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2009年

1月15日(木)

「スーザンを探して」


保坂知寿・真琴つばさ・吉野圭吾・加藤久仁彦・杜けあき、その他

「スーザンを探して」に行って来ました。
まあ9600円は高いよ(^_^;
それでも、本来12000円の席を9600円だったし、
最初は大浦さんと真琴つばさということで、それに保坂千寿の四季退団後の初舞台、
それより何より、シアタークリエという小屋に行っていないので、
まあ、コヤが見たかった(^^ゞ

ということで、うっかり買ってしまったのだけど、
大浦さんは病気休演だし、
あー、これは杜けあきがさすがの好演で、よしという所なんだけど、
保坂知寿が考えていた以上にダメで・・・ムムム・・・こんなことなら、
紀香の「ドロージーシャペロン」にしておくんだった!!!

今日、チケット見たら、残っているから行きたい、と思ったんだけど、
あれぇ〜!今月いっぱいなんですよ!!!!
あんだけ、紀香!紀香!と売って置いて酷いじゃない(^_^;
宣伝だって、最近じゃない(^_^;
そういえば、あちらもこちらも苦戦らしいけど、やはり不況が響いているかな(^_^;
宝塚のチケットも普通に残っていたしね・・・ゲットしました・・・三月ね♪
そのチケットをどうしようか?迷っているうちにシアター・クリエの開演時間が迫っていて焦った(^_^;

以前紀香が、タンゴの写真集を出した時、タンゴ自体はちっともうまくない、というより、
巧い下手の段階ではないのに、笑い飛ばせ無い雰囲気があって、
しかも、キメのポーズが、さっすが〜!というくらい決まっていて、
こやつは何者じゃ〜?というくらいだったんだよね(^_^;

それを考えて、去年、話を聞いた時から行きたい!と思っていたんだけど、
(日生だから三千円だし(^_^;)
「シカゴ」の米倉涼子も大絶賛だったし、ねぇ(^^)

ついうっかり、こっちのチケット取ってしまったものだから、
おまけに、最初の予定では宝塚も今月だったし、
源氏と宇津保に世界史に芭蕉で、吾妻鏡と来ては・・・ねえ・・・自分でも、
どうすればいいか分からなくなってましたm(__)m

しかも、今、体調というか、腕の状態が余り良くなくて、整体に週二で通わせて頂いている身としては、
肩身が狭いm(__)m

その挙句、二月は、梅若さんと、野田マップと、宝塚と来てます(^_^;
ど〜うすりゃいいのさ思案橋♪なのよ(^_^;

えー、で、「スーザンを探して」!

まあ、自分探しの物語のつもりなのかな(^_^;
でも、私としては、自分の片割れ探しのような感じだった。
まず「スーザン」というのが暗喩ではなくて、現実の人間だった事!
そして、その現実の「スーザン」のウェイトが重くて、ダブル主演のようになっていたのですね(^_^;
だから、面白く無くなっていた!とも言える(^^ゞ

本当なら、「スーザンを探して」という新聞記事は見せかけだけで、実は興信所の宣伝だった、
或いは、新しく出るドリンクがスープのネーミングを刷り込もうと言う手だったり・・・ね。
スーザンなんて女はどこにもいない!それはあんたの心の中に棲んでいるもう一人のあんただ!
なんて方が、ジンと来るんじゃなかったろうか(^^ゞ

この物語では、現実にスーザンが存在していて、意外にピュア?なLOVEストーリーまで用意されている。
ピュアなLOVEストーリーはヒロインだけでよかったんじゃないかな(^_^;

でー、ストーリーとしては、
「平凡な主婦」のロバータは、事業成功者の夫との倦怠期を迎えて、
夫の浮気にも目をつぶっている。
このへん、ありふれた設定で、ねぇ・・・(^_^;
そのわりに、共感できる感情がわいてこないね(^^ゞ

でー、
新聞広告で情熱的な恋をしているらしいスーザンとジェイという存在を知り、
ジェイに恋焦がれられているスーザンと言う女性に関心を持ち、
二人の約束の場所に行って見る。
そこで、二人が「スーザン!」「ジェイ!」と大胆なハグを交わすのを見てスーザンを知る。
ロックシンガーのジェイは地方公演に出かけなくちゃならない!
そんな男を待つ気はスーザンにはさらさらなく、あっさりバイバイするのだよ、これが(^_^;
彼女のあとを追って、彼女のトレードマークのような土派手な上着を手に入れる。

ところが、実は、ジェイに会う前夜、
スーザンは、いきずりの男とホテルで一夜を共にして、男が寝ている間に
極々自然に男の財布から金を抜き取り、彼の持っていたイヤリングを盗んでいたのだ。

