5月16日(水)

「ヴェネツィア絵画展」
「よみがえる日本画展」
「アール・ヌーボー展」


もう、歯が折れた!なんてうんざりする事ばかりで、いい加減気鬱になったので、どうせ駅まで出るのだから、
と上野まで行くことにした!

8時53分のライナーなら当日でも買えるので、少し早めに駅に出て、と思ったら、ナントナントバスもすんなり来てしまい
25分前に駅到着(^_^;

上野は相変わらず混んでいるけれど、どう考えても、イタリアルネッサンスと醍醐寺展に集中するだろうと、
高を括って芸大美術館のチケットを購入!

ヴェネツィア絵画展
と、これがあんまりよくなくてさ・・・ちょつとガッカリ!
イタリアルネッサンス展が凄い大作と精密さとを兼ね備えた一等品の芸術品揃いだったこともあるけれど、だいぶ落ちるなぁ・・・

一応、ヴェネツィアのアッカディミア美術館を始めとし、18世紀ヴェネツィア美術館・コッレール美術館・ウフィツィ美術館も、
イタリア国内の国公立美術館が所蔵する作品を中心に、
ロシアのエルミタージュ美術館・スウェーデンのストックホルム大学美術史研究所などの名品を加えて、
18世紀ヴェネツィア絵画が日本で本格的に紹介されるのは初めてのことだそうなので、意義はあるのでしょうが(^_^;


「よみがえる日本画展
いっやぁ〜、ここはよかったよぉ〜〜!!!!!
想像以上!混んでいたのも想像以上!!
芸大美術館です。
いつものように、私はエレベーター降りると、すぐ右側の展示室に行っちゃうので・・・どうやら、こっちが第二展示室らしい、
と今これを書きつつ知りました(^_^;

で、その第二展示室の左壁に横山大観の模写があるらしい、とオットリガタナでよろけつつ早足で寄り付く(^_^;)
ナントナント凄い!
原本は国立博物館所蔵なんていう国宝・重要無形文化財だったりするんだけど、
なんせ、原本が修復せねばならぬほどになるから模写をするのですからね、
大観ほどの人だとたとえ学生時代の模写だとしても、凄いよぉ〜!
生意気なようだけれど、眼に力があると思う!
「山越阿弥陀図」の原本は中国南画の第一人者「牧谿(もっけい)]ということだけれど、こちとも素晴らしいとは思うけれど、
やはり痛み方が尋常でなく、
これでも修復したのだロウけれど、その修復の原画となつた大観が凄くよくて素人目にはこっち!となってしまう(^_^;

それと、最近の学生たちの模写を後から見て思ったのだけれど、やはり、最近の学生たちの模写っていうのは、
中心人物などは克明で、確かに忠実に写されているようだけれど、
回りの人物や背景は、けつこう模写と呼ぶには辛いものがあったりする。
そのへんが、後に大家となった人たちは手を抜いていないように思われます(^_^;)

菱田春草の「一字輪像」などはどっちが本画かようわからん(^^ゞ
安田靫彦の「鳥毛立女屏風」などは、さらさらっとスケッチ風で、それでいて一目で「鳥毛立女屏風」とわかるほど似ているのですよ。
これらは、この模写自体が博物館やミュージアムに所蔵されているとの事で、いやごもっとも(^^ゞ

ああ、失敗した!のが速水御舟の「日蓮上人像」見損なった!と今思い出したのです(;_;)
なんたつて、予想以上に混んでいて、私はいつもの如くゲリラ式鑑賞をしていたのですが、鳥毛立ちの近辺がバカに混んでいて、
ちょっと先回りして!と思っていたら・・・
ちょっとちょっと感動シーンがあって一戻りするの忘れてた、嗚呼!速水御舟大好きなのに(;_;)

