2014年09月22日

「火のようにさみしい姉がいて」

を見てきました(^^)

2~3日前に劇評が出て猛烈大絶賛だったので、ちょっと心配してました(^_^;
私の場合、劇評がいいと、あんまりろくなことがない・・・まあ、期待しすぎるせいもあるのですが。
でも、今回は、そういうのにも何度か懲りて、見たまま、見たまま・・・と行ってきたのですが、まぁよかったですv(^^)

売りは大竹しのぶと宮沢りえの初顔合わせ!それに昨今大御所の段田安則。

さらに、その原作は清水邦夫、それを蜷川さんが演出するってことで、

こりゃ期待するなという方が無理なんですけど、とにかくよかったからよかったわあ(^^)

それに、脇を固める人たちが、えっ?これだけのために出ているの?という人たちばかりで、さすが蜷川舞台!

舞台は、一人の俳優の楽屋でのモノローグから始まります。

これが、セリフは「オセロ」なんだけど、まあ全体のモチーフとしては「オセロ」なんだけどねぇ・・・。
↑で言った豪勢な脇役の三人の老婆(市川夏江・立石涼子・新橋耐子!!)が、どうしてもマクベスの三人の魔女を連想させてしまうせいもあると思うんです。
ところが、実は、この三人の老婆が出るのは第二幕から。
だけど、どうも、私は第一幕から、オセロのセリフを聞きながら、マクベスを連想していたりしました。

第一幕は、↑でいう通り、俳優の楽屋。
一人しかいないけれど、鏡は五面あります。

そして、スタッフなのか劇団の下っ端役者なのかわからないけれど(第二幕でオセロを稽古する風があるから役者の卵なのでしょう)、その若者の満島慎之助が15分前・10分前・5分前を知らせに来ます。
その間に、散歩に出ていた俳優の妻が戻ってきて、彼女も女優であることがわかります。

そして、俳優氏は最近心を病んでいる様子であること、転地療養に旅に出る、彼の故郷へ、という処で第一幕は終わります。

満島慎之助って名前ばかりで初めて見たの!いやぁ良い男だ。今旬の男!
満島ひかりは、大好きとは言わないけれど、見るたびにうまいなぁ、と思う女優さんですけど、血統ですかね。


第二幕は、理髪店。鏡が三面あります。

楽屋の五面の鏡が奥へフェードアウトして、出て来たのでした。
どうしたわけか空っぽです、そこへかの俳優とその妻が、駅からバス停を尋ねに入ってきます。駅から出ているはずの俳優の家に行くバスのバス停が見当たらない、ということで。

無人の店で悪いけどトイレを借りたいと妻が言い出す、そして俳優氏ひとり取り残された処へ、大竹しのぶの理髪店主、三婆+一婆ちゃんとおかしなアンチャんが帰ってきます。

さて、そこから・・・始まるのです。
まあ、いわば第一幕は長いプロローグ。第二幕から、このおかしなドラマは始まります(^_^;
先ほどの、三婆の見事さ!+婆ちゃんの「みをたらし」という山崎一のドラマの筋売りみたいな役回りでの怪演もありました。あれ?あのCMの山崎さん。あらま・・・お珍しい♪
平岳大が出てます。これもたいした役ではないですが、とにかく口跡がいいのとタッパがありますからね(^^)

新聞の劇評の見出しに「時代超えドラマに普遍性」とありました。・・・ある意味、今はもう日常になってしまったお話なのですよね・・・。これが初演されたころは1978年。もう少し、このプロットは斬新だったり、大いに普遍性をうたうところがあったんだと思いますが・・・今の時代のなかで、これを見ると有り勝ちな日常性が見えてしまいます。

各自が各自の「個」の中で、自己完結して生きている現代では、自己の狂気と欺瞞を皆、自身が確実に意識して、さらに、その狂気や欺瞞を、あたかも無意識であるかのように隠したり爆発させたりしていると思います。
そういう中で見ると、あまりに率直な舞台あることが嬉しくもあり、・・まあ、寂しくもあり、です。

「鏡」は自分自身を映すモチーフとしてなんだろうけど、わざわざ五面から三面に変える意味ってある?
フェードアウトさせることで、時間の経過を表しているのはわかるけど、数を変えるのは意味があるのかな?
それと、第一幕55分、第二幕60分で15の休憩があますが、これ休憩なしで一挙に行っちゃった方がいいんじゃないかな、と思いました。鏡のフェードアウトで時間の経過は十分わかるもの。
楽屋も田舎の理髪店もよく出来てました。

