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2007年

2月22日(木)

月組


「パリの空よりも高く」
―菊田一夫作「花咲く港」より―
レビュー・ロマネスク「ファンシー・ダンス」


いやぁ♪びくったぁ〜!!

今月は、遼河はるひと桐生園加に乗っ取られた感じだナァ(^_^;

ええ・・・まあ霧矢はけっこうよかったんですよ(^^ゞ
なんとなくダブルトップ並の扱いだったし・・・

スポニチの「小林一三翁50回忌追悼スペシャル」の記事によると
「霧矢の衣装は日本物、フィナーレともに準トップ扱いとなり、歌劇団の今後の方針が明確に なった。」
とか、書かれていたし、去年あたりからの外部出演も含めての活躍と評価は大変なものだったけど、
今月公演で言えば、「俺様」と五分にわたりあってます(^^)vと言う以上によかったんだけど、ねー(^_^;

しかし、遼河はるひってこんなに踊れたのか?!
いや、それ以前に存在感!凄い〜!!!!!
今月の瀬奈の対抗は遼河はるひだよー(*^-^*)

えー、まず、順番に(^_^;

「パリの空よりも高く」
―菊田一夫作「花咲く港」より―

これは、リメイクなのかなぁ?と思って、古い宝塚のステージアルバムを漁って見たんだけど、なかったですね。
(おばさんは、1157年版からのステージアルバムを持っております!オッホン!!
・・・ところが、例の超BIG4(大浦・剣・杜・日向)の時代を見ていないもんだから、
そこの分がスポッと抜けておる・・・ギャア(;_;)号泣)

でも、どこかで見たように思ったので一応検索してみたら、大当たりで

新国立劇場で鵜山仁演出で平成17年3月に
渡辺 徹・ 高橋和也 ・富司純子・寺田路恵・ 高橋長英 ・織本順吉 などの出演でやってました(^^ゞ

新国立のキャッチコピーは

『人間のもつ、広くて深い不可思議な感情、「笑い」をテーマにおくるシリーズの第1弾。昭和の人気劇作家・演出家の菊田一夫による不朽の名作『花咲く港』をお届けします。

とありました。
もともとは、古川緑波一座に書かれたものらしい(^_^;・・・私、まだうちの「古川緑波」書いてないんだよねぇ(^_^;
「昭和18年舞台初演、また映画化もされ、大好評を博した」そうです。

こちら(新国立)の舞台は九州に実在する甑島(こしきじま)だそうで。

太平洋戦争勃発という暗い時代に突入していく世界状況を見据えながらも、希望をもって生きていくことの尊さや人情の深さを伝えるストーリーが、島民のエネルギーあふれる生活のなかに展開していきます。

彩乃かなみに該当する役はなさそうだけど、富司純子が出ているので、新国立のマドンナ役はこの人なんでしょう。

でー、片や、わが東京宝塚劇場では、
「パリの空よりも高く」という題名で分かるとおり、舞台はパリです♪
第四回万博前のパリで、第二回の万博を成功させた偉人の忘れ形見という触れ込みで現れた兄弟が、
「パリの空よりも高い」塔を建てたい、という建築家の夢を利用して一儲けしようとする。
実は偉人の忘れ形見は弟分の一人だけ!
兄を名乗る方は、全くの他人で巧い話をかぎつけた詐欺師の兄貴分、というところでした。

ところが、偉人の恩を忘れない人々と儲けたい人々の善意や熱意にほだされで〜・・・というお話。

これが、霧矢が大儲けの良い役で、彼の演じるエッフェルが建てたいという
「パリの空よりも高い塔」というのは、当然今のエッフェル塔です。

これをネタに一儲けをたくらむ詐欺師の兄弟が瀬奈と大空雄飛なんだけど・・・。

まあ、瀬奈はそれなりに・・・もう少し為所を考えてくれればよい役になったのに(^^ゞ
これじゃ、霧矢に役を取り替えてよ〜、と言っても良い位です(^^ゞ
でも、そんな役をそれなりに見せたのは偉いとも思うけどネェ・・・。
大空雄飛は、こっちは遼河はるひと役変えてもらえばやり方もあってよかったと思うよ〜(^_^;
あれはやり方でかなり面白い役になったと思うんだけど、今月大ブレークの遼河はるひでも、
あの役はまだちょっと荷が重いんじゃない(^_^;

まあ主役コンビで、というなら、こちらももう少し考えてもらいなさいよ(^_^;

大体、お他所の観劇評でも書かれていたけど、
せっかくのあの大嵐という見せ場に何も見せないの!!
馬鹿だ!!

