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5月4日(水)

「血の起源」

見てきました\(^^)/
なんたっち安寿ミラ様♪
ついでに、舘形比呂一、西島千博が共演というおまけつきです(^^)v

もともと、舘形さんは見たかったんですよ〜♪
COMVOY以外でも、というかこの人はソロ活動で名前聞くことが多いのでとにかく一度は見なくちゃ!
と思っていたのです。
西島さんは、まあイケメンバレリーナということで有名になってしまって、ちょっと可哀想なトコもあります。

で〜、とにかくチケット取るのに迷ったのは小屋が北千住で、しかも新しい小屋ということですね。
もうひとつは、一階で見るか、二階で見るか?
一階は8000円、二階は6000円、という金額ではなくて(今回は、ね(^_^;)
三人のダンスなら、上から見た方がよいか〜・・・ということなんですね(^_^;
で〜、結局まあ値段も安いし、二階にしとこか、と思ったら、ヌァ〜ント二階の一列目ど真ん中が取れたのです\(^^)/

大正解!!
素晴らしいでしたぁ♪しかも、GW特別バージョンでトーク付きでした(*^-^*)
でも、北千住は遠い・・・・・気絶しそうに遠い・・・・(;_;)

元々、「血の起源」は寺山修司の生誕七十年記念という事業の一環でもあるらしい。
つまり寺山修司も生きていれば七十歳なのねぇ(なくなったのは48歳の時!)
・・・あ、ワタクシ、寺山修司の著作でちゃんと読んだ物は一冊もありません!!
世間的に有名になっている歌の歌詞・・・「時には母のない子のように」とか「山羊にひかれて」とか、・・・
後は、新聞などに出ていた解説や評論程度、テレビに出て喋っていた事くらい、です。

寺島は猛烈なマザコンというのは有名な話でした。
著作の全てが詩も歌(歌詠みでもあるのです、彼は)も芝居も全て母恋或いは母憎の思いに満ちている、と聞いていました。
で、今度も、そういう解説が前々から広がっておりました(^^ゞ

おまけに主催者の一端を担っているテレビ東京で、西島さんを取り上げて「血の起源」の稽古風景などをやった物だから、
朝倉摂氏の衝撃的なセットを、先に見てしまったのですよ!!

「水能」と名づけられたセットは、能舞台を真ん中くりぬいてプールのように水を入れてあるのです。
まあ水深は五センチくらいだそうですが、踊る場所に水というのはタブーもタブー、大禁物なのです♪
滑るのは当たり前、滑らないように気を使うのは当たり前、そうすると余計な所に力が入ったりして、
腰や足、体全体に無理が掛かるのです(^_^;
そうすると怪我にも繋がりやすいしねぇ・・・。

橋懸りに擬した通路がその本舞台に繋がるように下手から出ていて、松の代わりに彼岸花が植えられています。
ただ揚幕の上がり方が内側でなく外側に吊り上げられるのは、ちょつと違和感があったな(^_^;
それにしても、その正方形の舞台を大変に効果的に使っていて感動!!
まず、水の入っている部分がライトの色によって様々な風景を描き出すのですね。
つまり、女が男の求めにたぎらせる情欲の焔の赤、
子を産み落としたか、堕した血の赤が広がる時、
女が子供たちの求めに応じて子供を抱きしめた時、天から降ってくる彼岸花の花びらの赤・・・などが、
美しく恐ろしく感動的に彩られます。

照明は沢田祐二!これはお馴染み♪
でも、沢田さんの仕事のいろいろが書かれているとその幅広い活動振りに、凄いのねぇ、とビックリ\(^^)/
それにしてもスタッフ紹介記事が出ているプログラム素晴らしいです(*^-^*)

音楽は宮川彬良・・・フフフ・・・マツケンサンバね♪バイオリンとアコーディオンを率いて、自分はピアノでナマ演奏(^^)
これはよかった!!やっぱりナマです!!
ただ、これがオリジナルの音楽なのかな・・・ちょっと疑問な部分もあります。
まあ、演出家とも付き合い流そうだし、色々一緒にやっているんだから、これでいいと言う事なんでしょうが・・・
ちょっと疑問もあるけど(^_^;

