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5月26日(木)

レ・ミゼラブル2000アニバーサリー


ナント!まだ眩暈がしているというのに、行ってしまいましたよ(^_^;
私「レミゼ」は初めてなのだ!!
もうキャストの世代交代があって、殆ど初演メンバーから変わっているんだけれど、
二千回記念としてオリジナルキャストの特別公演があったのです(^^)
で〜、私は巧くGETできたのですネェ・・・行かないわけないでしょう(^_^;
当然プラチナチケットになって、ネットでン万円の値段がついてました〜♪

いや、当初はドラマの出来としてあまり期待できなかった、という事がありまして〜イマイチ足踏みだったのです。
ところがドラマとしてどうこうというより、いろんなスターが輩出されて、
何より島田歌穂の登場が嬉しかったのだ〜\(^^)/
実は・・・大昔、スターのかくし芸的番組があって、
それにまだアイドルデビューしたばかりの島田歌穂という女の子が出ました。
アイドルというには可愛くないんだけど、それが
「将来は越路吹雪さんのようになりたい」と言ったんですね。
へぇ〜、こんなアイドル候補生みたいな子が越路吹雪の名前を知っているだけでも偉いじゃん、とは思ったんだけど・・・
どう考えても、この顔ではアイドルは一寸無理だし、
歌もどうかな〜、と言う感じでした(^_^;
ところが、そのかくし芸に津軽三味線をたった3日で覚えてきたと言うんです!!
勿論上手じゃないけど、ちゃんと津軽三味線になってんの♪
それには審査員もビックリして大絶賛だったんです。
優勝は勿論そういう番組の出来レースでちゃんとアイドルになっている子がとったんですけどね。
でも、私もなんだかとっても印象に残って、スターにはなれないだろうけど幸せになってネェ・・・みたいな感じ(^_^;
春野寿美礼みたいだ(^^ゞ

不思議と何か事あるごとに、あの子どうしてるかな〜?って思ってたのです(^_^;
そうしたら、「レミゼ」で、エポニーヌという役の子がとっても良くても島田歌穂というんだ、という批評が出て、
あ!あの子だ!!
なんでそんなに憶えていたのか自分でも不思議だけど、だから、それで゜見に行こうとは思ったんです。
それでもあまりねぇ・・・ドラマとしての完成度に疑問有りで〜(^_^;
そのうちテレビ中継のロンドンの「レミゼコンサート」とか聞いちゃうと、もうそれでいいか〜(^_^;
そのうち、いろんな俳優たちが下から勝ち上がってダブルキャストどころかトリプル・クワトロ・キャストになって
あれこれキャストの組み合わせを考えていたら、なかなか行かれなかったのですねぇ(^_^;
私としては、ジャンバルジャンが誰かというより、
エポニーヌ・島田歌穂とフォンテーヌ・岩崎宏美の組み合わせが見たかったんだけど、これがなかなか難しかったのだ(^_^;

でー、結局見てわかった(^^)
やっぱりこれは、役者たちの奮闘振りを見るためのミュージカルだったのね(^^ゞ
いやぁ、役者はよかった!誰も彼も!!

ドラマとしては、ちょっと甘い、と思う・・・要するに、
「ねえ皆さん知ってるでしょう?あのジャンバルジャンのお話ね〜♪」というノリなんだなぁ(^_^;
ミュージカルなんだから、それでいいと言う人もいるかもしれないけど、やっぱりそれじゃおかしいと思うのですね(^_^;

ジャンバルジャンは妹の爲にパンを盗んで19年服役した、
19年と言う年月は、殆ど罪に承服できなくて脱走を繰り返してどんどん服役年数が重なった結果だった、ということを
もう少し大事にしなくちゃいけないんじゃないか〜、と思うのですね(^_^;
それと、改心してから、すぐ成功者として登場してしまう・・・あれは宝塚的発想かもしれないけれど、
もっと影絵でいいから、一段階ずつ苦労して上り詰めていく所を見せなくちゃ(^_^;
宝塚の「華麗なるギャツビー」では、
最期の回想シーンで、小さな子供から、少年、青年までの日々
貯金高を読み上げていく過程で、コツコツ働いて努力していたギャツビーの若き日を辿って、
その彼が、ああした華麗なるギャツビーに成り果ててしまったことに涙することが出来たんだよね(^^ゞ

そうでないと、なぜフォンテーヌの死にあれほどの衝撃を受けるのか納得できない!
苦労して成功者となった自分が、苦労している者の存在を忘れてしまった、という事実に衝撃を受けたからこそ、
フォンテーヌの死に打ちのめされるわけでしょ。
そして、コゼットを必ず幸せにしようと決意する、それは今度こそ貧しく苦労していた自分を忘れないためですよね。
そこを描かなくちゃ!!