ま、その感動シーンとはね、あの伏姫さんの「酔芙蓉」にであった事!
そんなこと考えてもいませんでしたから、あの「ボタンの絵」に出遭った時、あ、どこかで見た絵だぁ〜、
あ〜、伏姫さんの絵だぁ〜、ええっ!?
わっ!?ホントに伏姫さんだ!!
考えれば当たり前のことなのです。彼女は修復に携わっているのですから。
でも、こんなところに展示されるのはきっともつと先のことだと思っていましたから。
それに本名もそこで見るまで忘れてました(^^ゞでも、そこで本名見て思い出したのです(^^ゞ
ああ、伏姫さん頑張っているな!病気よくなったのかな?こんなところに展示されて「はまさん」に知らせたかな?喜んだろうな?
そんなことが思い巡らされて、しばらくボーっとしてました(^^ゞ
それで速水御舟忘れちゃったのです(^_^;ま、仕方ないやね、嬉しかったんだから(^_^;

そういえば、こないだ出光美術館で見損なった「伴大納言絵詞」の模写もあって(当然一場面くらいですけど)、
とんだところで「江戸の敵を長崎で」ってところだったから、まっ、いっか(^^ゞ

しかし、修復というものは大変ですね!!
第二展示室に法隆寺金堂壁画の修復のための模写がずっと懸かっていましたけれど、
どれを見ても国宝級という素晴らしさで、これが模写!?という具合ですが、それでも模写なんですよね(^_^;)
安田靫彦や吉岡堅二などというそうそうたるメンバーが指揮をとって描かれているのですからそれも当然か、
と思いながら、次になかなか移れません。

と言いつつ、3階へ。
ここでは上手い具合に、どうやら、自分の模写が掲げられている学生が知人を案内しているところへ行き当たったらしく、
まわりにもちょつと人だかりがしているところで苦労話を聞くことができました(^^ゞ
いやはや、素人ではわからない色々な苦労と心配りがあるようです。

修復の現場も再現されていて、ほほぅ、こんなところで作業するのか?
と、NHKのテレビなどでは時々見かけるものの、やはり、実物は違います!

嬉しかったのは、そのNHKでやっていた「国宝探訪」の折の、「源氏物語絵巻」の修復の仕方とか、
「花下遊楽図」のデジタル再現などがもう一度見られたこと!
面白かったのは「序の舞」の上村松園の原画が展示されて、
その傍で、「アーカイブデータからの拡大印刷物」としての「序の舞」プリントが見られたこと!
いやぁ、今の印刷技術って凄い!!!!

疲れ果てて、二階のオークラの食堂でビーフカレー&コーヒー。あまりにお上品な量でびっくり!
でぇ〜、疲れも少し取れて、むこのまま帰るのも・・・アールヌーボー展見たいなぁ・・・混んでるだろうなぁ・・・でも見たいなぁ・・・

というわけで都美術館へ(^^ゞ

アール・ヌーボー展

出てくる人に聞いてみる!勿論美術館馴れしてそうな人に。「混んでますか?」
「んー、混んでるけど、入場制限しているわけじゃないし・・・」「あっ、じゃ肩越しにさっさと回れば覗けますね」「それは十分!」
おっ!それだけきけばこっちのもの(^_^;
というわけで。チケットを買う。

いやはや混んではいます。か・な・り!!
主にガレやドーム兄弟のランプやベースが主だけれど、マッキントッシュの家具とかラリックの宝飾品、
ティファニーのランプもあつた。
おもしろかったのはアガトン・レオノールという人の「テーブルセッティング」という何十体かの人形なんだけど、
これが当時一世を風靡したスカーフダンスのダンサーをモデルにしたもので、繊細で神秘的でコケティッシュで素敵でした!!
エクトル・ギマールという人は当時のパリのメトロの入り口をデザインしたらしく、
その模型が作ってあってちょいエトランゼの雰囲気も(^_^;
ロートレックのポスターは見慣れたものばかりですが、やはりそれなりに時代の雰囲気を出してます。

出口付近にあったティファニーの「風景パネル」はよかったなぁ、あんなの飾れる家に住みたいな(^^ゞ
ミュージアムショップもここは金目のものばかり!!
私はいつものように絵葉書数枚買って帰ることに。
もう少しゆっくりもできたんだけど、後が歯医者さんでドタバタ飛び込むのは、と早めに切り上げて車窓の人とはなりました。

歯医者は今日は息子の方、やれやれ、でも消毒だけだから、まっいっか(^^ゞ
久しぶりに、自分勝手にぐるぐる動けて気分発散!
心地よい疲れで、帰ってからもなんとなく上機嫌で昼寝(?夕ね!)もしない・んー満足!満足!