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5月24日(土)


――友枝昭世の会――

狂 言

伊文字
シテ 山本東次郎
アド 山本則孝
アド 山本則俊




求 塚

シテ 友枝昭世
ツレ 大島輝久/内田成信 

ワキ 宝生 閑
ワキツレ 高井松男/則久英志


笛  一噌仙幸
小鼓 鵜澤羊太郎
大鼓 柿原崇志


後見 塩津哲生
    中村邦生

地謡 友枝雄人・狩野了一長島 茂・金子敬一郎
   粟屋明生・粟屋能夫・香川靖嗣・出雲康雅


えー!本日は・・・一寸いつもと違う結果で・・・(^_^;

大体、いつも、狂言は寝るかパスか、なんですが・・・。
今回もそのつもりで居たんですよ、昨夜まで!

大体、今週は、寝ても寝てもトロトロ、トロトロ眠れるわけで、いつも疲れている感じで・・・。
ちょっと美味しいお誘いもあったのに、涙ながらにパスしたのです。

当然、狂言は無視してました。
どうせまた野村萬か万蔵でしょ。

でー、昨夜チケットをお財布に入れようとして、フッと同封のパンフを見たら、
ヌァ〜ント!今回は大蔵流です!あらまっ!!
し・か・も・・・東次郎さんじゃごさんせんか!!
えー!和泉流じゃないの・・・どうしよう?寝るかパスかと思っていたんだけど、なぁ・・・迷うぞ!これは(^_^;

でも、「求塚」だって、どっちかといえば、本来ならパスで、
友枝さんだからこそ、行こうか、というより行っておかなくちゃ、と思ったんですよね(^_^;

二時間という上演時間はまあ心配といえば言えるけど、それより内容が、ねぇ・・・。
私は、この兎名日乙女とか芦屋乙女・真間の手児奈とかの話は嫌いなの!
いや、別に自分がもてなかったから、という恨み節♪ではないですよ(^_^;
勿論、時代ということを考えても、ですよ・・・どうも「好きくない!」
万葉の女性たちは、かなり積極的に自分の思いを吐露する自立した人間ですよ〜。

でー、どうも、こういう内容で二時間持つかな?というのに、
狂言まで本気で見ちゃったら・・・一寸自信ないっす・・・と不安だったのに・・・。
結局東次郎さんに釣られて行ってしまいましたm(__)m

しかも、則俊さんも出るのだもの\(^^)/


というわけで・・・
伊文字
シテ 山本東次郎
アド 山本則孝
アド 山本則俊

「たのうだお方」はまだ妻が無く、太郎冠者を連れて、清水の観音様にオコモリをします。
でー、「御霊夢」によって「お妻」を授かるということになります。
でー、でー、本当に夢のお告げのように、清水寺の西門に佇んでいる女性がいます♪
たのうだお方は、自分では行けないので太郎冠者を使者にしますが、
女性は「恋しくば問うても来たれ伊勢の国 伊勢寺本に住むぞわらわは」という歌を残して行ってしまいます。
太郎冠者が、その歌をスンナリ覚えられれば狂言にはなりません(^_^;

太郎冠者は、下の句の「伊勢の国」の「い」の所から全部忘れちゃったのですよ〜。
というわけで、あ〜ら!大変!関所を設けて、この下の句をつけよ、ということに(^^)
それで伊文字・・・つまりさ、ホの字とりの字なんていうでし、あれです。
「い」の付く国を探しましょう。
このへんは、則俊氏の巧さがよくわかる。
オコモリの寝姿も品よく形よく、まあ太郎冠者だから、あまり品よくなりすぎてもおかしいでしょうけど(^^ゞ
歌を聴いて下の句を忘れちゃうというのも、自然な感じでオトボケ風です。

そこに主人の使いで急いでいる男が一人、まんまと下の句探しの歌の関所に引っかかりました♪
という、これが東次郎氏!
東次郎さんといえば、いつもは飄々とした演技で、脱力系の雰囲気なのですが、
今日はナント!超活力系!
飛んだり刎ねたり、傘を上手に脱いで水平飛ばしたり、
乱能などでは必ずおシテを演じるという謡の実力をご披露したり!
いや、本当に凄いのですね・・・!

