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4月11日(火)
「カエル」
―新国立劇場―



珍しくも、商業演劇っぽくないお芝居を見てきました♪

ねもん家に時折遊びに来てくださるいーらんさんが、演出助手として関わった!
ということでお声をかけてくださり、挙句はご招待に預かった物ですm(__)m

去年の新国立のシーズン・ブックをもらった時から面白そうだな、とは思いましたが、
普段見ているものとはジャンルがかけ離れているので、
実際行くとしたらどうかな・・・、というところでしたから喜んでお受けしました\(^^)/

でー、とっても面白かったです♪
勿論、社交辞令とか、じゃなくて!!

おもしろうてやがて悲しき・・・ではなく恐ろしき〜未来が透けて見えました。
あんなに脚本がきっちり書けているお芝居久しぶりで見ました(*^-^*)
まあ、この所宝塚とかお能とか、オペラもバレエも脚本は適当で、
見る方でイマジネーション膨らませよ、という物ばかりですから(^^ゞ

役者さんも大変でしたねぇ・・・台詞のリフレインが多い上に
ダ・カーポありダルセーニョありで紛らわしくてさぞや大変だったろうなぁ・・・と(^^ゞ

そして、演出家の鵜山仁さんや、演出助手のいーらんさんは、
中国語の原作と日本語のニュアンスを埋めるのに大変な苦労をなさったろうな、とも感じました(^^)

千葉哲也という役者さんは、何度も見ているはずですのに、あまり、印象に残っていなくて・・・
でも受賞歴など見ると大変な物ですよねm(__)m
今日もとっても巧く舞台を回してましたよ(^^)
熱演型ではなく軽く力を抜いている所が巧いのね♪

宮本裕子は、「かもめ」のニーナをテレビ中継だけど見ていて、若いけど良い女優さんだなあ、と思ったら、
それで其の年の紀伊国屋演劇賞を受賞して、オー!と思っていたのでした。

でも見ている最中から、これ東京シティボーイズでやったら最高なのになぁ、と思ったのはごめんなさいm(__)m
イッセイ尾形のひとり芝居でもいいのに、という気はしました(^_^;
↑の人たちの方が、ナンセンスな笑いが強くなって、後でゾッとする感じも強くなるんじゃないかな・・・と思ったのでしたm(__)m

新聞の劇評でもセットを褒めてましたけど、良いセットでしたねぇ♪

私は、セットと言えば朝倉摂さん!!ですが、
同じ水を使ったセットでもコロセウムを連想するような舞台で水を使うとは思いませんでした(^_^;
「走れめるす」の加藤ちかさんという方だったのですね(^^)

地球のオブジェも最初から分かりやすかったし・・・でも、
私は最後にあの地球が転がり落ちて水につかる、とは思わず、
あれが爆発してカエルが次々に飛び出てくる(新しい生命が誕生してくる)のがラストなんじゃないかナァ、
とか建設的に考えてました。
下手の端の座席に人のような形に置いてあった帽子とマント?が、絶対、暗転の時誰かが入って動き出すだろう、
などと自分勝手な思い込みをしてしまいました(^_^;

でも何も動こうとしない人間たちの足に牡蠣が張り付くというのはかなり暗示的で面白かったです。
地球にひたひたと水が押し寄せてくる、と言う怖さと、この牡蠣の怖さに比べると、
高層ビルディングに飛行機が突っ込む、という現実的な恐怖さえ人為的な文明の脆さを先に感じます。
決して、9・11テロをないがしろにしているわけでは勿論なく、
被害にあわれた方たちを哀悼する気持ちに嘘は有りませんが、
地球が水に沈んでいくという怖さのほうがずしりと来ました(^^ゞ

スマトラ沖地震によって嶋が一つなくなってしまった、という地震という自然の怖さを言う台詞がありますが、
こちらは地球がまるこど沈んで行くイメージの中では、前兆という重さがあるはずです。
しかし、この中では、その重さがあまり感じられないように思いました。

霰が降る場面があり、それは地球環境の激変をイメージするのかもしれませんが、とてもダイナミックで綺麗でした。
後、原子爆弾が爆発してしまったような場面が有り、一寸ドキッとしました。

しかし、どんな場面で、どんな恐怖を感じたとしても、美しい劇場で、交通網も整備されていて、
観客たちもお洒落な感じのおじさん・おばさん、若い人も一寸いましたけど、
平和ってありがたいですねm(__)m



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