ジャベールに関してもそういうとこありますよね。
ジャベールは法を守ることこそ自分の生きがいで誇りだったわけです。
だからこそ、法に反する物を目の敵にする。
そこで、その法に反している者に助けられた自分が許せない!
まあ、ジャンバルジャンよりは分かりやすく描かれているけれど、
もうひとつ突っ込んで法律が弱い物虐めを正当化する処を描いて欲しかったなぁ、と思うのですね。

もひとつわかった、というよりはやっぱりそうか〜、と納得したのは、
「レミゼは群集劇」ということは想像していたんだけど、各パートに主要な役どころがあって、
それが、ジャンバルジャンを軸にして、コゼット・マリウス・エポニーヌの恋愛モノがあり、フォンテーヌの母物や、
アンジョラスの学生運動モノ・それに伴うテナルディエの下層庶民モノなどがある、と言う風に考えてました。

ジャンバルジャンというのは狂言回しであり、主役はエポニーヌとアンジョラスなのね(^^ゞ
レミゼラブルというのは全くエポニーヌなんだ!
マリウスとコゼットというのもドラマの中での恋物語の主役ではあるんだけど、ドラマ自体の主要な役処ではないんだな。
これはちょっと意外だった(^^ゞ

意外といえば・・・岩崎宏美は絶唱というほど歌がうまいんだけど、やっぱり歌手なんだ!!
そういう評判を聞いても、あれだけ歌が巧い人なんだから、当然演技力だってあるわけだし、
いいんじゃないの、と思っていたんだけど・・・やっぱり大歌手!名歌手!ではあっても、女優ではなかった!!
自己完結しちゃうんですよ!!
凄く巧い歌で、劇場中をシーンとさせるんだけど、それは彼女の歌の世界であってね
「レミゼ」の世界に広がっていかないんです(;_;)
つまり、岩崎宏美が母の心を歌う!歌い尽す!んだけど・・・フォンテーヌじゃないんです。あくまで岩崎宏美の世界!!
勿論スターで何をやっても自分自身でしかない、と言う人もいるんだけど、そういう意味ではなくて、ですねぇ・・・。
でも、それじゃ、誰がアレだけ良い歌を歌えるか?というと、やつぱりそうは以内でしょうけどね(^_^;

それに引き換え、島田歌穂は、歌も巧い!劇場中を島田歌穂の世界にするんだけど、
ソレと同時にそこにいるのが島田歌穂ではなくエポニーヌになっているんだわ!!
彼を愛してる!でも彼はわかってくれない!!
自分と私とは棲む世界が違う、と彼は思っている!と歌います。
歌の間合いにちょっとした静寂の間があるんだけど、そこに劇場中が揺るがないのです!!
息を止めてエポニーヌの哀しみを見つめてる!!
凄い!!
悪い親に育てられて知性も教養も優しさもなかった女の子が、恋をしたことで凄く優しい誇り高い心の女の子に変わるのです!
誇り高い?だってそうでしょ!恋敵の女の子に自分の好きな人からの恋文を届けたり、命がけで返事を貰ってきたり、
自分の心に誇りがなければ出来ないよ(^^)
でも、そんな変身を誰もわかってくれないのですね・・・エポニーヌは何時までも汚い小さな女の子!
それでもいい!私は彼に精一杯尽くしたんだから、今彼の傍で死彼の爲に死ねることが私の誇り!
そこを巧く出しているの、島田歌穂は!!

