらず(^^)
オーラもあります\(^^)/
でもねぇ・・・(;_;)
まあ、今日、いいと言ったら、引き抜きがきれいに決まっていたことです(^^)
これは、いつも、後見の出来次第というところもあるのだけれど、次の衣装のたもとの色がちらついたり、
ひどい時には、次のたもとが丸ごとはみ出していたりするけれど、今日は一斉に色が変わって、本当に引き抜きでした♪
(まあ、玉三郎の引き抜きはねそういう処のチェックが厳しい人ですから、あんまりひどいのはない。
どちらかといえばいつもきれいだけど)
それと、さすがに鐘入りはねぇ・・・豪華・豪勢です(^^)
「鐘入り」といっても、それこそお能の道成寺じゃないから「鐘登り」なんですが、けっこう高いし、
あそこで衣装広げて見栄を切るのは大変です!!
豪華でした\(^o^)/
このときも後見は後ろで見えないように支えて大変です(^^)
本日の後見は守若・玉雪だそうです。満点をつけてあげたい♪
大体、玉雪って人が後見に出ていることが多いんじゃないかしら・・・よく見る名前です。ちゃんと覚えておかなくちゃね(^_^;

邦楽陣では、竹本があまり、パッとしなかったなぁ。長唄も。両方ともかなり若手の抜擢、という感じで、
相当人数並べてちょっとづつ歌わせて・・・あれは玉三郎の指示なのでしょうか?それとも松竹の方針でしょうか?
まあ玉三郎自身、若手の抜擢を心がけているそうですが、ちょっと考えてしまう人もいました(^_^;
三味線は太棹の方も杵屋・今藤の方も大変けっこうでしたねぇ!!
特に長唄連中の三味線の合奏はよかったぁ♪
小鼓が立小鼓がちょつと頼りない、と思ったのですが、合奏になったら、大変に息があって、ちょっと感激(^^)

「きいたか坊主」はいつものことですけど、なんとかなりまへんかぁ(^_^;なんぎやなぁ(^_^;という感じです。
大体、「きいたか坊主」を役だと捉えている役者って居ないんじゃないかと思う!!
今日も、新人抜擢、というところなんだろうけれど、全くふつうの言い回しで、台詞でもなんでもない(^^ゞ
こういうのでいいのかな(^_^;
ずっと以前、誰の道成寺だか忘れちゃったけど、勘九郎や八十助(現・三津五郎)が若手で所化(きいたか坊主)に出た時も、
いかにも普通の会話で喋ってましたからね(^_^;
楽屋内で、楽屋落ち風に喋るという不文律でもあるのかしら??

「弁天娘女男白浪」は菊五郎の弁天・団十郎の南郷に幸四郎が日本駄右衛門でつきあって、
去年人間国宝になったばかりの田之助が、これまた浜松屋幸兵衛を足痛いのに付き合わされてかわいそ(;_;)
まあ、お正月だから華やかに連ねでいいんだけど、幸四郎が出るのにたったあれだけかと思うと、ちょっと勿体無いですねぇ(^_^;

でも、弁天の菊五郎が思ったよりよくて「知らざぁ〜言って聞かせやしょう」の下りはほ〜♪と言う感じでした。
後で、母に思ったよりよかったねぇ、と言つたら、「まあ、年だからね」と満更でもなさそうでした(^^ゞ
梅幸ファンの母としては、いつまでたっても大根の菊五郎が悔しくて仕方なかったわけで、ちょっとでもよくなると嬉しいらしいです(^^ゞ
ファンてありがたいものですねぇ(^^)
南郷の団十郎は面構えだけはよさそうだけど、台詞言い始めるとなんだかなぁ・・・この人は律儀なものの方があってます(^^)
縮屋新助なんてやったらいいんだろうに、とか思うけど・・「成田屋の頭領」としてはやらせてもらえそうにない(^^ゞ
でも佐野次郎坐衛門なら行けるんじゃないかな・・・と思うんだけど、松竹さん、だめですか?

「稲瀬川の勢揃い」は、ちょっと親父たちと菊の助・松緑とギャップがありすぎて・・・こう並べると、
さすがに、団十郎や菊五郎もガキどもには負けてないです(^^ゞ

「矢の根」では初めて見ました(^_^;
大体、序幕の出し物ですからね、いつもなら・・・見られないですm(__)m
筋立ては他愛ない、正月のめでたさをあっけらかんと寿ぐだけで、役者の大きさを見せるだけのパフォマンスです。
しかし、やはり三津五郎はたいしたものですね(^o^)/~
幕開きの形は、母が「お人形さんみたいだねぇ」と溜息をついていましたが、キッチリ決まって全く五月人形のようでした(^^)
後、砥石を枕に昼寝する、というところが、後見に背中を支えられて、両手両足を踏ん張った形で、何分間かその形を保つのです。
大変だよ、これはぁ!!
芝居の切りは馬に乗って引っ込むのですが、これが、荒事の超大掛かりな衣装で、
作り物の「歌舞伎の馬」に、ひらりと跨るところが凄い!!
あれはかなり怖いと思うんだけれど・・・それをやっちゃうところが三津五郎の修練でしょう。
そう、その超大掛かりな荒事の衣装ですが、舞台上で、たすきをかけるんだけど、
太い!それこそ「横綱」みたいな綱を、舞台に投げ出して、後見が二人掛りでたすきがけにするのですが、
これが大変な労働で、しかもかっこよくたすきになって・・・感動!!
でもさ、みんなうまいんだけど、なんていうか、勘九郎のような派手さがないのよね・・・それがあれば、もう当代一!!

序幕の話が一番最後になりましたが、ハハ・・・いつものことで、序幕に間に合うはずがないm(__)m
というわけで、寂聴氏の作である「出雲阿国」は見ていません(^_^;
まあ、福助はともかく、菊之助見てもしょうがないしねぇ・・・と言うと菊之助のファンから剃刀でもとどくのかしらね(^_^;
まあおばさんが何をおいても見たい、という役者に早くなってくださいm(__)m




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