どうやら曰ありだった男は、イヤリングを誰かに渡す役だったらしい。
物をとりに来た男に殺されてしまう。
しかも、その男はスーザンの土派手な上着だけを記憶していたのだよ〜!
でー、これが、ロバータが事件に巻き込まれるきっかけとなり、記憶を失ってしまう。

ロックシンガーでありながら?!
遠く離れても、スーザンの身を案じるジェイが、親友のデズにスーザンの保護を頼むのだが、
デズもスーザンの顔を知らぬまま、スーザンの上着を着たロバータをスーザンだと思い込んで・・・

もう、大体、この辺りで当たりがつくでしょ(^^ゞ

デズとスーザンは互いに惹かれあってベッドを共にする・・・あれこれドタバタもあり、
ご都合主義もあって、最後は、
ロバータとデズ、スーザンとジェイの二組のカップルが幸せになる、と言うお話。


これさ、たぶん、原作は、もっと、下世話なスラングなどが乱れ飛ぶ猥雑な話だと思うのね(^_^;
それが、日比谷のシアター・クリエなどというお上品な劇場で、
お行儀良い「ロックミュージカル」になって、というか、されてしまって、作品的に不幸なんだろうな(^_^;

これで一番印象に残ったのは、カンパニーの若手ダンサーたちが充実していて、
踊りが巧かったこと。
今のミュージカルの層は、オバサンたちが考えているより厚いんだよね、と思いました。
そのわりに振付は余り面白くなかった・・・なぁ。

それと、セットね・・・やっぱり今はやりの一杯セットで、
ハシゴと言うか、階段三つ・・・螺旋階段とストレートな階段と、跳ね上げ式の階段を
うまく使って、盆をぐるぐる回しながら、場面転換していく・・・美術・松井るみ。

演出(翻訳・訳詩も)のG2(ジーツー)と言う人は知らないのですm(__)m
・・・「憑神」とか「魔界転生」なんかやってるらしい。

でー原作は「ピーター・マイケル・マリーノ」
音楽・作詞は「ブロンデイ」
二人とも知りませんm(__)m
そうそう、マドンナがやったことあるらしい・・・どういう風にやったのかな(^_^;
あのセクシー爆弾みたいなマドンナがどんなロバータをやったか、一寸興味あります♪

えー、出演者の中では、身びいきと言われようとも、
スーザンの真琴つばさとジェイの吉野圭吾。
それに、ヌァ〜ント!デズをやっていたのは、あの「狩人」のお兄ちゃんだったのよ・・・加藤久仁彦!
ビックリだ!!!たぶん小劇場系の人だと思っていたのだ。
小柄だけど、ソコソコ存在感あるし、芝居もまあ巧いし、何より声が良くて歌がうまいから。
休憩時間にプログラムを見てビックリ!!!!
今回はダンス見ていないけど、まあ動きから見て、そう体の切れは悪くなさそうだし。
なんでも、シニア・ボクシングのボクサーもやっているそうで(^_^;

吉野圭吾の変身振りにはいつもビックリさせられるけど、
今回のロックシンガーも最初誰かと思ったけど・・・目を見たら、あー!
それにしてもこんなかっこしているとTOKIOの松岡くんに似ているんだわ♪

でー、このジェイがロックシンガーに似合わずスーザンに対してピュアに愛情注ぐわけ(^_^;
なんだったかのロックミュージカルの時、
「ロックシンガーはいつもドラッグやって手当たり次第にファックしていると思うなよ!」
てな台詞があったと思うんだけど、
ジェイは、スーザンと一緒にいたいが為にロックシンガーを辞めちゃうんだよね・・・ありえるかな(*^-^*)

でー、スーザンは、
誰とでも寝て、食い逃げなんて日常で、泥棒も平気。
友達にたかるのも苦にしない・・・世の中に漂っているのを楽しんでいるようで、
時に凄い暗い目を泳がせている・・・。
このフローティングの感覚と暗い視線は、宝塚にいたときからの真琴の独壇場だよ(^^ゞ
おまけにロックミュージカルということで、あのハスキーな声は大いに買いだしね(*^-^*)
吉野圭吾とのLOVEシーンも超自然(^_-)-☆

実は、「笠置しづ子物語」なんて、酷くて、マミさんは普通の舞台は無理かな?
なんてことも思ったりしたんだけどね(^_^;
ディナー・ショウなどはけっこう評判いいんだけど(^^)v
一億円のドレスとか話題づくりも巧いし、色んなアーティストをファンやブレーンに持っているのも強み!

