11月04日(日)
――友枝会――
山姥
シテ 友枝昭世
ツレ 佐々木多門
ワキ 宝生 閑
ワキツレ 大日方寛・御厨誠吾
アイ 野村扇丞
笛 一噌仙幸
小鼓 北村 治
大鼓 柿原崇志
太鼓 助川 治
後見 内田安信・中村邦生
地謡 大島輝久・谷 大作・佐藤章雄・内田成信
粟谷明生・粟谷能夫・香川靖嗣・出雲康雅
1日が宝塚で、楽しんだ後は、けっこうまた大変だったのですが、
金曜日は母の通院だったので、否応なく外出をしましたけど、後は
金・土と寝倒して出かけましたm(__)m
でも、全部は無理だし、どうせ狂言は寝るし・・・で、友枝さんの一番だけ、と思っていたのです。
がー、バスと電車の連絡がよくて、一寸早めに着いてしまって・・・。
でー、休憩時間まで゜待とうと思ったら、序幕?の「巴」と狂言「杭か人か」は休憩なし、なんですよ!
じゃあ、入るの辞めて、お茶でも、と思ってたら、
案内のオネエサンがご親切にも、「(「巴」の)最後の所だけでもご覧になれますが」と、けっこう強いお誘いでー(^_^;
大体、ですねぇ・・・私と同じようなお客が多いようで、あちこちに溜まってるのですね(^_^;
雄人くん、人気無いネェ(^_^;
というわけで、とにかく、一寸でも入れたいのかな、と入ることにしました(^_^;
中は意外や、そんなにガラガラじゃなくて、だったら、そんなに勧誘しなくてもよかったのに(^_^;
それに、狂言との間に休憩がない、と言っても、皆さん、けっこうお立ちになりますよ・・・。
これはちょっと考えなくては、ねぇ(^_^;
一緒のお友達は、今日は現地集合だったので、先に着いてましたが、
珍しくも居眠り!!
彼女が居眠りするのは大変な珍事なので、(^_^;
私?だって、以前に蝋燭能で友枝さんの「巴」を見て大感激してるじゃないですか〜。
比較するのは、両方に対して失礼ですよ(^_^;
梅若さんといい、友枝さんといい、天才は後継者に恵まれないわね!!
でー
「山姥」
当然、結構でした!友枝さんは!!
あ、宝生閑さんと地謡もよかったし、アイもよかった!
地謡はと〜ってもよかった(^^)v
囃子方は、もう絶大の信頼の仙幸様、柿原さん・北村さんでしょ。
太鼓の助川さんて方も初めてでしたけどよかったですよ〜♪
シテツレの佐々木多門という人の声、気になりました。
だから?謡も不満!
シテツレの謡って、ヤッパリ平板じゃないですか・・・でも、平板でも巧い下手はあるでしょう。
大体、都で有名な遊君という華やかさに欠けるもの(^_^;
装束だけが華やかです。
面は何使ってんかな?小面ではないと思うんだけど、わかりません。
なんだかなぁ・・・これは、友枝さんの人選?
まあ、いいや!とにかく友枝さん!
まず、やはり橋懸りの友枝さんで、これはもう、一目千両、一声万両ですよ(*^-^*)
装束は、前シテ紅なしの渋い〜金襴と藍の接ぎ小袖みたいな唐織で、面は「姥(うば)」と言う奴ですかねぇ(^_^;
東博に丁度出てました♪
「浅葱地三崩鳳凰菱模様」の厚板ということで、ちょっと違いますけど、色調はこんな感じです。
「山姥」のストーリーと解説もそちらに出てましたm(__)m
そこでは、前シテは
「深井(ふかい)」「曲見(しゃくみ)」などの中年女性の面をつけた前シテ(前場の主役)・山の女」とあります。
後ジテは
「雪のように白い髪に星のような眼を光らせ、狭丹塗(さにぬり)のように赤い顔をした面をつけ、厚板(あついた)の裾を腰で端折り(壺折(つぼおり))、金襴(きんらん)の半切(はんぎれ:袴の一種)をはいた山姥」
とあります。
謡の歌詞の中にも
「髪には棘(おどろ)の雪を頂き、眼の光は星の如く、さて面の色はさ丹塗りの、軒の瓦の鬼の形」とあります。
「山姥」の面はそういう名の専用の面があり、確かに能面の写真集等で見ると赤っぽいのですが、
今日の友枝さんのは白っぽい、というかねやたらの白っぽく見えました(^_^;
喜多流だからか、或いは、特別なものなのか・・・分かりませんm(__)m
まあ、とにかく、前シテで出るときに、既に舞台全体に
シーンと深山幽谷の中に突然現れたアヤカシの雰囲気が立ち込めます!
ただ、ここは大変に上品です(*^-^*)
「気品ある里の女」という感じです。
でー、後ジテで白髪の、あれも「白頭(しろがしら)」というのでしょうか、をかぶり、
↑に書いたとおりの白っぽい面です。
それが、まうなんというか、非常に悲しげに見えました。
「悲しい山姥」というか、「山姥の哀しみ」というか・・・なんとも切ない姿です。
「黒塚」や「安達ケ原」の鬼婆たちはこんなに悲しかったかしら、と考えてしまいました。
ふと、この「山姥」は、昔遊里で鳴らした女が、今は落ちぶれて、さすらいの遊女になっている。
そこへ、今を盛りの若い遊女が御供を連れて通りかかって、その郭話の一こまなのかな・・・などと、
歌舞伎的考え方をしてしまいました(^_^;
でも、そんな印象を持つほどに、友枝さんの山姥は悲しくて色っぽい、しかも上品な山姥でした(^^)
そうそう、今日の小鼓は北村さんでしたけど、いつもほどハアハアはしてらっしゃいません(^^ゞ
大鼓は、亀井さんより、私は柿原さんの方がいいな・・・勿論お二人とも素晴らしいのですが
亀井さんを聞けば、やっぱりこっちがいいな、と思うのでしょう。
仙幸さまのお笛は、本当に心に染み入りますねぇ・・・ただ、今日はちょっと繊細さの感じが強かった(^^ゞ
深山幽谷だからかな(^_^;
狂言は、相変らず寝ていたのでよく分かりませんでしたm(__)m