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10月30日(木)

宝塚星組「アイーダ」

マイヤ・ブリセッカヤをわざわざ振り付けに招いたという、湖月わたるのトップ披露公演!!

湖月わたるは、一見地味そうだけど、緑○会あたりに根強いファンを持つおば様キラーで、
NHK・BSの宝塚特集で「ミレニアム・チャレンジャー」を見たラサール石井が和央をおいといて絶賛した、という逸材。
しかも同席していた謝珠栄がそれに輪をかけて絶賛した、というおまけつき!!
謝珠栄は自分のミュージカルにも使っているしね。

私も不器用な中に大器の片鱗を秘めていて、そんなに明かるくはないけれど、
非常に包容力のある舞台を見せるところがお気に入り♪
だから、宝塚がリストラメンバーの選考?で専科にまとめて大移動させた時も、
どうせいつかはトップになるとヘンな自信で見ていたのですが、でもついにトップになったというのは感無量(^_^;

でも、お披露目が一本立て興行で来ると思わなかったので、こっちにびっくり!!
そんなに歌劇団に期待されてんの?!・・・というのも、あんなに↑売り込んどいて無責任な噺ですが(^_^;
と、いうのも、一時リストラの爲に本来トップになれないような人を、トコロテン式にトップ披露兼さよなら公演などという、
恥さらし興行をして、湖月わたるのトップ就任もその線だと某新聞に出たそうで、
トップになっても短命なのかな・・・という不安は少々ありましたので、ねぇ。

で、この頃はトップ披露をする前に全国ツァーしちゃう場合が多いのですが、
その全国ツァーの最終日に、横浜の県民ホール、という地の利のよさも会ったのでしょうが、
最近の歴代星組トツプ達が駆けつけて、久しぶりの大型トップが生まれた、と涙したという!!
それもこれも、歴代のトツプたちに可愛がられた人柄がある、というのは贔屓目か(^^ゞ

一方相手役として娘役トップになった壇れいは、
真琴つばさの相手役で月組のトップ娘役に抜擢されて、芝居だけはソコソコいけるけれど、
歌えない、踊れないという大ハンデをものともせず、
堂々と真琴とわたりあって、おめず臆せず、トツプの貫禄を身につけちゃった、という娘役版愛華みれ(^_^;
それが、↑の専科大移動で専科に放り込まれて、返り咲きはもうない、と思われていたものの、
この人、中国で大変な人気だったとかで・・・・宝塚って外圧に弱いのだ・・・全くどっかの国そのもの(^_^;
おもえば、湖月わたるも外圧でトップについたようなものだからねぇ♪

でぇ〜、本日の「アイーダ」は・・・壇レイさんのトップ披露公演かと思いました(^_^;
アムネリス!!オペラでも歌唱力を問われる歌が多くて、主役のアイーダより注目されることが多いという役ですが、
今回もえらっくカッコ良く描かれていて、こんなえー役頂いて、あんた、やめるなら今月や!!
というくらいで、びっくりでした(^^ゞ
はあ・・・しかし、歌劇団は壇れいにどんな弱みを握られたのか!!というほど、
壇ちゃん、かっこいい〜♪という感じで、しかも、けっこう貫禄十分でうまく演じていて、
あれで「歌」さえなけりゃねぇ・・・、歌うな!壇れい!!くらいのものでした(;_;)
あれは男役ですよね・・・もともと男役志望だったそうですから、
そういう意味でもよかったのかなぁ・・・と思いましたけど。
うーむ、あやか様で見たかった!!

しかし、一樹千尋と箙かおる、あの二人がいなければこの公演は存在しなかった!!
片や滅ぼされたエチオピア王、片や勝利者のエジプトのファラオ・・・貫禄演技力申し分無!!
ファラオの大きさ・包容力を出し切った箙かおる、
偽の狂喜と正気の中で復讐心に燃える狂気、そして、本物の狂乱になっていくさまを見事に演じ分けた一樹千尋。
よかったです(^^)v

安蘭けいは思っていた以上によくて、びっくりでした!!
ガラが悪いことさえ目をつぶれば、まあ、あんなのもありか・・・と。
歌もうまかったし・・・ファルセットと地声の切り換えが一寸気になるところがあつたですけど、
壇れいの事考えれば文句なんて言えません(^_^;
思えば、これ逆のパターンは絶対なりたたなかったんですねぇ(^_^;
なんで、トップコンビの披露公演で、アイーダが安蘭けいなんだ・・・と不思議だったのですが、納得♪

脚本は木村信司。
前半の政治的な部分をうまく処理している、ともいえるけれど、
どうしてもウワっ滑りな感じはまぬがれない(^_^;
筋立ては、まあ大筋は「アイーダ」なのですが、ナント、強いのは女ばかり!!
誇り高く男らしいアムネリスとムコッキの強いアイーダ、そして優しいラダメス・・・って具合で、ねぇ(^_^;
今のイスラエル・アラブ問題やアメリカ・イラクの世界を髣髴とされる内容で、
♪戦いは新しい戦いを生み出すだけ♪というアイーダの歌が第一テーマになっているのですが、
もう少し歌詞にもメロデイーにも工夫があっても良かったのではないかと思います。
まあ最後の洞窟のシーンはやはり泣かせますから、それでそれまでのストーリーの足りない分、
結局純愛物語で帳尻を合わせた、とはいえます。

