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6月17日(火)

歌舞伎「ご存知鈴ヶ森」「曽我綉侠御所染」

「綉」という字は「ぬいとり」と読むそうです。今月の目玉(^^)
でぇも〜、「曽我綉侠御所染(そがもようだてのごしょぞめ)」〜通称「御所の五郎蔵」というのですが、けっこう退屈な芝居でして、
演出が両花道で主役と敵役がいがみ合いの連ねをするってところだけがウリみたいな芝居です。

ただ、この前説みたいな話で「時鳥殺し」という場面があって、
大名のご愛妾時鳥が正室の母堂百合の方になぶり殺しにされるという場面があって、
ン十年前(昭和42年ですって!!プログラムの年表から)、
玉三郎が16歳くらいの時、親父(養父守田勘弥)の百合の方で「嗜虐美の極致」という舞台を見せたんですよ(^^)v
まあ、その舞台が元で、三島由紀夫に発見され「現代の奇跡」と言わしめて、
「椿説弓張月(為朝)」の白縫姫への抜擢につながった!!という曰くツキの芝居なんです。

で、一度是非見たかったのですが・・・えっと・・・結論から言うと既に時を失した(^_^;
もう、玉三郎に16歳の初々しい小娘は無理です(;_;)
その代わり、人妻姿、傾城姿は、もぉ〜綺麗・美しい・貫禄十分!!
劇場が揺れたもの!!
対して孝夫さん(仁左衛門)のかっこいいこと♪
もぅぉ〜惚れ惚れするような良い男!!既に十分惚れてますが(^_^;
百合の方の憎憎しさも上手いし、五郎蔵の稲瀬なこと!!
キャー!ワー!殺して!!!!と言う感じm(__)m興奮興奮

それがさ、序幕の引っ込みで、まあ、不義は御家のご法度でぇ〜と、おかる勘平よろしく花道を引っ込んでいくのですが、
「皐月、おじゃ」と孝夫さんが言うと玉三郎が嬉しそうに「あい」と寄り添うのですよ・・・こんな甘い声聞いたことない(^_^;
他の誰が玉三郎にこんな甘い声出させられるか!!??

幕間に母と、玉三郎って、ホントに孝夫さん好きなんだわねぇ・・・と納得(^^ゞ
勘九郎とだってこうはいかない!!まあ、あれは弟みたいなもんだからねぇ・・・と(^^ゞ
いやぁ、あのふたりの花道の引っ込みを見ただけで今日の観劇の甲斐がありました(^^)v

で、さっき言った傾城姿!!当代の名女形!!
ちょっと、この後は難しいですねぇ・・・福助がどこまで迫れるか、何時迫ってくるか、というのが見ものだけど、
ちょっと・・・遠いですねぇ(^^ゞ

しかし、脇で出た秀太郎がよかった!!嘗ての我童を彷彿とさせる色町の粋な女将を良く演じていましたよ、あの秀太郎が!!
歳というのは伊達じゃないのねぇ・・・と感動!それほどよかったです。
敵役の土右衛門はいつもどおり左団次で、相手変われど主変わらず、今歌舞伎界で一番貴重な役者といったら、
東の吉右衛門・西の仁左衛門を抑えてこの左団次かもしれません。
出来はソコソコなんだけど、こういうキャラを大きく演じきれるのは体格的にも、この人しかいない・・・(;_;)
そう考えると、歌舞伎はどうなっちゃうんだろう?とホントに心配(;_;)
それに、男寅の出来はよくないし・・・(;_;)号泣

「鈴ヶ森」の方は、ねえ・・・まあやってました。
幸四郎はソコソコよかった。貫禄もあるしねぇ・・・(^_^;
染五郎は・・・ナントカしろよ!!
しかし、この人若旦那で育ったくせに育ちが悪い!!
今回の「権八」は、けっこうそれがニンにあっているかもしれないですが(^^ゞ
なんか、凄く生活の苦労を背負ってるような・・・と幕間に母にいつたら、
「そりゃぁ、苦労がたくさんあるんだろうよ」と冷たい一言(^_^;

まあ、同じような馬鹿をやっているのに新之助は「若旦那」に見えますからね・・・まして親父はああいう境遇だったと言うのに(^_^;
その親父自身も、境遇が境遇だったわりには育ちは悪くなさそうですからね・・・凄い虚無を感じさせる時はあるけれど(^_^;
このへん、歌舞伎界・・・梨園という世界は分からないですからね???
まぁ、舞台がよければそれでいいのですが♪



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