8月20日(火)

「飛鳥・藤原京展」

飛鳥・藤原京(今の奈良県明日香村、橿原市など)に都があった7世紀の日本は、大陸の進んだ文化を吸収しながら、
中央集権の国家が形成されていく時代でした。営々と続く発掘調査により、その様子が明らかになっています。
というのが、チラシの口上ですが・・・まあ、飛鳥・藤原京というのは、平城京・平安京などに比べてちょっと地味なイメージで、
登場人物が聖徳太子や天智・天武・額田などという大物をそろえているわりには損をしています。

でぇ〜、今回はジオラマやらマネキンなどミーハー視覚に訴えながら、飛鳥・藤原のお勉強をしましょうね、という感じです。
で、これが、先にネタバレをさせてしまうと、ほとんど橿原市のホームページに書かれているわけでして
その、第一章には「大和三山と藤原の都」というタイトルで、次のように書かれています。
1300年前、ここ橿原市は日本の首都だった。大和三山に囲まれたなかにつくられた日本最初の本格的な都、これを「藤原京(ふじわらきょう)」と呼ぶ。
藤原京の中心、すなわち都の中心には「藤原宮(ふじわらのみや)」があった。宮には天皇の住まいと国の政治をとる朝廷があり、いろいろな役所もあった。そこで、政治の基本となる法律が制定され、最初の銭貨が発行された。そして16年後、短くも充実した役目を終え、藤原の都は、平城京へとうつっていく。

でー、
プロローグ 飛鳥・藤原京への誘い
というわけで、「猿石」が五体展示されています。みんな復製品なんですけどね(^^ゞ
そのうち四体は「吉備姫王檜隈墓」のすぐ側にある、ということで、副葬品ではないらしいです。
「奇妙な面相と姿が悪霊を払う?」と「飛鳥地方へのいざない」(発行・橿原・高市広域行政事務組合)
というパンフレットに書いてありました。同パンフに、さらに、
姿が猿に似ていることから、猿石と呼ばれているが人面のように見えるものもある。四体のうち三体には裏側にも顔があり、女性や男性、牙をむく怪獣が刻まれている。その怪獣は女性を表す、という失礼な話も。
ちょつと回りを取り囲んでいて、私は裏側は見えなかったんですが(^_^;

猿、といえば猿、人面といえば人面にも見えるわけ、もしかしたら、誰かの像を建てたかな、とも思いますが、
像の形自体が奇妙なのでねやはり、これは魔よけ石なんだろうな、と勝手に納得(^^ゞ

第T章 飛鳥時代の幕開け 

「藤ノ木古墳出土の馬具」これは重要文化財!つづく「藤ノ木古墳出土の鞍金具」は複製(^_^;
馬具は最新のテクノロジーを駆使しして修復したそうです。曰く
「高吸水性樹脂に薬品を含ませることにより、僅かな厚みの金メッキに傷をつけずに錆だけ取り除いた」のだそうです。
いや、ホントにキレイに修復されてました。まあ、古びていることは仕方ないですが、それは時代の重みですから。

飛鳥大仏の頭部というのもありました。これも複製で、ナニヤラこのあたりは複製ばかりで、溜息もチラホラ(^_^;
まあ、本物を見たければ、飛鳥の地を訪ねればいいわけで、東京で楽して見よう、ということが間違っている、といわれればそれまでなのですが・・・(^_^;

まあ、飛鳥寺の創建軒丸瓦なんてのあたりから実物が並びます。
百済や韓国の軒丸瓦も側に展示していますが、飛鳥時代に、作られたということは、当時の最先端技術とそれを作れる技術者が
渡来していた、ということなのでしょうか・・・。

普段は夢殿に安置している重要文化財の「聖徳太子立像」がありました。
聖徳太子といえば例のお札の顔が頭に濃くインプットされているので(^^ゞ

それより、チラシなどに載っている「菩薩立像」。やはり、法隆寺所蔵の重文ですが、これが荘厳でよかったです。
高さは台座含めて50cmくらいの四頭身の仏様ですが、けっこう有り難味が感じられました。

「 小治田宮」と書かれた土器と「小治町(おばりまち)」と書かれた木簡がありました。
木簡は左京小治町の住人が携行していた通行証明書でした。
「小墾田(おなりだ)の宮」というのは、豊浦宮に変わって新しく造営された宮殿だそうで、私は全然知りませんでした・・・恥(^_^;
推古帝は593年豊浦宮で即位し、603年小墾田の宮へ遷都していたのです。17条の憲法はそこで制定されました。
舒明名天皇630年の即位で岡本宮へ遷都され、
さらに636年田中宮へ遷都があって、
642年皇極天皇即位の年に再び小墾田宮に遷都があったのです。(すぐ翌年には板蓋宮に遷都されるのですが)

「隋との国交開始が背景にあったのは確実」と解説にありました。
天皇・太子側と蘇我氏との対立が絡んでいたことも当然かんがえられるでしょうけどね。
603年〜765年までの長期に亘り史料にあらわれるそうです。

飛鳥という時代は、「大和はくにのまほろば・・・」などというほのぼのとした中に、そこはかとなく血なまぐさい臭いも漂うところです。

第U章 律令国家の胎動

で、ここから血なまぐささの本番が始まるわけです。

現在まとめ中・・・もう少しお待ちくださいm(__)m