CGだってあるし、オーソドックスにスクリーンプロセスを使って、
大嵐の中に揺れるエッフェル塔を見せなくちゃ!!

のっそり十兵衛をやらせるだ\(^^)/
のっそり十兵衛?新国劇の大HIT作、幸田露伴作の「五重塔」だよ。
自分が建てた五重塔を大嵐の中によじ登って守ろうとする十兵衛と、
もし塔が倒れたら生かしちゃおかねぇ、と下で見守るライバル川越の源太との男の戦いと友情ね(^^)
いくら「菊田一夫作」を標榜したって、あっちこっち借りまくりくっ付けまくりは宝塚のお家芸だろうが(^_^;

脚本誰だぁ?演出誰だぁ?
はい、植田紳爾先生・・・すりゃ無理ないわなぁ〜(^^ゞ
私ら、宝塚見始めた頃、白井鐵三が巨匠という名の粗大ゴミになっていて、
それでも、宝塚全体で、白井先生、白井先生、あんたは偉い、あんたは偉い・・・
と、持ち上げて、ファンから白眼視されておつたのよ(^_^;

まあ、宝塚ってそういうところですけど、ねぇ〜(^_^;
まあ、才能というのは枯渇するものです。

私が大好きな鴨川先生を一番偉い、と思うのは、才能のピークを過ぎたか過ぎないかの51歳で亡くなったこと!
勿論、あの時は、逢った事も無い人なのに泣きまくったけど、ね。
もし、あの鬼才が、今生きていて、誰かのように生き恥を曝したら、もっと悲しい・・・。
死んでくれてありがとう、だわ。

はい。話を舞台?―私の夢の(^^ゞ―に戻して、
大嵐の場!
立てかけの塔が揺れている〜〜〜ユーラ、ユーら、
そんでー、駆けつけた霧矢エッフェルがよじ登ろうとする、
もし、ボルト一つでも緩んでいたら大事故になるから、確かめなくっちゃ、ってね。
それを止めてる上院議員の未沙のえる、
そしてまたそこへ、瀬奈・アルマンドが駆けつける。
「君が塔に登って、もし君に何かあったら、後はどうなる!
今、この塔は君だけの夢じゃない、僕たち全員の、いやフランス全体の夢なんだ!
僕が登る。
君には、絶対この塔を完成させなくちゃならない義務がある!」
とか、言っちゃってさ・・・

登るだよ〜当然スクリーンプロセスのドアップで瀬奈の顔にホースで大水ぶちかますだぁ♪

でー、暗転して、例の除幕式の華やかなシーン!と。

ねぇー、これくらいしなくっちゃ(^^ゞ
瀬奈アルマンドの心意気が生きないわぁ〜(^_^;
霧矢エッフェルが、僕の恩人だ!と皆に宣言する時に胸キュンにならんよ(^^ゞ
でー、このシーンの未沙のえる上院議員は車椅子よん♪

まあ、これくらいしておけば、瀬奈いいよぉ♪

でー、これで、大空雄飛が、あのC調(死語)な拝金主義の御曹子をうまくやればいいんだけどなぁ♪
あれは、なかなか良い役ですよ〜。
遼河はるひ君、ちょっともったいなかったなぁ(^_^;

上演時間?オープニングのダンスとロケットを削れば出来ます!
何のためにショーと二本立てになっていると思ってるんだか(^_^;
芝居は芝居できっちり作れよ!!

出雲綾がなかなか素敵なマダム振りです(^^)v
この人、こういう世話型のマダムがよく似合うようになりましたねぇ♪

矢代鴻のような「パリの匂いのする女」というのではないけど、
どこの街にもいるちょっと親切とお節介がないまぜになったおばさん、ってところかな。
それで、カルロッタみたいな役もできるし、ね・・・ここんとこ大ヒット連発ね(^^)
でもさ、このおばさんと瀬奈アルマンドの二人の場面ね・・・
「あなたのお父様が結婚していらっしゃったなんて知らなかったのよ・・・」という述懐に、
瀬奈アルマンドが何も慰めのコメントしないのは間が抜けてるでしょう(^^ゞ

大体、このホテルで仕事をしていた頃は自分と母は捨て置かれていた、という前振りになっているわけですから、
そのままでは、偉人の父のイメージを損なっているわけですよ。
だから、そのケアの意味もこめて、
「実は、父と母は巧く行っていなかったのです。
けれど、後年父が戻ってきた時、いろんな話を聞くことができました。
僕がこのホテルに来たのは、父から聞いた話があったからです。
父は、このホテルにとても美しい思い出を残してきたと言っていました」
くらいな、ねー(^^ゞ
後は何も言わなくても、マダム出雲が、
「そう、おとうさまが美しい思い出を残してきた、と、このホテルに・・・」てな所で話は落ち着くし、
マダム出雲がアルマンドをより大事にしようとする気持ちが伝わるし、
裏切られたと知っても、思い出は美しく残るものだ、という気持ちのベースが出来るんじゃないかな(^^)

でー、

レビュー・ロマネスク「ファンシー・ダンス」


いやぁ♪びっくったぁ〜!!