後、なんでアンジョラスがもてはやされるのか?
レミゼの群集劇というパートのリーダーなのね♪
それで今回は特別演出なのか知らんけど最期のシーンも盆を回してもらってキッチリアピールしていて、
そりゃあ、あの役なら人気も出るよ!!
岡幸次郎は、今の「レミゼ」ではジャベールをやっているそうですから、そのうちジャンバルジャンもやるかも(^_-)-☆
そういえば、こないだの狸御殿、通路隔てて前の列に見に来てました(^^)
目立ちますなぁ・・・いい男だしオーラあります(^^)


今井清隆はねぇ・・・
村井邦夫がジャベールをやっている時(って、これが相当長い期間だったらしいけど)、テレビに一緒に出で
「見果てぬ夢」を歌ったのを聞いてぶった曲げた!!
巧い!!
ただ、どう見たって悪役面で、スターの雰囲気もないし・・・でも「ラマンチャ」やらせたいと思っていたら、突然四季に行っちゃって、
あれよあれよという間に、「美女と野獣」のガストンで菊田一夫演劇賞かなんかもらって、
「オペラ座の怪人」のファントムやったら、さっさと四季を飛び出してきちゃった!!
ファントムやりにいったのね(^_^;用が済んだら、はいそれまでよ♪

今回は、1988・アンサンブル→1891・ジャベール→2003・ジャンバルジャンという
「レミゼの象徴」みたいな格好で、
鹿賀のジャンバルジャンを押さえて主役に回ったわけですが・・・
よかった!!
とにかく巧い!!
この人、エポニーヌになって「オン・マイ・オウン」を歌いたいそうで、エポニーヌやらせてくれたらお下げにすると言ってましたけど、
できそうだわ(^_^;
大体、ジャベールをやっていた時はジャンバルジャンの歌(ブリング・ヒム・ホーム)が好きだったそうで、
ジャンバルジャンになったら、ジャベールの「スターズ」が好き、「ない物ねだりと言うか、人の歌が良く聞こえちゃう」そうです。
「レプリーク」2003年8月号新生レ・ミゼラブル黄金のカルテットで言ってます)

オーラもあるよ!鹿賀武史には負けるけど(^_^;
いやぁ〜・・・鹿賀武史は最早貫禄ネェ♪

カーテンコールのラインナップはカーテンが開く度にその都度変わるんだけど、鹿賀はどこにいても王様でした♪
そうそう、この時、やつぱりこういう場合にも岩崎宏美は女優じゃなくて歌手だった〜、とかんじたのはドレスの裾が巧く裁けないの(^_^;
でも、ちゃんとアンサンブルの男の子が後ろから裾持ちしてくれて、ウ〜ン♪良いカンパニーです!!

島田歌穂の声が出なくなった時があって、終演後にワンワン泣いていたら、
「歌穂、良いお医者様があるから行こう」と、連れて言ってくれたのが岩崎宏美だったんだそうです(*^-^*)
2003年10月号「レプリーク」の座談会「四人のエポニーヌ」で島田歌穂が言っとりました)
そうそう、その座談会で初演の時、演出家ジョン・ケアードが
「エポニーヌはどう考えても可哀想な女の子だけど自分を可哀想だと言う表現はするな」と言われたんだそうですが、
私としては、「レミゼラブル」ってタイトルはそのまま、エポニーヌに当てはまるな、と思ったんですネェ(^^ゞ

ティナルディエ夫妻の斉藤晴彦・森公美子はさすがです・・・ちょっと手に入りすぎ、という気もしなくはないが、
ああいう役どころは手に入りすぎ、にならないとサマにならないトコもありますから(^^)

コゼットの知念里奈は良く歌ってますが地味だネェ(^_^;
マリウスの石川禅と言う人初見参♪二枚目の雰囲気があってなかなか(^^)
ガブローシュという勇気ある少年をやった子は大久保祥太郎or桝井賢斗・・・今日はどっちかな・・・よかったよー\(^^)/

アンサンブルの処理・装置・照明・衣装など全部外国の名前ですが、
「補」と言う形でそれぞ゜れ日本のスタッフが頑張っています♪
今の舞台関係で、このへんの充実度は素晴らしいですね(^^)

オリジナルと今のは音楽も多少違っているらしいんだけどシェーンペルクという人が手直しをしているらしい・・・
もともとオリジナルからの作曲家です。
今回はオリジナルキャストで、昔のままなのかな?わかりません(^^ゞ


二〜三度目のカーテンコールからスタンディングオベーションになって、五回?六回?最後はもう手が痛くなるくらい!
で今井清隆の投げキッスで本当に劇場の灯りが点きました(^^)
いやぁ・・・よかった(*^-^*)

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