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2月22日(日)

源氏物語千年紀公演
新作筝曲「光と陰」
新作長唄「執心」
新作能「赦」


――ル・テアトル銀座――

行って来ました(^^)
梅若さんは久しぶりだし、勘十郎との顔合わせというので、お〜!!

チラシにも、梅若さんの所には「観世流シテ方・梅若家56世当主」とあり、
勘十郎の所には、
「祖父は人間国宝の六世藤間勘十郎。父親は観世流能楽師の56世梅若六郎」
って書いてあるんだけど・・・。
ご丁寧に、チラシの写真は個別だけど、右向きと左向き、
向かい合わせになるように配置してあって、
まあ、似てる、というか、そっくりというか・・・(^_^;

いろいろあるのねん(^_^;

でー、まあ、昨夜、白洲正子さんに捧げる「花供養」という新作能の特番がありましたが、
梅若さんが、
「(白州さんは)新作能がお嫌いで。あんなに素晴らしいお能がたくさんあるのに、
新作能を創っている間に修行なさい、ということだったんでしょぅね」
てなこと言ってましたけど・・・。

最近は梅若さんは、やたらに新作能と取り組んでいらっしゃいますよねぇ(^_^;

勿論、古典ネタばかり繰り返してやっていればいいとは思わないですが、
新作を出さなければ遺産を食い潰すような気もしますが・・・
それでも新作能の評判を聞くと、「不知火」だけは、テレビで見ましたが・・・微妙です(^_^;

この作品も、「源氏千年紀」ということでもありますが、
2008年に京都・パリ姉妹都市150周年記念、ということで、
去年パリでファースト・ランをして、今回凱旋公演というのですが・・・。
パリの人には受けたのですかね。

お琴と三味線と日本舞踊にお能、そして、テーマは「源氏物語」ということで(^_^;
「源氏物語」も、「六条御息所」が、まあ阿弥陀様のお力で成仏してしまうんですね。
そこはお能ですから、そうしないと納まらないけど・・・最後は世界平和を祈る、と言う形になります。
まあ、いいんだけどね・・・。

「野宮」だって、「浮舟」だって、「葵上」だって、みんな能楽的アレンジが施されていて、
それはそれでいいんだけど・・・ねぇ・・・ナント言おうか、
たせから、お能の「六条御息所」ということでいい、といわれればいいんだけど、
だったら、「葵上」があるじゃない、と思う。

「六条御息所」の存在意義は、赦しが与えられない、という、本人が求めてないってのもあるんだけど、
ま、本人が求めるか求めないかは別の時点の問題で、
赦しが得られないところが、存在意義なんだと思うのですが・・・(^_^;

新作筝曲「光と陰」

演出・作曲 野田弥生
作詞・林田浩二

筝・野田弥生
  菊央雄司
  野田友紀

えー、で、新作筝曲は、光源氏をそのまま光とし、その光源氏がつくる陰を六条御息所としてます。
それは確かに光源氏の心の咎、或いは御息所に対する負い目が、
光源氏だけが御息所の生霊を見る!ということになるのですが、
なんだか、偉くイージーに、源氏と御息所を裏表にしちゃったな、と。

まあ、もっとも、うちの源氏店で、私も、表紙は源氏、裏表紙は六条御息所、とか書いたり、
円地文子氏の「源氏物語私見」のかくの如き文を挙げています。

鎮魂されたかに見えた御息所の霊が突然むっくり甦って来て、執念深く復讐を続けるのは、御息所自身ではなくて、光源氏のうちに潜んでいる許されない罪へのおびえの声であるかも知れない。


曲の方は、ちょっと歌謡曲調のところがあったりで気になりました。
それと最初にお姫様扮装で歌ったのは野田友紀さん?ちょっとなぁ・・・あれなら宝塚の子で十分。
そのぶん、菊央雄司という奏者は声もいいし(かなり女性的な声ですが)よかったです(^^)

肝心の野田弥生さんと言う方は、この第一場では替え手というか伴奏なんですよ・・・。
それにしてもこの人巧いのかな・・・まあ、友紀さんよりは断然音色が違ってましたけど(^_^;
川瀬白秋とか、米川文子、中島靖子さんあたりとは違うネェ・・・。
ま、生田流もひろうござんすから・・・(^_^;
そういえば川瀬先生は何流?っと思って検索してきたら、出てないの(^_^;
祖母が九州系地歌箏曲家・川瀬里子、母堂前田白秋が胡弓奏者ってのだけはありました。
確か、玉さんの爪は山田流の爪じゃなかったっけ?
オバサンは生田流坂本派の端っこをかじっただけですが(^_^;