今月は、遼河はるひと桐生園加に乗っ取られた感じだナァ(^_^;

と、なるわけですねぇ(^^)v
作・演出三木章雄
音楽は高橋城・吉田優子・鞍富真一
振付、ダレンリー・名倉加代子・羽山紀代美・KAZUMI−BOY
「ファンシー・ダンス」の題名どおり、各国のイメージを表現したダンスが揃ってます。
またみんなよく踊ってる・・・最近「ダンスの花組」なんて言えなくなってきた(;_;)
今や「ダンスの月組」だよねぇ\(^^)/

でー、この公演から、その「ダンスの花組」からの移籍で桐生園加!
この人いなくなったのも「ダンスの花組」が危うくなった原因の一つです(;_;)

しかし、それにしても、桐生園加の顔がでかい、でかい、と思っていたら、
遼河はるひはそれどころじゃなくでかい!!
もともと、宙組をあまり見てないし、たまに見ると、ソコソコ目立つけど、
たいしてダンスも巧いと思わなかったし・・・
宙のダンス陣は、わたる君と樹里咲穂がいなくなって大崩壊、と思ってたのですネェ(^_^;
それで、私は、大和悠河が宙に移籍してからも宙組見てないんだよね(^_^;
大和自身は90周年のお祭り行事で星組に特出したのを見て大感動で、
このまま星組に居残って〜、と思ったけど(^^)
だから、宙組のダンスなんて、まあ頑張ってくださいね、くらいなものだったわけで(^^ゞ

それがまあ、今回の月組移籍は桐生と一緒と知らされれば、考えるよね〜(^^)
でー、見事に乗っ取った!
もう、目立つ、目立つ・・・顔がでかいだけでなく、存在感凄いもんがありまっせぇ〜(^^)
ただ、脚短いのねぇ・・・まあ、サイズとしては普通なんだけど、
何しろ全体がでかいわりには・・・脚の長さがみんなと一緒(^_^;

片や桐生園加!大空雄飛をバックダンサーにしちゃったもんねぇ(^_^;
名倉加代子振付「あいわなだんす」・・・I wonna dance!ちゅうことですがな♪
俺は踊りてぇんだ!ってことね(^^)
桐生にピ〜ッタシカンカン♪
もう、まるで太刀打ちできないだよ、雄飛君(;_;)
ホントは、トップダンサーは俺様だ、ってギンギラジャケットを取るはずなのに・・・(^_^;

桐生園加、顔でかい、でかい、と思っていたけど、遼河はるひに比べたら可愛いもんだわぁ(^^)

片や、「タンゴノワール―ペトルーシュカより―」ってやつがダレン・リー振付で、
霧矢対遼河はるひ!
これは良い対決でした。

霧矢のダンスって、もうちょっと手脚が長けりゃなぁ・・・と思っていたら、某サイトでも書いてあって、
霧矢の応援団としては、申し訳ございませんm(__)m
でも、今月のこのダンスでは、ちっともそんなこと感じることなかつたぞ!
それどころか体の使い方のしなやかさが目立って素敵(^_-)-☆
遼河はるひも負けてない!ダンスも存在感も!!
それでも、ここは霧矢のダンステクニックってこんなに凄かったんだ!と思い知らされるところがあった(^^)v
タンゴだからその神経ピリピリ感が心地よいです(^^)
脚の捌きは勿論、腕の上げ方、肩の入り方、頚の動かし方にも神経が行き届いていてGOOD♪
但し、タンゴだからその神経ピリピリでいいんだけど他のダンスは〜?と思っていたら、
優雅に踊る場面、同じくダレン・リー振付「Dance with me!」などはまた優雅に踊ります。
いやー、霧矢、いいよ〜\(^^)/

それにしても、ダレン・リー、名倉加代子、良いです\(^^)/

龍真咲という子がよく踊っていてお〜\(^^)/
二列目に巧いのがいるよ、と思えば相変わらず嘉月絵理です!!
いいよねぇ、この人、ホントに好き(^^)
お芝居の方もいつもの役どころだけど、そつなくこなしていてカッコいい(^^)

