10月7日(木)
“I GOT Merman”を見てきた!
宮本亜門の伝説のミュージカル!
よく出来ている、楽しめる、でも、やはり初演に観たかった!
1987年、13年前になるのだ!
この13年は日本のミュージカルには長すぎる年月だったかもしれない。
確かに、今だって色あせてはいない。いや、13年たっても色あせないことを賞賛すべきだろう。
でも、やはり、シャープさに欠けているように思うのは、
この13年間の日本のミュージカルの進み具合が、それまでの進み具合よりも
加速度的であったということなのだ。
出演者はよくやっている、ピアノ演奏も素晴らしい!
これが素晴らしいのだ!本当に素晴らしい!
最初はきつと、音楽の伴奏費用を節約するためだったかもしれない。
伴奏費用を節約するのには、しばしばエレクトーンが使われるが、アレだと手作り感が薄れる。
やはり、アコースティクな音を求めるならば生楽器!
しかもピアノの連弾となれば音の厚みも増す、というものだ。
これで、成功の半分は勝ち取ったのではないだろうか。
後は出演者!
これもよかった。
諏訪マリーは宝塚在団当時の印象は殆どないのだが、
この人は「中年になってよくなる役者」だったようだ。
田中利花という人は初めて!私も母も初めてというのは珍しい。
しかし達者な人で亡き太地喜和子を思わせる。声も、ルックスも。そして、ちょっと黒っぽい感じも良い。
そして、中島啓江。今や押しも押されもせぬ実力派の人気スターだ。
それにしても、あの体格で、二人と一緒のステップを踏むのは偉いよぉー!
といっても、そこが、このミュージカルの切ないところなんだけど。
やはり、ダンス場面が乏しいよねぇ〜。

13年前は、アレだけのダンスがあって、これだけ優れた歌唱力のミュージカルで、
っていうところが良かったのだと思う。
でも、歌唱力については問題ないのだけれど、やはり、ミュージカルのダンスとしては、
今の時代、ちと厳しい!と思うのは私だけだろうか。
それと、13年前だって「えっ、何故、今エセル・マーマン?」っていうのがあったと思う。
私達でさえ、もはや伝説になっていた大女優で、言われて見れば
普段口ずさむあの歌も憧れているミュージカルも「エセル・マーマン」なんだけれど、
それをあのミュージカルに仕立てて「I GOT Merman」というのはなぁ…
だからドウスルとはいえないんだけどね。

といいつつ、やはりレベルは非常に高い!
高いからこそ文句も出るのだ。
歌唱力にはゼーンゼン問題ない。クラシックとジャージ―な雰囲気とミュージカルの歌声と
素晴らしくマッチしていてこれはもう、これだけで必見だ!
演技力もコメディーセンスもソコソコいいと思う。
結局ダンスと、構成の斬新さか゛薄れた、ということかもしれない。
13年は長かった!ということかな。
でも、これだけの作品書いちゃうと後辛いだろうな、と思ったら
案の定(?)というのかな、宮本亜門としては、傑作が出ていないのだ。
そりゃそうだべ、そんだけの作品だぁね。うん。

話が飛ぶけれど、小堺一機の「ごきげんよう」でユーが、
小堺君が「アニ―よ銃を取れ!」の話を振ったとき「アニーさんてだれですか」と
真顔で言うておった。
小堺君も、ちょっとびっくりした風であったが、パッと話題切り替えてシランフリ!
オイオイ、音楽関係者だろ、そう言う時代


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