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9月20日(土)

グレート・ギャッツビー

――月組・日生劇場公演――

久々の日生でした♪
2階Fの24のチケットが当たるといいな、と思ってましたが、Dの49でした・・・無念!
まあ、承知で買ったんですけど、その後、偉く定価割れしてショックでした(^_^;
ちなみに、2階F24の席は、私が日生通いのピークの頃のマイシートでした(^^)
当時は三段階位の料金設定で、一番安い席で1500円〜2500円位の設定でした。
そのうち四段階くらいになって、2階F列は下から二番目の設定になって5000円になったかな・・・。
丁度、その頃、結婚して劇場通いも年一回のラ・マンチャだけになってしまったので、
マイシートとも全くさようならになってしまいました(^^ゞ

しかし、今回の月組の片肺飛行公演で5000円は高いよネェ

大体、最近は本公演さえ行かない組があるというのに、
片肺飛行の特別公演は?だったのですが・・・。
私としては、これで、瀬奈が発表するんじゃないか?という予想があったんだけど、
外れたナァ(^_^;

いや、止めさせたいわけじゃないんだけど、やっぱりあんまり居て、
まだいる、まだいる、というのは嫌だし、
女優瀬奈には凄い期待感があるし!!

相手役の彩乃かなみが辞めて、次の相手役を決めないと聞いた時は、
ヤッパリ!と思ったんだけどな〜(^_^;

勿論、霧矢の処遇も心配ですし、遼河も伸びてきたし・・・というのもあり・・・瀬奈ファンとしてはm(__)mかね。

でもさ、好きだからこそ、行くわけで(*^-^*)
おまけに、ウッカリ土曜日の朝の部なんて取っちゃったから、
グリーン料金も掛かるし、いつもの真珠やさん覗く楽しみもなかったし(帰りにしっかり覗いてきたけど(^_^;)

「ギャッツビー」は、
退団発表した剣幸に「ウタ子さんが辞めたら、柴田先生を独り占めできる♪」
と言った、演技派の双璧の片方、杜けあきの主演作品でした。
今回の出来を見て「ブロードウェイにも持って行ける」と言ったそうです♪

MEMYに続いて名作再演!というわけで・・・やはり色々比べちゃうよね(^_^;
まあ、MEMYみたいに入れ込んでキャア!という所は無い分、しみじみと心に残る作品でしたから(^_^;

MEMYよりはやりやすいだろうな、と思いましたが、やっぱり、瀬奈はよかったです(^^)
ただ・・・やっぱり育ちがよすぎるよ(^^ゞ
あの人のお家って、どんなお家?
「ふつうのサラリーマン」って、本人が書いているのを読んだけど、
普通のサラリーマンねぇ・・・と考えちゃうよ・・・(^_^;

「何時果てるとも知れぬ泥沼を僕は這いつくばった♪」という歌詞が凄い違和感があるのぅ(^_^;

ニックをやった遼河はるひは順当によかったです(^^)
思えば、一路のニックは、私の中で、
その後の一路のイメージを叩き込むくらいピッタシカンカンくらいのニックでした。
そのあたりが、一路は良い人だけど、ちょっとなぁ・・・と、ジョーダンの気持ちが分かるような(^_^;

トムはねぇ・・・これは、青樹泉、さすがに荷が重かったなぁ・・・(^_^;
青樹のトムは一応完成形になっているんですよね。
役の性根もちゃんと掴んでいるし、それなりの演技もしています。
ただ、瀬奈と張り合うだけのオーラが無いのだなぁ・・・(^_^;

もう、昔の海峡ひろきがよすぎたのよ!!
なんたって、この役は、敵役の中でも本敵の憎らしい男役で、しかも色気がなくちゃダメです!!
愛人が居て、その愛人が夢中になるような男なんだから。
しかも凄い金持ちで、粗野で、さらに不器用な自分勝手な愛し方ではあるけれどディジーを愛してる、
という難しい役なんですよ・・・。
青樹泉君、健闘はしているけれど・・・難しいネェ(^_^;
↑でも言ったように、一応の完成形になっているのです。
もう少しキャリアを積んだら良い絶対に良くなると思うよ(^^)

今回の舞台の感想は、全てここに尽きるかも、ねぇ・・・やはり片肺飛行でやるには重過ぎる舞台だった、ということ。
瀬奈ひとりがよくても、周りが弱くては舞台にならない、ということ。
博多のMEMYと一緒だね。
それでも、こちらには汝鳥伶も磯野千尋も出ていて、博多座よりは断然恵まれてます(^^)

(件の海峡ひろき!花組移籍して、バリバリ演技派に徹して、
ヤンサン挟んで紫吹淳と三人、超絶技巧ダンス踊りぬいて、もう退団する頃だけど、
観ていたオバサマが、「わぁ!ミユさんに見られたら妊娠しちゃいそう!」と嘯いた、という話もあるのです♪
そのオバサマって、私ではありませぬよ〜!!)

