4月21日(水)

歌舞伎座「白浪五人男」

いやぁ・・・トイレでも食堂でも、

こんないい五人男はもう見られないネェ、
仁左衛門の存在感は大変なもんだネェ
勘九郎は可愛いねぇ、巧いネェ
三津五郎は良い南郷だ、持ち役だネェ・・・

絶賛、絶賛、大絶賛\(^^)/
ホントに良い五人男でした(^^)v
通し狂言というのはどうしてもだれる所があるものですが、これは全くダレがない!!
序幕から、きっちり見せ場があって、これは七之助の大手柄(^^)
この人は世話物より時代がかった物がむくかも(^^)
それと、けっこう被虐美があるかもしれないから、玉三郎の次に行けるかもねぇ♪
その点、福助は、意外に骨太で若衆をやってもきちんと男の色気を出すし大きさも出して、
昼の部の義経でも言ったけど梅幸に近いですねぇ(^^)

また特筆は信二郎で、抜擢に応えて・・・と、言っても年齢から言っても家柄から言っても本来順当なところなんだけど、
まう諸事情を考えれば抜擢と言っていいんでしょう。
それにしても歌六・弥十郎についで、猿之助一座からの流出というか卒業で、それなりの場を与えられて、
しかも立派にこなしているのは偉いですm(__)m
ただ、母に言わせると、「ホントなら橋之介に持って来たい役だったんだろうけど、今テレビに引っかかってるからね」
と、言われてなるほどネェ(^^)
まあ、橋之介もいいことしたもんです(^^)
これは、橋之介より、信二郎のほうが良いと思うもの(^^)

で、南郷はホントに持ち役になってます(^^)
全ての場で卒がないしいい男だし、うまいし・・・この人こういう作りをすると菊五郎に似ているのです(^^ゞ
でも、菊五郎みたいな間抜けな台詞がなくて、動きにも隙がない!!
ただ花がないのよネェ・・・まあ菊五郎だって花がないのはお互い様だから、別に胴でもいいんだけど、
三津五郎は文句つけようがない分、花がないのが惜しいし悔しいのですね(^^ゞ

勘九郎は花ありすぎ、というか全開♪\(^^)/
もう凛々しい若君からやくざな盗人に代わるところの切り替えの巧さ(^^)v
浜松屋の場では可愛いお嬢様から一変して、おらぁ尻尾を出しちまうぜ、というグレタ台詞の妙♪
「知らざぁ言って聞かせやしょう」という調子は、ちょっと黙阿弥風じゃないな、とは思う(^^ゞ・・・コクーン歌舞伎だよ、あれは(^_^;
そのせいか、早まった掛け声が台詞にダブって、これは掛け声やさん、よっく研究しなくっちゃ(^_^;
しかし、巧いネェ子♪キセルの扱いも、これは南郷も巧かった(^^)
音に響いた寺島の♪と歌うも勘九郎なら、全く孫だからねぇ、その通り!と声かけたくもなるわいな!

で、居合わせた逸当に正体を見あらわされて、南郷に、ゆすりの引き時だと合図される場面、
花道のボーズ持ちなど、この二人ならでは!!
仁左衛門・玉三郎が色恋のゴールデンコンビなら、
勘九郎と三津五郎は男同士のゴールデンコンビです\(^^)/キャ〜

さぁ、そこで、
このふたりがこんなにいいのに、仁左衛門が出てくると、舞台を席巻しちゃうのです(^^ゞ
実は信二郎が忠信利平で編み笠を取ると、これが良い男で、見栄を切るとかっこよく決まるんだけど、小さいのです。
仁左衛門は良い男でかっこよくて、その上、出てきたとたんに劇場中仁左衛門なんですよ\(^^)/

辻堂の場、だんまりの千日鬘、逸当に化けている浜松屋、その奥座敷で世話に砕ける場、
五右衛門張りの極楽寺山門の場・・・
もう、素晴らしい、の一語に尽きますm(__)m

その浜屋幸兵衛が弥十郎で、これはいつもの幸兵衛より若作り、駄右衛門と同じとしくらい、と言うことでそうしたんですって。
そういう風に考え付くところが猿之助仕込らしいです。
大家のダンナという鷹揚さと子を思う情と、元は武士という性根が感じられて良い幸兵衛でした(^^)
息子の宗之助が七之助で、これも無難だけど、やっぱりこの人の男役は若衆でもオカマに見えるm(__)m
でも、勘九郎の弁天の一挙手一投足を噛み付くような目で見てました(^_^;
いつか自分がやるときを考えて見て痛んだろうけどね・・・あれでは役にならない、
と思うんだけど、歌舞伎の世界ではみ同じ舞台に出ていたとき見て憶えなくちゃならないからね・・・許そう(^_^;

稲瀬川の勢ぞろいは、もう歴史に残る役者揃い踏みの観ありですm(__)mありがたい♪
しかし、思えばちびっ子歌舞伎の五人のうちの三人が出ているんですぜ(^^ゞ
時の流れを感じると共に、良くぞ育ってくれました、という感慨も・・・で、涙(;_;)
アホか、私(^_^;
勘九郎と三津五郎はちびっ子歌舞伎と役が反対になったのもおかしいですねぇ(^^ゞ
しかし、この場の仁左衛門はひとりだけ黒塗り?で尚の事男っぽくて素敵です♪
普段はしずんでしまう忠信と赤星も信二郎・福助で言うことなし(^^)

極楽寺屋根の場の弁天小僧の大立ち回りが見事です。
あれ舞台上からも二メートルくらいは立ち上がっているでしょ。しかも八百屋(斜めになっている)舞台で、
そこで凄い立ち回りです。アクロバットそこのけの!!
まあ、絡みの連中もちょっと気を抜けば自分が危ない、ということもあるでしょうが、
誰も彼も凄い気合で、ホントに大取物です(^^)
プログラムに普通の名前で載っている人たちもいますから、その方面の人たちが特出しているのかも(^_^;
どれも凄かったけど、ことに棒術の立ち回りは危険が一杯!!
あれ一度や二度は絶対勘九郎かすっていると思うんだけど・・・(^_^;
その立ち回りの終章で、キチっと止まって、立腹も形よく決まって、大矢根が回転して(ドンデン返し)。

で、大詰めは極楽寺山門の場で五右衛門張りの駄右衛門と、青砥左衛門藤綱のやり取りでチョンになるんですが、
これが弁天で大立ち回りをした勘九郎が早代わりで藤綱なの(^^ゞ
ここは三津五郎に譲ってもよかったんじゃないか、とは思うのですが・・・
やっぱり仁左衛門なら勘九郎で締めないと締まらないのでしょうかねぇ(^_^;

しかし、絵面としては大変良い絵面で締まりました\(^^)/

大薩摩がついて、三味線(杵屋五七郎)は大結構(^^)
歌(鳥羽屋長孝)は大変良い声でしたけど・・・。

序幕の腰元に芝のぶが出ていて、やっぱり目を引きますね・・・可愛い顔してるし。
お中老が小山三だって(^o^)/~
やっぱり年の功、うまいもんだわ(^^)v




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