音響は松本哲志。こちらはまたミュージカルではよく見る名前です。
音響というよりは、今回は、この水音の効果が絶大で、ビックリでした。
歩く時に出る音、静かに水音も出ない歩き方もあるけど、わざと音を出す、それも小さかったり大きかったり。
ダンスの時も、そして、狂ったように水を打ったり掬ったり・・・飛ばしたり引っ掛けたり・・・素晴らしい効果音です♪

振付けは、それぞれのパートを自分で振付けたのかな?
舘形・西島の名と、さすがに、安寿は、この二人に対抗できる振り付けはできなかったちのか「港ゆりか」という人が。
大浦みずきや安寿ミラの主演モノを数多く手がけているらしいので、ヤンさんの好みはわかっているのでしょう(^^)
ついでにヤンさんのヘアいいな、と思ったら、やはり、安寿のコンサートなどをたくさん手がけているという「寺岡ふうこ」。

一応「女」「下男」「訪問者」と役名が付いているが、あまり関係なさそう(^_^;
要するに一人の女に二人の男・・・その愛欲と愛憎から生み落とされ捨てられた子供たちの「血の起源」探しの旅の噺です。
よって、主役はこの三人というよりも、子供ー少年・少女たち・・・水があるせいか、
どうしても水子にされた子供たちの霊というイメージが沸いてきます。
(少年ー高塚恵理子、少女ー横山道子・横山愛・住田彩・高橋沙耶)
少女たちは始、能舞台の四本柱のように立ち、立たされることによって人柱のようにも見えます。
その人柱の中央に少年は立って歎き求めます。
その子供たちの嘆きの中に女は惑い、狂い、苦しみ・・・やがて浄化の時を迎え、全てを昇華させて・・・
と言う事なんですね。

子供たちは、ひたすら母を求め、母なる女はひたすら男を求める。
男たちを失ってからも女は子供を振り向かない・・・振り向いても抱きしめる子の実体はないのではないか?
けれど、女が母と言う心を持った時、実体のない子供たちが見えてくる。
子供たちを抱きしめる時、それこそ女が彼岸を渡る時なんですね。これを昇華というかどうかは別として(^_^;

まあ、プログラムの解説では、「死を迎えた女の一瞬の夢」・・・その回想の中で、
「女は快楽の爲だけの末に生まれた子供を否定し続け」
「少年は精神の純潔を叫び続け女のすべてを許す」
「女は母に戻り子供たちを受け入れ」
「その瞬間に祖先の霊が迎に来て、女は静に死を受け入れる」
というように書いてありました。

まあ、とにかく舘形比呂一さんの存在感にはビックリです!!なるほど、こんなに凄い人だったのねぇ\(^^)/
勿論ダンスもド迫力!シャープだし、体全体の強靭なバネが本当にしなるように舞台を縦横無尽に席巻します。
役名は余り関係ない、とは言いましたが、
舘形さんの「下男」という役名は、私たちの世代には、「チャタレー夫人の恋人」を容易に連想させ、
イマジネーション効果もあります。

西島一博さんも的確なテクニックで優雅な舞を見せます。
彼の鞭or杖を持った出は、「弱法師」を連想させ、有る意味で、弱法師が父と子の葛藤であった、
というテーマを思い出せば、もう一面のあるいは、舘形と西島の父子として母を巡る戦いのようにも感じます。

ヤンさんは、この二人に対抗して遜色ないダンスを見せて(^o^)〜ホ♪
たったひとりの女としての存在感と、自分自身制御できない情炎に身を焼かれる女の罪業とを巧く表出していると思います。
この人には、自分に対する恍惚感と同時に嫉妬の意識があるようにいつも感じます。
歌は、ヤンさんと子供たちだけが歌うのだけど、いつもの硬質なガラスのような響きの有る声で、以前より艶が出ました(^^)v

しかし、あの水の上に立ってリフトしたり、抱きかかえて回したり、
輿を担いだり、またその輿に乗って担がれたり、輿の上に立ち上がったり・・・
怖いと思ったら何も出来ない!!
西島がヤンさんを頭の上に完全に持ち上げるリフトがあって、これは見ている方が怖かった(^^ゞ
いやぁ・・・これは腰に来ますよ!絶対!!脚も張るでしょうし・・・ムムム大変です!!
なんでも、水の中での稽古は一回しかできない、とテレビで西島さんが歎いてましたがな(^_^;

群舞の人たち「手術結社の男」という役名があった五人のダンサーたち、
彼らは「西島くんが連れてきたバレリーナ」だそうですが、大変でした(^^ゞ
ビジュアル敵にも美しくて夢幻的です。
とにかくダンスは壮絶です!!