しかしどうして、トムを遼河はるひにやらせなかったのかな?
「HollywoodLovers」で似たような役をやった後だから?
しかも相手役も同じ城咲だし、と言う事なのかな(^_^;
初演のキャスティング順位を見ても、ニックの一路の方が上なんだけど、
役としては断然トムのほうがウエート大きいし、
当時だって、一路のキャラに会わないのと、演技力として海峡に来たんじゃないかな(^_^;

もっとも、これで、海峡は当時のトップ狙いのトリオ(海峡と高嶺ふぶき・轟悠)からはずされた気がするんだけど(^_^;

もしトムが遼河で、ニックが青樹だったら、もう少しイメージが変わったかも知れないですが(^_^;

そうそう、プログラムの初演時のキャスト見て、ビックリだったんですが、
今回越乃リュウのやったウルフシェイムって、高嶺ふぶきがやってたのねぇ〜(^_^;
これは、今回の越乃リュウもよかったけど、
高嶺ふぶきがよかつたのだー!!
「友情は生きているうちだけ!」という台詞のエロキューションを未だに覚えてる(^^ゞ
もっとも、この時の轟のピロクシーっていうの、役名も覚えてないけど、ギャングの子分が、
えらくオッカナソウデおかしかったのも覚えてます♪

今回の越乃リュウは大変にGOOD!でございますわん(^^)
とにかく大変なスターですよ〜♪
思えば、トムは越乃でもよかったんじゃね?
てか、そのほうが納まりいいです。
ウルフシェイムは磯野千尋で・・・ご本人には、いつもの役で嫌かも知れないけど(^_^;

プログラム読んだら、ソルさんは、新しいキャラに挑戦で、けっこう燃えていたらしい♪
まあ、よかったですが・・・。
これは、映画のウィルソンが凄くよかったのと、古代みずきもよかったんだよね(^^)

トムの愛人マートルをやった憧花ゆりのって人は、今回始めて位でしたけど、
かなり健闘してました。
これは初演の美月亜優も映画のマートルも役作りに疑問ありだったので、
ちょっと若すぎる気はしたけど、
逆に若いだけが取り得の派手好きな女に、お上品な妻には無いものを求めて、トムがひっかかった、
と言う風に考えられる物ね(^^)
本当はもうちょっと年増の感じがあったほうがよかった、と思う面もあるんだけど、
自分の「白馬の王子様」像をトムに見つけて、執着する所なんかはよかったと思います。
まあ、もうちょっとウィルソンとの場面とか、もうちょっと、歌をとか、「もうちょっと」はたくさんあるけどね(^_^;
でも、青樹同様、これはこれでひとつの完成形には近いんじゃないかな。

もう〜汝鳥さんの警視総監が出ただけでパッと目を引く悪徳ドン振りでいやぁ惚れた♪
でも、そのぶん、ギャッビーのお父ちゃんは平凡でした。
いや汝鳥さんがやるんだから悪いわけはないんだけど、
汝鳥伶がやる、というとこっちも期待するでしょ!!

初演は岸香織で、あの人は筆が立つのと、脇役としては目立つというだけで、
演技力は無いのですm(__)mキッシャンゴメンナサイm(__)m
でも、このギャッビーのお父ちゃんだけは、本当によかつたんだよ〜\(^^)/
もう〜、一生分の演技力を使い果たしたみたいでした(^_^;
それに比較したら、断然汝鳥さんの方が軽々と手に入ってるんですが・・・。
軽々と手に入っているからこそ、もうちょっと・・・為所もないかな(^_^;
批評の中で、警視総監との二役は考え物、ということが書かれてましたが、
それは関係ないと思うけどねぇ・・・。
あの場面は、しっかりギャッツビーのお父ちゃんになってました!!

さて、城咲あいのデイジーは・・・批評にも出てたんだけど、ちょっと、イメージが違うかな、と(^_^;
大体この役は、ひたすら綺麗!ひたすら美しい!ひたすら華やか!
と言う人でなくてはダメなんじゃないかな(^_^;
鮎ゆうきが、あのドアから、パッと出てきた時は、本当にスカーレット・オハラが登場したようでした!!

その後、鮎ゆうきが辞めて、地方公演?大劇場で再演したっけ?
・・・の時は、紫ともがやって、演技力では断然こっちだ、という批評家もいたんだけど、
私は、どう考えても、貧弱で嫌だった!
鮎ゆうきの美しさだけが目に焼きついています。

そうそう、これでね、
映画のミア・ファーローのこと考えると、これは凄かった(*^-^*)
ちっとも美人じゃなかったんだけど、
それがなんであんなによかったか?というと、
やっぱりデイジーの人間性をバッチと押さえていたからだと思うのですよ。
それに、宝塚版とは違って、お葬式なんかには来ないんです。
そこは宝塚で、甘い、というかヒロインには、「主人公を本当は愛していた」という立場を守らせるのよね(^^)

