1月20日(火)

「高杯」
「仮名手本忠臣蔵・山科閑居」


歌舞伎座、昼の部・・・ホントは夜が見たかった!?ってのもあるのですが、ナント言っても勘九郎の「高杯」!!
ナマで見ていないのですよ!!
これを見なくちゃ、というのもあり、まあスポンサーの母が、夜の部は遅くなると帰りが・・・などと言うので(^_^;
そのくせ、来月は夜の部なんですぜ(^^ゞわがままなお人だ(^_^;

私はといえば12日の夜中から起こったメニエル氏病の発作がやっと落ち着いてきたけれど、
頭痛がまだまだ残ってる〜〜と言う体たらく(^_^;
でも、とにかく、行かなくちゃ!行かなくちゃ!で行ってきました\(^^)/

でぇ〜・・・「高杯」
良かったです・・・泣いた(;_;)
本来泣くものじゃないのですよ・・・狂言仕立てでホンワカ花見の楽しい出し物♪
登場人物も調子はいいけど、人柄もいい人ばっかりの(^^)
勘九郎が踊りも芝居もとっても達者で笑わせられて・・・ついつい勘三郎の舞台を思い出したり、
勘九郎が立派になったってことも嬉しくて、笑いながら涙が出てきて困ったのです(^^ゞ
ごひいきの弥十郎の大名も予想にたがわぬ大出来で♪♪ルンルン(^^)v
口うるさそうではありますが、人が良くて洒脱なお大名という雰囲気が良く出ています♪
太郎冠者の新人教育に手を焼く中間管理職の亀蔵も大変良い間合いです(^^)
ことに、最期に乗っちゃった大名にまで促されて、
えいや!!っとシブッツラをかなぐり捨ててタッタカタンタンタンタン♪とステップ踏むまでの間が秀逸(^^)v
いやぁ・・・良かった!!

そうそう、高足売りの新之助が、まあニンにない役でしたけど、そこそこ(^^ゞ
「山科閑居」のニンにあった力弥より、私はこっちを買いますが・・・。
もともと、勘三郎なら勘弥・富十郎あたりがやる役どころで、勘九郎はけっこう橋の助あたりを使っているけれど、
大抜擢です!!
出の前の「高足売りましょう♪」の一声ね・・・親父の団十郎じゃ出ない声です。
まあ、言いたいことは山ほどありますけど(^^ゞ
とにかく、大抜擢で、あのメンバーの中で足引っ張らなかったのは大手柄だよ♪

なんたって絶好調の勘九郎です!!
ただ、踊りは、もう親父を超えて達者な勘九郎ですが、芝居も勿論巧いんだけどさ、
まだまだ、おとっつぁんのあの飄逸な雰囲気までは届かない(^^ゞ
でも、そこがまた嬉しいんだよねぇ♪
この歳で、そこまでやられちゃ先の楽しみがないじゃないですか・・・今見る「高杯」としては最高の「高杯」でした\(^^)/

さて、打って変わって、「山科閑居」!!
ホントは、「旅路の花嫁」から見たいところなのですが、時間の具合で仕方ない(;_;)
「芝濱」があんな出来なら、あれカットして、入れればよかったのに・・・まあ「高杯」が所作事だから、これはある意味で納得。

玉三郎の出の具合のよさ!!
美しいのは当たり前なのですが・・・武家の妻女の、しかも、大家ではない、中どころというところが巧く出ていたと思います。
実は、出の時がちょっと立派過ぎて、これは政岡になっちゃ困るんだけど・・・と
気をもんでいたら、玉三郎様、ん〜なことは先刻ご承知でm(__)m
なさぬ仲の娘にかける情も義理も申し分なく、舞台の寸法と衣装の扱いの見事さはいつもながらお手のうち♪
お石とのやり取りもけっこう・・・ですが・・・
気のせいか、夫に対する情が薄いような・・・これ、孝夫さんが相手なら、もっとみっちりやるでしょう(^^ゞ
これは、ほんのチョコッとなのに大星とお石の別れに負けてる、と思う(^^ゞ
そういえば、「台詞のことばづかい」に気にかかるところ一点!!
「共の者はみな帰れ」と言うのはいかがなものか(^_^;
「夫の名代」で二本ざしで登場して来るから(「吉野川」の定高と同様)、男言葉で言うのかな・・・と思ったんだけど、
やっぱり不自然!!
「共の者はみな<帰りゃ>」じゃないのかな・・・(^^ゞ

勘九郎も!こちらは、もうちょっと上の小なりとはいえ城代家老職の妻というところですが、
やはり奥女中にしないところで、しかも忠義に徹した気合を見せるところがさすがです(^^)
ちょっと「鏡山のお初」という雰囲気もなくはないか・・・(^_^;
意地悪をしているようで、嫌味に見えないのが、勘九郎の得なところで、損な所!!
これはもうちょっと嫌味に見えていいんじゃないか、と思ったり(^_^;
これは今後の課題ですね。

幸四郎の大星との別れ、本のちょっと手を取るだけなのに、大変な嘆きが伝わってくる(;_;)
そのわりに、幸四郎の大星は冷淡!
かつてはアンタの息子だった・・・(って、大昔「王様と私」の王様とチユラロンコン皇太子です(^_^;)
団十郎の加古川本蔵もイマイチと思ったけれど、「弁慶上使」の時よりは気合がある。
それと、娘を振り返る時に優しさが感じられて、これはこの人の持ち味ですか(^^)

力弥は、さっきも言うとおり・・・まあ、あんなところなのか・・・別に新之助じゃなくてもいいのね、と言う感じ(^^ゞ

菊之助は化粧顔が姉の寺島しのぶにあまりにもそっくりでびっくり!!
しかし、役者としてはちょっと姉に及ばない。
これは菊五郎の、というより、今現在指導しているのは玉三郎なんだから、玉三郎が罪を負うべきか(^_^;
夜は二人で「二人道成寺」も出しているそうだから、なおのこと!!

もうすこし、踊りを真面目にやった方が良いと思います。
舞台の立ち居振る舞いが怪物みたいに見えるのはいかがなものか!!
三階から見るから余計そう見える、というのもあるんだろうけど(^_^;
白無垢・綿帽子というのはどうしても、ムクイヌ見たいになってしまうんだから、そこをなんとか小さくみせなくては(^_^;
あの姿で舞台を横切る時、非常に見苦しかったですねぇ(^_^;
声も後半はよくなったけれど、ちょっと苦しそうに出すのは?
ただ、母の刀が降り下ろされるのを一心不乱に祈りながら待っている姿だけは買いましょう♪
まあ、あれが良くなきゃ、見せ場がないわけで・・・(^_^;
まあ、新之助の高足売りと比較したら負けてるけど、力弥となら、ちょっと分があるかな・・・。

「芝濱」は・・・菊五郎と魁春では歌舞伎座の舞台は持たないです(;_;)

頭痛がしてきて、もう見るほどの舞台じゃないと暗転を待ってロビーに出たら、
あっと驚く、ロビーは花盛り♪
私たちのように途中で抜けて帰る人の多いこと、
後は、ハネルのを待って、ロビーでお茶など買って飲んでる人・・・可哀想(;_;)
金貸しのお金婆さんがうまいなぁ、と思って後でプログラム見たらごひいきの東蔵!!
ん〜満足(^^)




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