11月4日(日)

ベルギーガラス展・シェナ美術展に行って来ました。

本当は、10時頃起きて、日曜朝のお仕事を終えて、12時には出るつもりだったのに、
日頃の不摂生が祟って、夜全然眠れず、やつと寝付いたのは朝の8時半くらいだったと思う・・・ので(^_^;
というわけで、目が覚めたというか、12時半頃に起きるのが精一杯でした(^_^;
でも、ベルギーガラスもシェナも見たいじゃない(^^)
一方で愛華の芝居はまぁ、どうでもいいじゃない(^_^;
おまけにチケットは2500円だしね・・・これは芝居カットするっきゃないじゃん!!というわけで、ショーさえ観られればよい!
と、割り切りました(^_^;)

というわけでベルギーガラス展!

ベルギー南部に広がるワロン地方は、古くからガラス産業が盛んで、19世紀の産業革命を経て、
伝統的なガラス工芸だけでなく、板ガラスの分野でも、世界をリードすることとなり、
多くの国がベルギーから窓ガラスを輸入することになり、当時のベルギーは窓ガラス大国と言われました。

日本でも、岩崎俊弥らの努力で、ベルギーから手吹式円筒法の製造技術を学ぶなどして、ガラス産業の基礎を作りました。
ちなみに、その岩崎俊弥の作ったガラス会社が旭硝子なのだそうで、
今回も主催は新聞社と「ベルギーフランス語圏国際交流局」「ワロン地域政府貿易振興庁」、
そして、後援に文化庁やベルギー国大使館&ベルギー観光局などが名前を連ねているのですが、
旭硝子も、しっかり「協賛」というところに名前を載せて、いろいろな資料(手吹工法の図とかね旭硝子発足当時の写真など)、
巨大陳列ケースなどを貸し出しています。

そういえば、この展覧会は、パリ・ミラノ・イスタンブールなどを巡回して好評をはくしたという国際巡回展なのですよ。

19世紀からアール・ヌーボー、アール・デコを経て、現代に至るまでのヴァル・サン・ランベールの作品を中心に、
ベルギーガラスの魅力をリェージュ古代・装飾美術館とシャルルロワガラス美術館の所蔵品100点で紹介しています。

ヴァル・サン・ランベールというのは、ベルギーを代表するガラスデザインのトップブランドだそうです。
(私は、今回初めて聞きました!ガラスはバカラというバカの一つ覚えですもん!!)
19世紀半ば、そのワロン地方の小さな町ヴオネッシュから、ヴァル・サン・ランベールは生まれ、
石炭産地で、良質な石灰石(ガラス生産に必要)の取れるリェージュに工場を構えて、当時の最先端の技術を駆使し、
更に優秀なガラス職人を集めて世界のトップブランドとなつたそうです。

で、まあ、ここの製品が多く出展されているのですが、それより何より、今回はやたら初耳話が多くてビックリシャツクリでした(^_^;
まあ↑に書いたように、ヴァル・サン・ランベールというのが初耳だったのですが、
「ベルギーフランス語圏国際交流局」!そうかぁ、一国の内でも一ヶ国語しか話さないなんて限らないのですね(^_^;
カナダとスイスは有名だけど、ヨーロッパにはそういう国いっぱいあるんでしょうね(^_^;

嗚呼!!前振りこんなに長くなっちゃって!!後が続かないなぁ・・・(;_;)

入ってすぐのコーナーに置いてあるガラス製の椅子が素敵でした。
三角をモチーフにした、赤い透明感のあるガラスで、いかにも現代アートという感じの椅子(?というよりテーブルっぽい気もしました)。

アール・ヌーボー、アール・デコのガラスは、ちょつとこのところ凄いのを立て続けに見ているので、まあまあ(^_^;
それでも、ミューレール兄弟の作品という巨大鶴首のような「マロニエの葉の花瓶」というのは凄かった!!
このミューレー兄弟というのは兄弟七人全員がガラス職人という恐ろしい一族だそうです(^^ゞ

