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9月11日(木)

花組
「野風の笛」
「レビュー誕生」


よかったですね(^^)
「野風の笛」はちょっと設定に無理があるようにも思えたけど、よく泣いて来ました(^_^;
主人公は松平忠輝。家康の六男で、伊達政宗の長女五郎八姫を娶った怪物です。

忠輝は山岡荘八の「徳川家康」の中では「信康」になぞらえられている風がありますが、
けっこううなづいちゃうところもあります。
今回は、隆慶一郎の「捨て童子・松平忠輝」を原作に谷正純脚本・演出です。
秀忠をいつもながらに「凡庸」で忠輝の才能に嫉妬した、と言う風な形で書いていますが、
昨今は、かなり秀忠の「凡庸の才」が認められてきたので難しいところもありますね(^^ゞ
傀儡は宝塚では、歌って踊る都合上、場所も時代も構わず、簡単に出してくるんだけど
なんとなく同じ隆慶一郎の「吉原御免状」の傀儡と徳川家康に影響されているところがある、
のではないかと思ったりしたんですけど、どうかしら(^^ゞ
これ、もうすこし練ったら、普通の商業演劇にも掛けられそう・・・松平健とか、高橋英樹なんてオジサンたちのお芝居に♪

でぇ、そのオジサン的役どころを轟悠がやってました。まあ、そこそこ(^^ゞ
で、信長に対する平手政秀みたいな役どころで花井三九郎を美沙のえる、徳川家康は汝鳥令、伊達政宗を立ともみ、秀忠夏見よう。
花井三九郎の息子の主水を春野寿美礼というわけです。
で、これがですねぇ、轟の忠輝と兄弟同様に育ってその友情と忠義とがもう一つ縦糸になっているのですが、
意外や!大変けっこうでした!!
大変地味で地に足ついて、専科のお姉さまのようで、ホントなら、もう少し若さが勝ってもええんでないかい?と思うのですが、
華やかさには乏しかったのですが、役どころと雰囲気とがうまくあってよかつたですねぇ(^^)

意外だったのは轟って案外オーラなかったですねぇ・・・あれなら紫吹淳の方が貫禄もオーラもあるなぁ・・・と思ってしまいました(^_^;
そういう意味でも春野寿美礼と対等だったとは思いました(^^ゞ
しかし、春野寿美礼君たいしたものですね(^^)v

感心したのは、日本物なんて何年ぶり?というような花組が(実は彩吹と蘭寿でバウホール公演はあるのですが)、
春野は全然違和感無いのです(^^ゞ
まあ、あの顔だしねぇ・・・それもびっくり!!
それと日本舞踊らしきものがけっこううまい!!
轟は一応入る前にも習っていたと言うし、前のトップ連中の中ではまともに踊れるのは轟ただ一人だったのですが、
春野はちゃんとそこでも対等に踊っていてびっくり!!

瀬奈じゅんの柳生宗矩はちょっと苦しい(^_^;
この人活舌がイマイチなんだわ(^^ゞ
話を変えて、瀬奈に忠輝やらせて、轟が花井主水、春野が柳生をやって、
敵味方の男の友情にしたら良かったのになぁ、と思いました。
一番印象に残ったのは、花井三九郎が残した遺言ね!藩を改易する時の心得・・・
これは忠臣蔵あたりから貰ってきたのでしょうかね(^^ゞ
曰く、決してお上に逆らうような事をしてはならない。そうすると、又の主取りができなくなる。
落ち着いて整然と城を明渡せ、そうすれば情けを掛けてくれる大名もあろう、というのです。

豊臣秀頼の彩吹も儲け役を生かしていない(;_;)
ただ、轟から投げられた舞扇をうまく受け止めていて、うまく彩吹に投げた轟も、これは偉かった!!

「主題歌」がテンポアップの曲で非常によかったです!!
時代劇風じゃなくてね♪

ショーもちょっと全編尻切れトンボみたいな展開でしたけどよかったです(^^)
小林公平の原案を作・演出草野旦というオールド・パワーコンビ(^_^;

マイヤ・プリセッカヤが見て褒めていたそうですが、あれなら、けっこう社交辞令ではなかつたろうな・・・と安心しました(^^ゞ
今回特筆すべきは、専科の特出の御姉さま方を、お芝居だけじゃなく、ショーにも出していること!!
美沙のえる、汝鳥令、立ともみ、・・・皆様大歓迎\(^o^)/
本来、そうあるべきだと思います!!

第二章を振付した麻咲梨乃というのは何者?凄い斬新な振付で、衣裳は、こないだ亡くなった任田幾英、装置は大橋康弘、
みんなよかった!!

瀬奈じゅんはやっぱりショーの人ですねぇ・・・ダンスうまくて♪歌もそこそこいけてると思いました。
あ、彩吹・蘭寿の後ろか横あたりで抜群にうまい子がいましたけど・・・?
それにしても、全体通してやっぱりダンスの花組だと嬉しかったです(^^)
彩吹・蘭寿では、歌の彩吹・ダンスの蘭寿なんですね♪今回、ちょっと蘭寿を見直しちゃった(^_^;
彩吹はスケールは大きいけど、やはり地味だ・・・海峡ひろきの線で行く方がいいかもしれません(^^)
春野寿美礼はショーでも見事にトップです(^^)v
しかし、ショーだとやっぱり瀬奈に押されるよねぇ・・・負けてないけどやっぱり視線は瀬奈に注がれちゃうでしょうねぇ。
瀬奈のほうがショーの雰囲気も持ってるしねぇ・・・(^_^;
ただ、コンビとして考えると、ヤンミキ以上の名コンビかも♪

二本通じて娘役がちょっと寂しい(;_;)
ふづき美世というトップ娘役は、感じはよさそうだけれど、全然オーラが感じられないのです(;_;)
花組は男役で持ってる、と言われればそれまでだけど寂しすぎる(;_;)
なんとかなりまへんか!!



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