その下の句を探して、というか「い」の付く国を探して、舞台上焦って、グルグル回るのですが、
その焦り具合の巧さ!おかしさ!!
早く「い」の付く国や「い」のつく里らしきものを探して、とにかくここを出なくっちゃ!という気が満々(^^)
ワッハッハ!と大口あけて笑うのではなく、クスリ、と笑う。ニヤリと笑う・・・♪

いやはや、普段の東次郎さんだって大好きですが、今日の東次郎さんは大・大・大好き(*^-^*)
終わってもホッコリニヤニヤでした。

でー、これがいかん!全部まともに見ちゃったもの!

し・か・も・・・只今国立能楽堂では「源氏一千年」ということで企画展をしてました。

「源氏物語千年紀」にあわせ、
『源氏物語』を題材にした能の世界をさまざまな資料をとおして多角的に展示紹介する。」


あーら!見なくちゃ!・・・でー、休憩時間も走り回ることになりました(^_^;

徳川美術館から狩野行信の源氏絵巻や源氏物語の書写本から抜粋書写した巻が出ていたり、
国文研から、青表紙本の諸写本54巻が出ていました。
国文研からは色々貸し出されていて、独立行政法人になって助け合いの機運強し!
それから、源氏模様の絵柄の小袖・振袖の類は・・・これ東博かな?と思いましたが、
そういう表示は有りませんでした。

「個人蔵」という漆蒔絵の豪華な文台・手箱・文箱・硯箱・・・なども♪
なかなか見出がありました\(^^)/

でー、その挙句の



求 塚

シテ 友枝昭世
ツレ 大島輝久/内田成信 

ワキ 宝生 閑
ワキツレ 高井松男/則久英志


笛  一噌仙幸
小鼓 鵜澤羊太郎
大鼓 柿原崇志


後見 塩津哲生
    中村邦生

地謡 友枝雄人・狩野了一長島 茂・金子敬一郎
   粟屋明生・粟屋能夫・香川靖嗣・出雲康雅

もう、始まったときから疲れていました(^_^;
目の焦点が合わないし、仙幸様のお笛の音色が心に染みて、ああ〜いい気持ち♪
というくらいで・・・時々意識が遠のいてましたm(__)m

まあ「橋懸りの友枝さん」はしっかり見てましたけど・・・。

「求塚」は、↑でさんざっぱらブー垂れた三角関係のお話です。
要するに二人の若者に愛された乙女が、どちらかに決めかねて、自分を殺すしか方法が無い、と、
井戸に飛び込んだり、川に身を投げたりするわけです。

今日の兎名日処女は生田川に身を投げるんですが。

まず、若者の優劣を決めようと、生田川の鴛鴦を射させるのですね。
でも、その矢は二人ともに鴛鴦を貫いて射殺してしまう・・・ここで、兎名日処女は自分の手ではなくとも、
自分の意思で無益な殺生をしてしまう。
おまけに、相変らず若者二人の反目はやまない!
でー、結局生田川に身を投げる。
と、今度は、二人の若者が刺し違えて死んでしまう・・・悲劇の連鎖ですよね。
そして、この悲劇の連鎖の元として、死後の世界でも兎名日処女は地獄の責め苦を受けている。
というわけでした。

相変らずの「西国方より出でたる沙門」の閑さんが立派です!
ツレ二人・・・どうも、一人は足元おぼつかず・・・気を失いながらあら捜し(^_^;

そして、橋懸りの友枝さん・・・ツレ二人が先に出て、これが綺麗だし、良いお声でした。
この時の友枝さんは、一寸声が消され気味?
今日は全体的に謡がよく聞き取れませんでした(^_^;
面は若女ですか・・・?
ちょっとあまり綺麗じゃないよ!

地謡はいつもの如く素晴らしいです!!
ここの地謡は――今日の地頭は香川靖嗣さんだと思うのですが――いつも凄いよね。
コロスの部分と、いつもは掛け合いになる部分が迫力あるのですが、
今日は地の文、というか。。。物語の部分でよかった、かな。

作り物の塚に入って、
後シテは、あれ「痩せ女」ですか?
ウーム・・・嬉しくない(^_^;
まあ、そういうお役ですからね・・・。
白の水干ですかね・・・くすんだ薄黄緑の袴で・・・あまり嬉しくない風情でした・・・そりゃそういうお役ですが(^_^;

あー、作り物の中で、装束換えしている間に、東次郎氏はアイで出て、兎名日処女の経緯を語ります。
この語りが、また凄いんだよ!
この部分だけ、ちゃんと聞いてた(^_^;

友枝さん!ゴメンナサイm(__)m



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