チケットにも写真が載っている「サッカー選手の花瓶」というのは、アンリ・ヘムスケルクという人の作品で、
1027〜1030年頃の制作だということで、ヨーロッパにおけるサッカーの歴史の古さに愕然!!
肝心の花瓶もなかなか素敵なのですが、ちょつとガラスという雰囲気じゃないのですよ。
これは三段階のサンドブラストによつて仕上げられている、というからには、相当手も込んでいて、
まあ、古いタイプの高価そうな感じはわかるのですが・・・(^_^;

そうそう、香水ビン!やはり、ワロン地域のモミニーという町では、ナント世界の香水ビンの8割のシェアを持っているそうです。
その理由は、注文から一ヶ月で細かい注文に応じたデザインの製品が届くからだそうです。
日本展では、この香水ビンも特別展示してくれています。

はい、次はシェナ美術展

シエナはかつてのシェナ共和国の中心であり、13世紀末から14世紀にかけて文化的頂点を極め
シエナ派と呼ばれる一大文化圏を形成し、今もなお今もなお中世そのものであり続ける「町全体が世界遺産」という都市である!!

ルネッサンスを生んだ隣国フィレンツェとは大きく異なる精神に支えられ、
聖母マリアの守護の下に築かれた華麗で優雅な自国の伝統を守り抜く誇り高き文化であり、
また、それゆえにこそ、シェナの歴史は闘争の歴史である、といわれるほどであり、ことに隣国フィレンツェとの争いは過激を極め、
ついに1557年、シェナ陥落。二年後には、メディチ家のトスカーナ大公国に買われ独立国の歴史を閉じることになる。

なるほど、この時代の都市国家の百花繚乱の爛熟振りは素晴らしいものですよね。
しかし、今回、何がよかったというと、額縁なのですよ(^_^;
勿論、今までだっていろんな展覧会で、絵を支える素晴らしい額縁は見てきましたけどね、
今回ほど、絵より先に、この額凄い〜!!と唸ったことはありませんでした。
まず、額縁の彫刻の素晴らしいこと!!殆ど金属製で、金色ですよね。木製でも金色に塗ってあります。
小鳥やら果物・樹などが、本当に立体的に彫ってあります。それが見事なのですよ、ナンタッテ絵よりリアルだし(^_^;

ま、勿論肝心の絵画も素敵でしたけど(^_^;)
第一展示室の入ってすぐのところに、チケットにもなっている
サーノ・ディ・ピエトロ「聖ヒエロニムス、シェナの聖ベルナルディーノ、むそして四人の天使を伴った聖母子」(ワ!長い!)が
懸かっています。
これは金彩が美しく輝いてさすが、目玉!

木片にテンペラで描いたミニ肖像画も素敵でした。
絵は大振りの100号くらいのサイズが多いのですが、彫刻は高さが40〜50cmくらいの小ぶりの人物像が多かったですね。
マグダラのマリアがなんだか目に付きましたけれど、一枚ものもあったし、聖母子を囲んでいたり、よく出ています。
シェナの人々はマグダラのマリアに好意を寄せていたのでしょうか?
彫刻の「人物」といっても、バッコスとかヘラクレスなど神話の世界の住人ですけれど。
あ、第三展示室にはダンテとベアトリーチェの像がありました。やはり50センチくらい。
で、このベアトリーチェが素敵なの!!本日の私の一押しです。
ドレスのレースの模様まで美しく彫られて、大理石だというのに暖かくて柔らかくて、素晴らしいのです。
第4展示室の木彫壁飾りも併せて、彫刻が素晴らしいと思いました。

そうそう、第二展示室と第4展示室には広場や沿道に集まる多くの人たちを描いた巨大「細密画」みたいな絵がありました。
第二展示室のトップのところは、チラシにもなっているその巨大細密画で、
ヴインチェンツィオ・ルスティチの「コントラーダの行進」という絵です。
人も馬もこれでもかと思うほどたくさん、また克明に描かれていて、
なんだか高い窓のところから、コントラーダ広場を見下ろしているような気分になります(^_^;

そういえば、その展示室の真中に、神聖ローマ帝国軍と教皇軍との戦いのジオラマが展示してあり、
この巨大細密画と併せて、なんだかおかしな気分になりました(^_^;

第五展示室はシエナ製陶器が展示されていて、バルトロメオ・テルキの水差しも二体ほどありました。

で、まあ、宝塚はショーだけ観劇♪それについては「観劇!感激!!」にて(^^ゞ