8月18日(水)

「ジゼル」
―ピーター・ライト版―

吉田都&ロバート・テューズリー(ニューヨーク・シティバレエのプリンシパル)のコンビです。
よかった\(^^)/
吉田都は技術的にいいのでしょうがオーラがちょっと・・・と思うのですが、最終的に泣かされて来ました(^^ゞ
やっぱり、巧い人は巧い!!

そうそう、今日又、大ボケをかましてしまいました(;_;)
歯医者さんの予約で、出かけたら、「予約は昨日です」、と言われて、ガーン!!
でも時間掛かるけど待てば診て下さるというので、待つことに。
家に遅くなると電話入れて、はっと思い出す!・・・歯医者の予約が昨日だということは・・・
「パパ、バレエのチケットの日付確かめてください!!」
「今夜だよ」の一言に、慌てて歯医者さんの受付嬢にペコペコ謝って、
家に帰って、お茶碗洗って、お風呂洗って、シャワー浴びて、お米だけといで、着替えてお出かけしました(^_^;
ボケはここまで来ていましたm(__)m

可哀想にアホ息子は急遽図書館から呼び戻されて夕食を作ることに(^_^;
まあ、明日の夕食は頼んであったんだけど、まさか今日とは、ねぇ〜(^^ゞ

大体、もう歯医者に行く前に、ダンナが何もしなくていいよ、というお言葉に甘えて、
お昼ごはん食べるだけで出かけてしまった罰です(^^ゞ

それでも、七時開演ということで、まあゆったり(^^)
県民ホールの食堂でポーク・カレー&コーヒーのセットで945円也♪

で、その県民ホールは天井が高くて、三階まで登るのはホントに大変ですが、
そのぶんロケーションは素晴らしい\(^^)/
夏の夜はさらなり♪
氷川丸のイルミネーションも超豪華!!
大桟橋にもどこの船か停泊してイルミネーション輝かしている船もあって、
赤レンガ倉庫も、遠くに瞬く待ちの灯よ〜♪\(^^)/


「ジゼル」はナマで観るのは初めてですから、ドキドキ!!
うちにあるVTRは、
チャイコフスキー記念東京バレエ団1996年07月27日のユーポートの
レオニード・ロブロフスキー振付
アレッサンドラ・フェリ(ミラノ・スカラ座バレエ)&アニェエル・ルグリ(パリ・オペラ座バレエ)版と、

ボリショイバレエ1889年、ボリショイ劇場のM・プティパ振付
ベスメルトノワ&ヴァシュチェンコ版です。

「ピーター・ライト版」というのがどういう振付なのか、違いはよくわかりませんが、
演劇としてのバレエと言う意味ではなかったか、と感じました(^^)

それはねぇ・・・・
吉田都と言うバレリーナの存在価値ということでもあるのですが・・・
私が吉田都氏を始めて観たのは、牧阿佐美バレエ団のトリプルキャスト版「ロミオとジュリエット」です。
もう10年以上前になるでしょうか・・・。
その時も新聞の批評などでは、草刈民代などを抑えて、ダントツの好評だったのです。

でも、見に行ったら、ブッ細工でねぇ・・・プログラム見ただけでが゛っクリ(;_;)
それで、観客席にいる草刈民代のオーラが凄くて!!
牧阿佐美さんだって、けっこうお年なのにお綺麗じゃないですかぁ〜♪
それがバレエ始まって、フームと唸ってしまったのです!!
が〜・・・観終わって娘と二人、
(あ、この時は珍しく娘も行ったのでした♪)
巧い、と言うことはよっくわかったけど、やっぱりもうすこし綺麗な人がいい世ネェ・・・と歎いたものでした(^^ゞ
いやぁ!ホント!!
いくらなんでもナァ・・・(^_^;
というほどでした(^^)
それがあなた、なんということでしょう(^^ゞ
イギリス・ロイヤルバレエのプリマだってよぉ〜!!とビックリだったのですが・・・
今回、見てわかった!!
吉田都の凄さが(^_^;

勿論、あの時より吉田都自身も成長しているだろうし、私の目だってちょっとは成長していると思うのですが(^^ゞ

演劇で言うと、舞台に出ただけでワァ〜っとさらってしまう人と、
最初は目立たなくとも、舞台が進んでいく過程で目が離せなくなり、最終的にその舞台を支配してしまう人がいる。
彼女は全く後者なんですね。

第一幕

まず、バレエの幕があいてから、しばらくは、なんでこの人がロイヤルバレエのプリマ?という気がしてました(^_^;
これくらいの技術のバレリーナなんて、ロイヤル・バレエの中になら、ゴロゴロしているだろう、と思ったのですねぇ(^_^;

昔ほど不細工じゃなくて、美人じゃないけど可愛らしげではある、そのように見えます!!
衣装もベスメルトノワの時代はいかにもロマンチック・チュチュでしたが(化粧も勿論バレエ化粧でした)、
アレッサンドラ・フェリの時代から第1幕の方は森の娘という感じです(^^)
でも、まだアレッサンドラ・フェリ自身が濃い目の美貌だからでしょうかバレエ化粧っぽい感じです♪
吉田都の衣装は森の娘風、化粧も自然で素顔っぽい感じで、可愛らしげです(^^)