ミア・デイジーは、ギャッツビーとの約束なんか守る気はサラサラなくて、
さっさと旅行に出かけちゃう♪(宝塚版でも、ニックが電話したときは旅行に出た、と言われましたよね。)
しばらく経って、ヨーロッパのホテルかなんかのロビーで、家族連れでワイワイやっている所に、
ニックとバッタリ逢うの〜。
でー、ニックが、葬式にも来ない不人情をなじろうと、ギャッビーが死んだ、と言うんだけど、
その時、ミア・デイジーは、戸惑ったような顔をして、それでどうしたの?みたいな笑顔を向けるんです。
その時、トムが、おい行くぞ、みたいな声をかけて、じゃあね♪見たいな感じで去っていくんです。

その時のミア・デイジーの戸惑った顔、さっさと夫とともに去っていく姿などが、
デイジーのエゴイズムと、ギャッビーという男の悲哀、
報われなかった愛などが錯綜してとってもよかったんだ(^^)
ギャッツビーにとっては、文字通り生涯をかけた恋、命をかけた恋人だったんだけど、
ディジーにとっては、人生の彩の一色でしかなかつたのですよね・・・。
それを知らずに、ギャッツビーは死ぬ事が出来た・・・よかったわぁ(^^)

ギャッビーは、デイジーが来る事を信じて、
プールサイドで日向ぼっこして待っているところをウィルソンに撃ち殺されてしまうんだけど、
あー!なんて、この監督は優しいんだろう(^^)
ギャッビーは、デイジーの愛を信じて死ねるのね〜♪と感激した所でした。
これは、宝塚版ではないのよ!
宝塚は、あくまでも、ギャッビーの純愛を歌い上げて同情するだけなんです。

もっと、はっきり言うと、宝塚のギャッビーの見せ場は、
あのお父さんなんだよね・・・。
「息子の立身出世を邪魔したくなかった」という朴訥な父親。
ギャッビーが殺された新聞記事を見てやってきたんだけど、
息子がどんな生活をして、どんな仕事でお金を稼いでいたか知る由もなく、
ひたすら、息子は偉い人になったんだ、と信じて疑わない父の愛。
そして、少年のギャッビーが、日記を読み上げるシーンが重なって行って・・・
成人したギャッビーに変わる時!
そして「朝日の上る前に♪」を歌う後姿!
この最後のシーンを見せる為に、宝塚版は一時間半かけたんだよね!!


城咲に、というより宝塚の娘役にそういう演技を求める事は無理だし、
ある意味スミレコードにも抵触するのかも(^_^;
逆に、今回のデイジーについてだけ言えば、美しくさえあればいい!
綺麗でさえあれば成立する部分が多いんですよね。
と、すると、最近、城咲はかなり美人になりましたが、それでもちょっと苦しい!!
そういう、美しくさえあればいい(白痴美じゃないですぞ!)、と言う意味の美しさとは違うのですね。

最近の宝塚で、デイジーやれるのは、檀れい、くらいかな(^_^;
花総とか、桜乃のタイプじゃ・・・無理です!
桜乃は行けるかな・・・デイジーにはちょっとした野生が必要なの(^^ゞ
今なら・・・陽月華だ!!!!
あのとんがった美しさ、ね!!あれだ(*^-^*)

でー、瀬奈ギャッビーは、後姿の寂しさはよく出てました。
でも、やはり、成り上がりには見えないのですね・・・。
まあ、こちらにもMEMYほどの思い入れがないから、かっこよくて、愁いがあって、
それでいいかな、と言う感じだす〜♪

杜けあきって人は、ものすごく台詞が巧い人でね・・・一回目はその巧さに泣かされるんだけど、
何度か見ると、逆にその巧さが鼻につく所があるんですよ(^_^;
泣かせようという下心みえみえってか(^_^;
でも、それだけに、耳で聞いて理想的な台詞を喋るから、
逆にその流れをはずすと瀬奈のオリジナルになりやすい、と言う事はありますよね(^^)
そのへんで、私はMEMYよりやりやすいかな?と思ったんだけどね(^^)

客席もうまく使って、オーケストラの灯りも背景に利用したりして装置は中々結構でした。
これは日生が宝塚の舞台と比較すると、間口が狭くて奥行きがあって、ということです。

装置は大橋泰弘、音楽は吉崎憲治と太田健。
あれ?オリジナルで無い歌もあるかな?
脚本・演出は小池修一郎。
東京宝塚で「スカーレットピンパーネル」やって、日生で「ギャッビー」
11月・12月の帝劇で「エリザベート」か・・・小池先生大車輪の巻ですなぁ・・・(^_^;
荻田先生やめちゃつて・・・またも小池先生だけを頼りに行くのかね?

そうそう、初演は、これ一本立てだと思っていたら、ふつうにショーと二本立てだったんですね。
まあ、30分伸ばして、そう間延びはして無いと思うけど・・・。
やっぱり、本公演でショーつけて二本立てにするか、
今回でもフィナーレ豪華に付けたほうがよかったんじゃない?
小池氏の好みか、瀬奈の望みかわからんけど、
今回のようなストレートプレイ風の終わり方は疑問です!!

あのね・・・はっきり言うと、こういう種類の舞台で、片肺飛行で、ストレートプレイにして、
フィナーレなしで、という、そこまでの力は宝塚にはありませんm(__)m




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