表紙へ

4月7日(木)

「白鳥の湖」
―マシュー・ボーン版―

一昨夜「も」早く寝たのに一時間たらず眠ったら、パッと眼が覚めて、それでアウト!
にもかかわらず、昨日は「紫式部日記」のセミナーとその後、マシュー・ボーンの「白鳥の湖」のチケットを取っていて(^_^;
這うように行ってきたのです(^^ゞ
それで、昨夜は9時に寝て、今朝6時40分まで何も分からず熟睡♪久しぶりに頭痛のない朝でした\(^^)/
・・・というのが、本日(八日の母の日記です♪)

もともと大いに関心はあったのですが、マシュー・ボーン版というのが自分の感覚にあうかどうか、ということ
それより、アダム・クーパーでない!ということ、でかなり悩んでいたのです(^_^;
そしたら、最近の公演は直ぐSOLDOUTになってしまうでしょ・・・買い損なった、と思ってください(^^ゞ
そしたら、ヌァ〜ント、半額チケット!行くっきゃないでしょ!!
というのも、
SOLDOUTで気をよくしたか、甘く見た主催者が追加公演をバーンと組んだら、相当だぶついてしまったらしい(^_^;
音楽もCDだしね・・・でも、半額なら文句は言いません(^_^;

でもですねぇ・・・
実は、アダム・クーパー主演の映画を見てしまったんですね(^_^;
それで、ひとつのイメージが出来てしまってましたm(__)m

これは勿論従来の優雅な恋物語の「白鳥の湖」ではありません。
一説によると(まあ、プログラムに堂々と書いてあるけど)、英国王室を派パロってる♪
ことに、チャールズのマザコン振りをパロってる、と言う事なのですが・・・
主役は「男の白鳥」と言う事に成ってます。

幼い時から、母の女王の愛を得られない王子が、大人になって恋人が出来ると、
今度はその恋人が品が悪くて女王に嫌われて引き裂かれる。
自分でもその女性の品の悪さが気に入らないから、その辺は自分で納得させるんだけど、
結局、何にも自分の意は通らない事に絶望しかけた時、湖の白鳥の中の一羽に心慰められ勇気付けられる。
ところが城のパーティに乱入してきたストレンジャーに母の愛を占領されたことを見せ付けられ、
そのストレンジャーこそ白鳥の化身たどいう幻影を見せ付けられる。
錯乱の中で拳銃を取り出すと、女王を守るために侍従が王子を撃とうとして、間に入った元恋人を殺してしまう。
完全に神経が振り切れた王子は隔離室の中で、さらに母から見捨てられた事を確信し
狂乱の中に王子を威嚇に来た白鳥たちの幻影を見る・・・と、その中に王子をかばおうとする一羽の白鳥が!!
しかし、大勢の白鳥が二人に襲い掛かり、王子の白鳥は倒されてしまう。
ついに錯乱と狂気の中に王子は息絶える・・・朝になって、母女王が気が付いた時、
王子の魂は、あの白鳥に抱かれて昇天していく・・・と言う事なんだけど。

でも、アダム・クーパーの映画を見て思ったのは、これ、主役は王子だろうよ、ということでした。
クーパーの映画の王子はちょっと小柄で、どう考えてもかっこよくないんだけど、でも主役はこっちだろう、と思いました。
クーパーがやるから、主役は白鳥ってことになるんかな?ということ!!

で、今日、この舞台を見て、ますます思っちゃいました。主役は王子だよ!
今日の白鳥はホセ・ティラード、王子はニール・ウエストモーランドという人たちで、
白鳥は、クーパーほどオーラがないし、
クーパーの王子より、断然カッコいい(*^-^*)

まあ、プログラムにも、踊り手みんなが「クーパーの白鳥で王子を踊ってみたい」というコメントを言っていたけれど、
あの白鳥はクーパー自身であって、主役と言うものではないんじゃないかと思うのですねぇ(^_^;
この作品自体はそれなりに素晴らしいとは思うけれど、それは、やはり「王子」という人間の物語であって、
白鳥は、その彷徨する意識の象徴としての存在なんだと思うのです。
まあ、それぞれの捉え方で、その象徴ということこそが主役ではないかと言われれば・・・ソレまでなんですが(^_^;

と、いうわけで、白鳥に関してちょっと不満だった・・・からでしょうかね(^_^;
まあ、テクニックだけで言えば、私ごときがつべこべ言えるレベルではなく、大変な美技でした(^^)
一番楽しかったのは、お城のパーティ場面(^^)V
ここは本ちゃんの「白鳥の湖」でも、オディールがパッショネイトな踊りを見せて、きゃぁ〜♪となるところですが、
マシュー版でも、「ストレンジャー」として人間の姿で現れた白鳥に似た闖入者が、奔放なダンスを見せてグー(*^-^*)
ジンジャー・ロジャース&フレッド・アステアで有名な
テーブルに男性の足を掛けて、その上を女性に飛び越えさせる振付けがあったり、
タンゴ・アルゼンチーノ張りな振りもあったり・・・
これなんかのミュージカルの場面だよね・・・と言う振りもあった♪
まあ、遊び心満杯、という所ですかね(^_-)-☆

衣装は上半身は裸体で筋肉の動きの素晴らしさがよく分かります\(^^)/
下半身は白鳥とし言うことで白い羽で覆われた七部ズボン、ん〜股引かな(^^ゞ
頭に白鳥の、イギリスが舞台なのでコブ白鳥だそうですが、その冠――まあ、白鳥には見えます(^^)
ことに白鳥の獰猛さを出す時に効果的な衣装です。
装置もよく出来ているし、錯乱から狂気に達してしまう王子を襲う幻影を素晴らしい照明テクニックで表現します。
でも、結局、構成から、この装置・照明・衣装・・・全てが説明的になりすぎている、と思うんですね(^_^;

象徴である白鳥でさえ、説明的に存在するようで・・・結局、作品自体のスケールが小さくなった、と思う。
作品自体はスキャンダラスでなく、むしろ、普遍的な人間の孤独を訴える所があるけれど、
なんだか小粒です(^_^;
本ちゃんの「白鳥の湖」の悠長さとスケールの大きさには結局適わなかったような気がしますね。
勿論、「音楽」だけは同じで、全然別物なんですけど!!




表紙へ