彩乃かなみは相変わらず健康で・・・芝居の方はまあまあそんな役どころでいいんだけど、
ショーの方はいろんなキャラがあって、難しいですねぇ(^_^;
意外や、良いと思ったのは、シェラザードの母性を見せる所(^^)
思うに彼女はおっかさんなのだ〜!
初風諄のタイプかあ・・・とすると、喜劇やらせると巧く嵌るんだろうな〜。

喜劇といえば、みるからに喜劇っぽい顔の
城崎あいは綺麗になりましたねぇ・・・もっと、馬鹿っぽい顔でごっついイメージだったんだけど、
今日はとつても綺麗に見えた(^^)
それと意外や、この人ダンス巧かった!!「こんなに踊れる」と、言うほどではないが、普通に踊れるのでした。
あ〜ら!発見(^^)
殆ど霧矢と組んでますが、良い感じでしたよー(^^)
フィナーレ、羽背負って出てきても可笑しくない花があります。
しかし、あの笑い顔は何とかならんかね?
笑顔とか微笑みとかじゃなくて、ニターッと笑ってる、という感じです(^_^;
あれを何とかすれば、スケール大きい、嘗ての南風まいみたいな感じになりそう(*^-^*)

羽といえば、また遼河はるひなんだけどさ、この人大きな羽背負わせたら、もう、トツプの顔で降りてくると思ったわ(^_^;
いやとにかく今月は、こいつだ!!
瀬奈とも対等に渡り合ってたし・・・いいよ、ホントにいいよ(^^)・・・このまま続けば、ね(^_^;

はい、お待たせしました、「俺様あさこ」
瀬奈じゅんくん。

かっこいいです!
ダンス巧いです!歌もうまいよ、本気で(^^)
オーラあります。包容力も十分。
自分のスタイル持ってます(^^)
余裕綽々・・・芝居もショーも・・・

でも、でも、でも・・・ムムム・・・何か足りない(^_^;
何が?ある意味での泥臭さ!だと、ふと思う。
わたる君や寿美礼さま、遡ってマリ子さんやツレの持つ、ほんのちょっとした泥臭さがないんだ(^^ゞ
本気で泥臭くなっちゃ駄目よ〜!!
宝塚って、いうより、レビューというもの本来持っているある種の泥臭いところ、
でも、それをいかに垢抜けて見せるか、というところがトップの見せ所なんだと思う。

瀬奈はちょっと垢抜けすぎたと思うのだが・・・大女優やっちゃつたし、ねぇ(^_^;

どんな男役でもカッコいいけど、今やるとしたら、日向薫の線で行くしかないんじゃないかな。
「戦争と平和」のアンドレとか「アポロンの迷宮」のジャンポールとか、
「デイガデイガドウ」のロットなんて、今日のまんま行けそう♪
↑ミッキー・スピレーンの原作本なんて線はいいかも(*^-^*)

知性的で、哲学的に悩んだりするか、垢抜けてかっこよくて、スーパーマン系の役か。
今日の小市民的な役、こういう世話物的なものには向かない気がするなぁ・・・。
大体、庶民の役が似合わないのは、育ちのよいのが玉に傷だよね(^_^;
そういうところが日向薫と似ているところかもね〜。

それともザッツエンターテイメントの剣幸風に「大いなる遺産」とか「南の哀愁」なんてリバイバル。

それと、日向薫的(或いは大昔なら緒方拳的、といおうか)、「この笑顔には負けるぜ」的なところもあるしね(^_^;
まだ、緒方・日向の笑顔の域には達してないけど、その線で行けそう。
今のトップ連中の中では笑顔は一番でしょう(*^-^*)

ただ、何か、この人もトップになってから、一寸面白くないのね。
ショー・ウーマンとして才能を生かせる作品に出会わない、というのもあるけどさ。
そういう意味でここんとこ、こちらも消化不良気味です。
ただ、どの公演でも、ダンスと歌と存在感は猛烈良いので、そこだけが救いです。
もったいないよ〜!三木章夫先生!
宝塚でたった二人しかいないショーウーマンを一人占めにしておいて・・・(;_;)

初風と樹里やめちゃったし、今は瀬奈と霧矢と、あっいた!マヤサン・未沙のえる!!
これで三人!!

なんで三人の見せ場作らないかな(^_^;
今月は三人もショーウーマンがいるのに・・・そういえば、なんでマヤサン、芝居だけなの?
理解できない(^_^;

それにしても、瀬奈が舞台で一人で踊る場面はいいなぁ〜(^_-)-☆



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