あー!お琴はいいお琴でした\(^^)/
前から五番目ですからね。
よく見える!!
奏者の指使いまで見えました\(^^)/



新作長唄「執心」

構成・演出 吉住小三代
作詞 林田浩二
作曲・振付 藤間勘十郎
作詞 田中傳次郎

舞 藤間勘十郎
唄 吉住小代君・吉住小与ひで・吉住小津満
     三味線 吉住小三代・吉住小三友・吉住小しな
筝・胡弓 小林露秋
笛     鳳聲千春
低音三味線 吉住友孝
蔭囃子 望月左吉・梅屋 巴・藤舎千穂
     
これは、今日はこれが一番よかったかも〜(*^-^*)

まあ、女性の長唄って、実はあんまり・・・なのですが(^^ゞ
清元はいいと思うんだけど、長唄は、どうかな・・・(^_^;

えー、でも、邦楽の中では一番聞きなれている(歌舞伎の伴奏音楽として、ね)ので、
よくわかる、というのはありますよね。
それに所作が就いて、また、勘十郎よかったし(^^)
袴下の帯がチラっと見えて、これがまた偉く豪華なのにぶっ飛んだ(^_^;

舞台装置もこれが一番よかったかな・・・シンプルで。
舞台は野々宮、嵯峨野でしょ。
でー、バックに大きな月影をホリゾント全体を覆うように出して、
最初は野々宮の玲瓏たるー荒涼たる月影、でー、それが紅蓮の焔に染め上げて行って、
六条御息所の光源氏に対する執心を表す、と。

舞い手の持つ檜扇と房が大変効果的に使われてました(^^)v

作詞 田中傳次郎って、亀井弘忠さんの弟ですよ。
歌舞伎の鼓奏者です。ふうん、作詞もするんだ(^^)
そういえば蔭囃子の望月左吉って、昔は弘忠さんやこの傳次郎さんのお母さんが名乗っていた名前です。
今誰が名乗っているのかな?
能の「赦」の大鼓はパリでは弘忠さんが打ったそうだし、亀井家が大きく関わっているのですね。


新作能「赦」


これは、もう↑で書いたとおりです。
演奏者だけ書いておきますか。

演出・補綴・節付 梅若六郎
脚本・詞章 林田浩二

御息所の死霊 梅若玄祥
御息所の生霊 梅若玄祥
御息所の精霊 梅若玄祥
弥勒菩薩 角当直隆
阿闍梨 村瀬堤
笛 松田弘之
小鼓 吉坂一郎(パリ・東京)
大鼓 原岡一之(京都・東京)
後見 赤瀬雅則・小山田康陽
地謡 山崎正道・梅若基徳
鷹尾維教・鷹尾章弘・松山隆之

梅若さんは、さすがに良いお声で、ワ〜!となります。
オーラもあります(^^)
でも、やっぱり太りすぎだわ!!
某先生が、「梅若さんもいいんだけど、ちょっと太りすぎ」と仰っていた頃から、
また二周りくらい太った!!
そういえば、今日の白洲特番では杖をついていらっしゃいました・・・ダイジョブかな(^_^;
いや、勿論、舞台では杖など要りませんよ・・・でもちょっと足元?ん?と思ったところはあったのよ(^_^;
いや、素人のオバサンにわかるようなヤバイ足捌きはないと思うんですよ!
梅若六郎だもの!
でも、あれっなんか違う?!というとこが数箇所・・・なんたって今まで完全無欠の梅若さんだからね(^_^;

最初の装束の紫色の長絹と次の般若になったときの黒に金散しの唐織の襠は豪華でよかったんだけど(^^ゞ
最後の装束が真っ白けって・・・ウーム!!

肝心の面ですが、黒に金散しの唐織の時は般若てす。生霊ですからね。
その前の死霊のときが、その紫の豪華長絹で、面はなにだろう・・・増かな?
泥眼かな・・・葵上の前シテは泥眼が決まりと聞いた事がありますが(^_^;
泥眼て眼に金が入ってるんですよねぇ・・・そう思ってみると泥眼だ!!
すみません、よくわかりません。たぶん泥眼だと思いますm(__)m

精霊は増女でしょう・・・「羽衣」とか「三輪」に使うそうだし。
実は、これが一番わからなかったのですよ・・・真っ白けの装束にビックリして(^_^;

あの白は、日本の装束の中には無い色だと思うんだけど・・・わかりませんm(__)m




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