美術・中越司という名前と、大道具制作・(株)俳優座劇場舞台美術部とありました。

宮沢りえは圧巻の美しさ!!セリフも素晴らしく、段田のオセロに負けていない!
これ見てると、やっぱりA女は、野田さんの期待に応えられなくて、ギリギリの処で下ろされたんじゃないかな、と思っちゃう(^_^;
開演中に?とは思うけど、我慢の限界ってあるでしょ。この芝居、このままで終わらせたくないって!

大竹しのぶは、「抑制された中に女の業が渦巻く」という、この人の持ち味が過不足なく出ているし、大体、地味~な格好で薄暗い照明の中に出てくるんだけど、やっぱり、出て来ただけでオーラがあるよねぇ・・・m( )m

段田安則は、やはりセリフが素晴らしい!
ただ、私が、どうしても、マクベスにこだわってしまったのは、私がマクベス好き、ということもあるかも、ですが、この人の持ち味の中にオセロはなく、マクベスが染み出ていたからではないかと、ちょっと思ったのですねぇ・・・。
ただ、もし彼で見たいとものってなら、「リチャード三世」!
いいんじゃないかな?

新聞の劇評の中に「二人の“姉”の間で引き裂かれる男のたたずまいが」とあったんだけど・・・、そうか、「二人の姉」ねぇ・・・。「二人の女」でいいんじゃないかなぁ?

そうそう、プログラムは、やはり、どうしても買ってしまいますが(どこにしまうんだ?!)、今回は、ちゃんと、リーフレットでキャストとスタッフが刷ってあるのを、宣伝チラシと一緒に無料配布してました\(^o^)/
凄い!!
まあ、歌舞伎は昔からあるけど、東宝にしても、他の公演でも、キャストもスタッフもプログラム買わなくちゃわっからないもんね(^_^;
さすがに、「シス・カンパニー」様m( )m

そうだ!キャストと言えば、彩の国コールドシアターとネクストシアターのメンバーが何人か出ています(^^)
素人集団から劇団員育成って、若い人たちならわかるけど、60歳以上で公募したんですよね、ゴールドシアターは。そりゃあ大変なものでしょうねぇ。
最初は、蜷川さんの栄養剤かと思ってましたけど、今や、常打ち公演どころか海外公演もしているんですものね!
本当に尊敬ですm( )m

・・・・
実は、これ、アホネーチャンと久々に一緒に見に行ったんですよ(^^)
あちらも年中忙しいけれど、この9月~12月というのは、やたらにセレモニーが多く大変なんですが、貴重な休日を付き合ってくれましたm( )m

最初は、地元から待ち合わせて、ランチして行こうか、と言ってたんですが、やはり、現地集合の方が気楽だよねぇ、ということで、劇場で(^^)
帰りに、豪華なお茶をご馳走になりました\(^o^)/

普通のお家なら、親が子供にご馳走するんでしょうけど、ねもん家は貧乏だからね。
「家貧しくして孝子出ず」ってのよ(*^^*)・・・こんな言葉死語になってるんでしょぅねぇ。
帰りは、まったりGに乗り・・・いや、遠いんですよ、渋谷!

ダンナとnemoには、今夜は、適当にお願いします、と頼んであったので、帰宅後、即入浴して夕寝しました(^_^;

ダンナの意向で、買い置きのお弁当(低カロリー・成人向け)で済ませたそうです。
まあ、今日はまた、本当に何も残ものがなかったの。ごめんなさいm( )m
あんまりだと思ったので、地元駅でケーキ買って帰りましたけど・・・。

いやぁ・・・外出したら、もう普通に何もできません。
まして渋谷は本当に遠い!池袋(サンシャイン)なんて言ったら旅行です。
だから、蜷川さんの本拠地の彩の国行きたいんですが・・・ホントにちょっと無理(^^;)
チラシの中に10月の彩の国の「ジュリアス・シーザー」なんて入ってて、涙が出ました。

ダンナ様、nemo君、わがままな妻、勝手な母でごめんなさいm( )m
でも、素晴らしい一日でした\(^o^)/
家族の皆様、どうもありがとうございました(*^^*)