でも、踊りは巧いけど平凡だし、キラキラするものがない・・・ん〜(^_^;
ところが、ところが!!!!
アルブレヒトに裏切られて舞台の中央にへたりこんだ、その時、
ジゼルの心から魂が抜けた!!
それが分かりました!!
それまでジゼルではなく、吉田都だったのが、確かにその瞬間、ジゼルだった!!
そして、ジゼルの心から魂が飛び立ってしまった!!
嗚呼、アルブレヒトは私を裏切った!というジゼルの歎きが、ジゼルの魂とともに舞台をさまよっています(^_^;
ああ、私はどうしたらいいの?何をしているの?
ジゼルはヒラリオンが盗み出したアルブレヒトの剣を弄び、さらにその剣で胸を突いてしまいます!!
この演出の方が、心臓の疾患のあるジゼルが錯乱の余り死んでしまう、というより自然です。

アレッサンドラ・フェリやベスメルトノワは母親の傍に倒れこんで、束ねていた髪を散らし髪にして
錯乱の風情を出しました。
しかし、吉田は、舞台の中央にへたり込んで、そのままの姿で、
ジゼルの魂がジゼルの中から抜け出してしまったことを表現しました\(^^)/
この時から、私はジゼルから目が離せなくなりました(^^ゞ
吉田都はいなくなって、完全にジゼルだったのです(^^)
魂の抜けたジゼルはヒラリオンが持ち出したアルブレヒトの剣を弄びます。
剣を逆さにして、切っ先を掴んでいるのですから、本当は痛いはず!でもその痛みも感じない(^^ゞ
そして、剣を取り上げられた時、きっともっとこすれて傷口が開いて出血したということなのでしょう。
ジゼルは、はっと気づきます!自分の手を見てその血に衝撃を受けます。
ジゼルの魂はジゼルの中に還ったのでしょうか?
分からぬままのた打ち回ってジゼルは事切れます。

駆け寄る、アルブレヒトを母が押しのけます。
愁嘆のアルブレヒトを家来が連れてゆきます。


第二幕
「ジゼル」は
ウィリー伝説からドイツのハイネが書いた詩を、フランス人のテオフィール・ゴーティエと言う詩人が、
パリ・オペラ座のバレリーナのためにバレエ台本(ヴェルノロ・ド・サン−ジョルジュと共同)にしたのだそうです。
オープニングは、そのウィリーの女王ミルタのソロから始まります。
当日は小山恵美、このバレエ団のバレエ・ミストレスも勤めるという、いわばGODおばちゃんで、
年も食ってそうだけど、バレエも巧い(^^)
手の動きが優雅で、指先まで美しいなあ♪
アレレ?ジゼルはどうだったろう?
後でよく見なくちゃ、と思っていたのだが、ジゼルが現れると、そのあまりに痛々しい様子にボーっとなって、
そんなこと思い出しもしなかった(^_^;
ジゼルはジゼルであり。魂だけになったジゼルは羽のように軽く実態のない幻のジゼルなのだもの!!
それでも、アルブレヒトを思う心が哀しいのです(;_;)
ジゼルの姿は最初アルブレヒトには見えません。
でも、アルブレヒトの心とジゼルの心が重なった時見えるのです・・・よかった(^^)
二人のデュエットはまるで、羽のような、ケープのようなジゼルをアルブレヒトがいとおしむかのようです。

アルブレヒトも後悔の念にさいなまれる純粋な青年だった、と納得させられる(^^ゞ
テレビで見ているんだから、吉田都も含めて、本当の意味で比較は出来ないけれど、
↑の二本に比較して、かなり、バレエ「ジゼル」としての出来栄えはこちらにあるように思えましたm(__)m

しかし、コールドバレエの素晴らしさには驚嘆!!
松山バレエ団の公演でも、コールド・バレエのレベルの高さに驚いたけれど、
いやぁ・・・ここもたいしたもんですm(__)m最敬礼
第一幕のソリストたちも素晴らしかった・・・ことにパ・ド・シスの一番のソリストは素晴らしかったです\(^^)/
たぶん、新村純一と言う人と小平浩子という人たちだろうと思うけど・・・。
そう、残念だったのはミルタが一番よいところで、
コールドバレエをバックにして「つ」と止まる所が「つつつ」になってしまった(;_;)号泣
せめて「つつ」で止めてくれたらよかったのになぁ(^_^;

ジゼルはひたすら、ウィリーたちの呪いからアルブレヒトを守り続けます。
もう、その健気さに涙、涙です(^^ゞ
・・・そのうちに夜が明けて行きます。
もう、ウィリーたちも諦めて帰っていきますが、
ジゼルもアルブレヒトと分かれて行かねばなりません。
アルブレヒトの目にはもうジゼルの姿が見えなくなります・・・

もうお別れです。ジゼルが消えていきます・・・ジゼルの愛だけが残っています・・・

もう万来の拍手です(;_;)泣いててハンカチ出してて鼻出たのを拭いて忙しいです!!

嗚呼!素敵な「ジゼル」でした(*^-^*)


。・゜★・。・。☆・゜・。・゜。・。・゜

そういえば、玉三郎の舞台の寸法の取り方が、どっから来てるのかな〜、と思って不思議でした(^_^;
歌舞伎からの寸法の取り方じゃない、というのはなんとなく分かるのですよ(^_^;
立ち姿の形などは、古いVTRで、新派の初代水谷八重子が工夫していて、
八重子自身は身長からちょっと寸足らずだったのを、玉三郎が長身を生かしてすっきり見せているのは分かりました♪
でも、舞台での相手役との間隔の取り方とか、舞台自体の寸法の取り方などはどこからかなぁ、と不思議でした。
みんな、バレエの影響が強い、と言うんだけど、実感として分からなかった!!
本日、第一幕のジゼルがベンチに座るところを見て納得しましたm(__)m
やっぱり、バレエからだったんですね(^^ゞ
吉田都も凄くうまく相手役との間隔をとってました(^^)




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