11月24日(水)

「八人の女たち」

――アートスフィア――

まず、面白かったです(^^)

「いやいや、イッチバンよかったのは、なんたってソニンとサトエリなんですけどね(^_^;
実はヤンサンも見たかったのですが、加藤治子なら大絶賛だったでしょうネェ(^_^;
病気休演でホントに残念(;_;)」
と、お友達へメール書きました。
ヤンさん、というのは安寿ミラ!この人が見たいがために、
一万円と言う、私としては破格の高額チケットを三ヶ月考え抜いて買いました(^^ゞ

ことに一部は大変なものです。二部になると大体分かってきて、まあまあ(^_^;
でもとにかくダレないでラストまで持ってこられたのは大変なもの(^^)
まして、そのラストを締めくくるのが一番若いソニンなのだから!!
とにかく、今回は、一にソニン、二にサトエリ、そして、一杯装置の俳優座劇場舞台製作部m(__)m
一杯セットはたいへん豪華そうに巧く出来てました(^^)
そのわりに衣装がなぁ・・・木の実ナナの毛皮のコートなどはもっと豪華であって欲しかった(;_;)
こういう小さな小屋は、何でも手に取るように見えちゃうので、衣装の材質もセレクトしてくれなくちゃ、ねぇ(^^ゞ


雪に降り込められた大邸宅で、そこの当主が殺されます!!
そして、残された八人の女たち・・・妻、二人の娘、妻の母、妻の妹、家政婦、メイド、突然尋ねてきた当主の妹。
みんなが犯人は誰だ!?と互いを疑心暗疑で見交わしているうちに・・・という、
これよくクリスティが書くんだけどな・・・でもクリスティではありません(^^ゞ
原作者はロベール・トマという人・・・フランス人?
去年映画でソコソコヒットしたらしいです(^^)


妻は木の実ナナ、さすがの貫禄で、貧しい暮らしから這い上がって金持ちと結婚した成り上がり感が良く出てました(^^)
でも、もうちょっと、「昔」を感じさせない方がいいなぁ、と。
あまりに「まんま」(^_^;
映画ではカトリーヌ・ドヌーブがやったそうですが、あれくらい上品さといかがわしさを併せ持つというのは無理でしょうけど、
もうちょっと上品に見えたほうがいいです。

おばあちゃま、妻の母で、妻の縁で引き取られている、と言う設定。
歩けるくせに車椅子で、おとなしそうな顔してお酒のビンを隠して飲んでいるという食わせ物!
これが加藤治子で、私としては、安寿ミラより、こっちが見たい、という気もあったりしたのです。
喜多道枝ではちょっと小狡程度のおばあちゃんになっちゃって、怖さがないの!!
そして、存在感がねぇ・・・(^_^;

妻の妹の安寿ミラ!ヤンサンて、うまいですねぇ<コメディ!!
本気で好きなんだ(^^ゞ
蜷川さんのグリーリスの時も、「安寿ミラのトロイのヘレンが面白い」って、
わざわざ新聞評に出てましたけど\(^^)/
カチカチコチコチのオールドミスのステレオタイプで、そのくせ男女の事に偉く関心が強く、
何でもできる姉に強いコンプレックスを持ち、姉の亭主に片思い♪
被害妄想もこめて心臓が弱くて、発作を起こす!これが、まあうまく嵌ってよく笑いを取ってます(^^)v

凄いのはメイドの毬谷友子!!あの人の演技力と存在感はもぅ〜凄いです!!
ふつうの怠惰なメイドだと思っていたら・・・その代わり身の巧さに脱帽m(__)m
しかもその存在感!!
彼女が動くと舞台の空気が流れるんだ!惟が凄い、と思いましたね(^^)
勿論、木の実ナナ、そして、たとえヒイキと言われようと安寿ミラも、二人とも舞台の空気を動かします♪

家政婦の岡本麗。はまり役で美味しい役です。で、その通りに演じてました。
可もなく不可もなく・・・(^^ゞ

意外に、というか、やっぱり駄目だったのは山本陽子(^_^;
この人、明治座や芸術座で座長公演の経験もあるんだよね〜(^_^;
今日だって、台詞や仕草で言えば、悪くない。第一綺麗だし♪
ホントに年のこと考えると驚くほど綺麗です・・・それだけ(^_^;
彼女が動いても舞台が動かない、空気が流れないのだわ・・・。

さあ、そ・こ・で・・・
サトエリとソニン!
優等生の姉娘と不良の妹、でも明るそうで仲よさそう・・・でぇ〜・・・。
それを、この二人がメッチャうまく演じてました。
と、いうか、「演じる」というんじゃなくて、シュゾンとカトリーヌがそこにいた!!
それほどよかった!!

舞台を仕切っていくシュゾンのサトエリ、幕を下ろす役割のソニン、二人ながらに立派に女優です!!


脚本もソコソコよく出来ていて、とにかく面白い!話が先に割れる感じなのは、ミステリーとしては・・・
でも、クリスティとかによくあるパターンなので仕方ないかも、と諦めよう(^_^;

ただ、演出として、最後のカトリーヌの状況説明の長台詞は、
各女優に一人芝居でやらせる方がよかったなぁ、と思う。
演出は江守徹!
とにかく、サトエリとソニンをここまでにしたのはりっぱですけどねぇ(^^ゞ
それと、当主が死んだ理由付けに一考を要したいですね。あれじゃ説明不足だわ(^_^;

とにかくサトエリとソニンの頑張りと存在感は凄いでしたよ!!
木の実ナナやヤンサンに負けてないですよ♪
毬谷友子にまでは至らないか・・・彼女は相当なテクニシャンだからねぇ・・・カラー一枚取るだけでメイドから怖いオネエサンに変身する妙技です(^_^;

一万円はまあ後悔しないです(^^)

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