もしかして自分を裏切ったかもしれない女性の幸せを祈る、というのが、湖月わたるだとウソにならない!!
これ和央ようかだと無理しちゃて、という感じだし、紫吹淳だとウソになっちゃいますからねぇ(^^ゞ
そこはよかった♪
もひとつ、今の時代、小劇場ではともかく、メジャーの商業演劇で、これだけ大上段に「平和」を訴えられるのは、
宝塚だけ、ということはあるかもねぇ・・・と宝塚の存在意義に納得(^^)v

音楽はみんな甲斐正人のオリジナルなのだそうですが、
いいと思う曲となんじゃこりゃ、の曲とかなり水準がばらつく、と思いました。特に最初の方。
オリジナル・・・という意味では?という旋律もあるような気がします。
ただ、歌うほうの歌唱力にも問題があるから、一途に作曲家を攻められない(^_^;
ことに主役三人は、かなり責任を感じていいと思う。
ことに壇れい!!
あんな良い役もらってといて、ちょっと無責任だぞ、と思うのは私だけではないはず。
いくら、舞台を仕切るほどの大好演だったとしても、かなりブーイングだわ(^_^;

それと、「エリザベート」など最近のミュージカルの影響か、全編歌で通そうとか(結局、そうはならなかったのですが)、
各キャストに固有の旋律を与えて、それをアレンジしながら、場の音楽を作っていく、という方式なのですが、
それも、無理なところもちょっとあったような気がします。

マイヤ先生の振り付けはどこですか?って感じで、特に凄く印象に残った振り付けはナシ(^_^;
それに、やはりこの作品なら、フィナーレのデュエットはアイーダとラダメスで
湖月わたると安蘭けいで踊らせたかったですねぇ・・・だって・・・おかしいでしょう?!

わたる君はねぇ・・・よかった・・・といえばよかったですが・・・微妙だ(^_^;
ニンにもあってるし歌もうまくなったし、演技力はまあもともとある人だと思っていたのですが、
もっと大きさが出る、と思っていたんですねぇ・・・・(^_^;
壇れいに圧倒されてる、とまでは言わないけど、食われてる、って気はします(;_;)
大体、この公演が壇れいのトップ披露になっちゃってるもの(;_;)
最後に盛大に泣かせて泣かせて・・・場内大変・・・終演後化粧室混雑(^^ゞ
まあ、トップ披露だからこれくらいなのかな(^_^;

トップってナニがうまい、というより、やっぱりトップの大きさを見せて欲しい、と思うんですよ(^^ゞ
だったら、朝海ひかるはどうなのよ!?と、いうことにもなるんだけど・・・そこが
一本立てで披露公演する人と、二本立てで披露公演する人の違いなんですよね(^_^;
私達ファンの側から言えば、一本立てはけっこう嬉しくない!!
やはりドラマとショーの二本立てこそ宝塚の魅力を発揮できる、と思うのですが、どうも宝塚も出演者の方も、
一本立てはそれだけ「掛けている」ということらしいのです。
つまり出演者に実力がなければ、一本立てはできない。
大作物が多いので費用もかかる。
だから、ネームバリューがあるものを付加して宣伝費も掛ける・・・いよいよ大作になって後にひけなくなる。
よっぽど期待できる実力のあるスターでなければ一本立てはできない、という構図になるらしいのです。

お披露目で一本立ては、最近は麻路さきと真琴つばさくらいで、
匠ひびきの休演で代役トップみたいになってしまった春野寿美礼も本当はエリザベートがトップ披露だったはずだから、
期待は大きかったし、それに盛大に応えちゃいましたねぇ♪
トップ就任二作目に一本立て、その代わり海外ミュージカルというのが真矢ミキと紫吹淳・・・トップの中でも大物ばっか♪

湖月わたるだって及第点取っていないわけじゃないけど、もう〜ちょっと!と思ってしまいました(^_^;

春野寿美礼がちょっと良すぎちゃったんでしょうかね(^_^;
そういえば、春野はお披露目が海外ミュージカルの一本立てになるところだったんかいな・・・あなオソロシ(^_^;
まあ、その後の化けっぷりは、匠の代役という段階で、麻路さきと同じパターンになるだろうな、
と予想していたからそう驚きもしなかったのですが・・・今ここに来ると大変なことだったんですねぇ(^_^;

次の公演になったらよくなるのでしょうか・・・・・期待しちゃおう♪
しかし、この分だと、彩輝直は不安だ・・・もっとも、たいして期待しなければいいのかな(^_^;
今回はも〜私自身が入れ込みすぎたのですねぇ・・・反省m(__)m



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