後、メディアの露出は、タレントと対等に話せる貴重な存在ではあるけど、
女優としてはどうなんだろう、という所もあったんだけど、
これは役がバッチリだったよね(^^)

でも、これで行くと、香寿たつきはどうなんだろう?
あの人の暗さは、胸に一物背中に荷物のような暗さで、根無し草の暗さではない。
フローティング感には程遠い重さがある、と思うんだよね。
歌も巧い、といえば巧いけど、演歌の世界だしなぁ(^_^;
かえって、「笠置しづ子物語」なんかは、香寿の方が良かったと思うけどね。

とにかく、今回の真琴は役に恵まれた、と思うだよ!!

でー、大浦さんのピンチヒッターの杜けあき。
この人は、宝塚にいる頃から芝居の神様だったけど、
オフの写真なんか普通のオバサンポイところがあったりしたみたい。
今回は、新劇たたき上げの中堅女優!という感じで巧いです!!
これまた役にピッタシカンカン♪大浦さんより良かったんじゃないか、と思うほど(^^ゞ
ロバータの夫の妹で結婚願望の強いオールドミスと言う役回りだけど、
オールドミスには見えないな・・・どう考えても中産階級のマダムだよ〜(^^)
杜けあき、何時「実は結婚してました〜」なんて報告があっても驚かないよ(^_-)-☆

このオバサマが義姉のロバータに偉く同情的でね・・・兄のことを「浮気者で最低の男よ」と言い切る処は、
アメリカだナァ・・・と言う感じだわ(^_^;
日本なら、結婚しても、兄と妹ってウジウジと仲良くて、嫂なんかとの争議の種になるんだけど(^_^;

その「浮気者で最低の」ロバータの夫をやった山路和弘。
いつも地味目の役が多かったのに、今回はなかなか華やかな役で、巧かったです(^^)
最後のご挨拶まで、保坂知寿にゲタを預けられてなかなか無難にこなしていたしね、
そのへんはキャリアだなぁ(*^-^*)

さてヒロインの保坂知寿さん!
やっぱり劇団四季の歌い方を洗いなおさなくてはダメなんじゃないか・・・と思う。
今回はロックミュージカルということで、そう目だって不自然じゃなかったけど、
デズとデュエットしても、加藤の歌が巧い分、劣る!と思ってしまう。
それと、今回は真琴のスタイルが良すぎて損をしたよね。
まあ、だからより普通の主婦に見えた、ということはあるかも、だけどね(^^ゞ

でー、保坂がリハビリ必要だと思ったのは、やっぱりショーの感覚がないことね。
この人、「センチュリー」なんかに出ていなかったかな(^_^;
オーラもないなぁ・・・。
「マンマミーア」の時、前田美波里がワキに出ていたらどうする気?と思ったのは、
全くそのままだよね(^_^;
アンコールなんてのは、全く存在感だけの勝負だから、
劇団四季みたいに、ずらりと並んで高校生の演劇部みたいなオジキするだけじゃダメなのよ!!

そうやって考えると、初めてCONVOYと共演したときのDAPAMPは偉かったよね♪

その点、
やっぱり、毎回ショーをやっていいた宝塚の男役は、アンコールのパフォーマンスに強いよね(^^)
別に何をどうするわけじゃないんだけど(^_^;
真琴が、保坂の手をとる感じがとっても暖かいんだわ〜♪
あれは、男役が娘役をリードしている感じなんだよね。
二人並ぶと、真琴のスタイルのよさが際立つし、
体型だけでなく大きく見えます。

それと、今回は、吉野圭吾と真琴つばさの相性が良すぎた(^^)v
最後の最後に、吉野圭吾が、真琴を抱き上げるんだ!
これで最後さらわれた、と思う。
吉野圭吾だって、四季の出身なんだけど、もうリハビリ万全!ってか、
このキャラだから、四季にいられなかったんだろ(*^-^*)って感じ♪

保坂は慌てていたけど、これは、狩人のお兄ちゃんには出来ないパフォーマンスで、
保坂にとっては気の毒でしたm(__)m

そうそう、コング桑田って人が、一寸お間抜けな悪役で出ていたんだけど、
彼はもともとゴスペル歌手で、役者としては「レミゼ」のテナルディエもしているそうですが、
アンコール巧いのよ(^^)
こういう人がいるだけで、ミュージカルの楽しさも出てくるんだ♪

そして、CONVOY女性バージョンにも出ている藤林美沙!
エキセントリックな芝居も達者で笑った(^^)



。・゜★・。・。☆・゜・。・゜。・。・゜

スーザンにモデルがいるよ・・・と感じながら観ていたのは私だけだろうか(^^ゞ
最近事故死?自殺?で亡くなった某セクシー系の元女性タレントは、
芸能界で売り出すまで、このスーザンのような生活を送っていたと聞いていた。
その行く末が、あの死なのかな・・・と思いながら観ていた。
彼女にはジェイがいなかったんだろうな・・・。

そういう意味でも、真琴の演技?・・・あのフローティング感と暗い目が心に残ったのかもしれない。

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