作品的には・・・
詩人や歌人の紡いだ芝居を、言葉で分かった!というのは難しいでしょ(^_^;
と、私は思っているのです。
芝居と言う物全体そうだけれど、やはり特に、詩人の芝居は感じるしかないのですね。
私だけでなく、終わり近くには、けっこう鼻をすすっている観客がいましたし、感じる物は感じるのです。
それでいいと思う(^^)v

「祖先の霊」というのかな?「役者」という役名で最初と最後に能面をつけて、裾を弾いた衣装で現れたのは、
演出家でもある栗田芳宏氏でした。
名前ばかり聞いてはいても(字面で見るだけ)今回初めてです!!
彼は昨今メディアでも有名な「佐渡の能楽堂」で、
新潟市民芸術文化会館プロデュース「りゅーとぴあ能楽堂 シェイクスピアシリーズ」なんてのを演出している
「りゅーとぴあアソシエイト・ディレクター」だそうですが、
役者でもあり演出家だそうです。
なんと、あの吉田鋼太郎とAUNという劇団も主宰しているんだそうです(^_^;
まあ役者もするようで、且つ又梅若六郎の大ファンでもあるらしい(^_^;
はぁ・・・それで能舞台にこだわるのですかね(^^)
AUN公式HPの クリタズルーム「新潟より愛を込めて」に情熱的推薦文発見♪


劇場はアートスフィアに似た造りでなかなか豪華(^^)
「ホワイエ」って言うの、今流行り?宝塚もホワイエといいますが、要するにロビー?
ま、そのホワイエから二階席までちゃんとエレベーターがあってバリアフリーです。
二階にも両脇に男女のトイレが設置されています。女性は個室四室だけでかなり辛いけど、
アートスフィアは中二階だけなので、これは良し、としますか(^^ゞ

そのかわり、この劇場は北区の建物の中?というよりは丸井の入っているビルの11階で、
たどり着くまでが一騒動!!
とてもエレベーターは待てないので、驛に通じる二階のフロアから、延々エスカレーターで登るっきゃないです!!
でぇ・・・劇場前のそれこそロビーはひろびろしていいますが、入ってからのホワイエは窮屈ですねぇ(^_^;
お花などはそこに並べられるから余計窮屈に感じるのかな(^_^;

ヤンさん宛に真琴つばさ・朝海ひかる・楓さきなどの宝塚関係者、それになんと麻美れいからも!!
このあいだのWOWOWの特集の時、麻美さんを尊敬している、あの人のようになりたい、なんて言ったのが効いたかな(^_^;
まあ、前にも言ってましたけど・・・共演してえらく感動したみたいです(^^)



終演後のトークショーも大変面白くて、
今日(4日)は舘形・西島、昨日(3日)は安寿・西島、明日(5日)は安寿・舘形の組み合わせです。
そうそう、このトークショーのおかげか、今日は満席でした・・・いつもはどうなんでしょうねぇ(^_^;
舘形・西島ペアは大変仲がいいそうで・・・というよりこのカンパニー自体が仲がいいそうです♪
西島は初めての参加だそうだけど、まあ演出家の栗田一家というものらしいですから。
もっとも、その舘形と西島は、舘形が、大昔宮崎に公演に行ったとき、
そこの特別ゲストで将来有望なバレリーナという事で、16歳の西島が特別出演したそうです♪
それで共通の友達などもいて飲み仲間にもなっているとか・・・稽古中はお昼休みに
財布もってランチなどに、このビルの食堂街をフラフラしていたそうです♪

そういえば、私の隣のオバサマ連は舘形さんのファンらしい。
しかもその繋がりでヤンさんに好意的(^^)v
安寿さん、安寿さんねと言ってくれて、ありがとうございますm(__)m
ついでに、携帯の待ちうけはヨンサマだとかご自慢でしたが(^_^;


舘形について栗田の評が出ているのがこちら。ファンサイトがこちら
西島については、スターダンサーズ・バレエ団の公式HP

こちらに 栗田芳宏氏のプロフィールに関して出でいます。

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