10月30日(水)

ウィーン美術史美術館展
狩野探幽展
ウィンスロップコレクション展
ピカソ展


おばさんは怒っているぞぉ〜!!
何よ〜!芸大美術館!!
展示目録出さないでヤンの〜!!
ないわけじゃないの!あるんですよ!500円払ってイヤホンガイド借りる人にだけ出すの!!
何てことするんだろ!守銭奴!!美術品を商売にするのはいいよ、だけどお前んとこ国立大学だろうがぁ!!
みんなが,目録ほしさにイヤホンガイド借りようとしたら、全部に行き渡るんですか?
あの混雑の中で、目録がないから、メモとります、ってみんながメモ取り始めたらどうするんですか?
というわけで・・・

ウィーン美術史美術館展

えー、そんなですから、フェルメールもブリューゲルもラファエロも来ていません(^_^;
目玉はベラスケスの「青いドレスのマルガリータ」!!
チラシになっているのは、デューラー「若いヴェネツィア女性の肖像」20号くらいの小ぶりな絵です。
アルチンボルドの奇妙な絵が二点「冬」と「四季」。

まぁ、フェルメールなら、たった一点目玉でもお客が呼べるんですから、
こういう風にまとめてワッと出すと損!みたいな感じなのかな・・・(;_;)

ウィーン美術史美術館は、1891年、ハプスブルク家の600年に亘るコレクションのために建設された美術館です。
時の皇帝フランツ・ヨーゼフ一世がウィーンの都市整備の一環〜中心事業として1871年から取り掛かって、
ドイツの建築家ゼンパーが全体の設計を、ウィーンの建築家ハウゼナゥアーが内装を担当した。
時間的・金銭的制約を一切うけず、ルネッサンスやバロックの様々な様式を織り交ぜた、
まるで宮殿のような外を持った美術館である。(講談社「世界の美術館―ウィーン美術史美術館―より)

なんだか薄味の展覧会で・・・1300円損した(;_;)と思って外に出る・・・足は重い・・・どうせチケットがあるんだから、
狩野探幽展見ていくか・・・ついでだし・・・と思って行ったら、これが予想外の拾い物!!
せっせこメモを取ってきました(^o^)丿
要するに、ウィーン美術史美術館展はメモを取る気もおこらなんだ!というわけ♪

狩野探幽展

東京都美術館ですが、この間の藤原京展から、65歳以上の人でもお金取るようになっちゃって・・・(;_;)
まあ、私はどうせまだまだですけど、つまんない!!先の希望がなくなったようです(;_;)
ついでに、ここも目録がないのです・・・なぜか?ミスが見つかって訂正中で、今週の土曜日からお配りします、だって!!
もう、始まってから・・・10日以上経っている筈なのに!!
でも、まあ内容がよかったので許そう(^^ゞ

狩野派というと、屏風絵・襖絵の世界ですが、いやぁ、なかなか凄い絵もあるんです!!
ことに、この探幽という人は、「江戸時代の画壇で初期に活躍した最大の巨匠」とチラシには書かれていましたが、
狩野派のなかでも、評価に有為転変のある人で、最近まで、けっこう可哀想な存在だったらしい(^_^;
しかしながら、「過去の文献には、『画壇の家康』と探幽を称する記載もあったほどです。」と言われるとおり、
徳川幕藩体制の下で、御用絵師としての地位を確立し、二条城・名古屋城・日光東照宮など、
国家的プロジェクトを寡占して成し遂げた功績は、やはり大したものです。
で、そのチラシに
江戸狩野の基礎を築いた探幽画の新しい特長は、
@線を描き込まずに形を描く
A画面の枠取りを意識してバランスよく対象を配置する。
B余白のあり方を根本から変え、対象を引き立たせる開放感溢れる空間をつくる。
というものでした。このスタイルに至る探幽の猛勉強振りは、『探幽縮図』に残された夥しい数の先人の古い絵画の『模写』と、草花や果物の『写生』から伺えます。
とありましたけど・・・それがまた、狩野派の進歩を止めてしまう、芸術から脱落してしまう一歩になってしまったんですよねぇ(^_^;

しかし、その『探幽縮図』は素晴らしいものでした(^o^)丿
要するに古画の縮小模写ノートなんですが・・・「和漢人物画帖」なんてのは、切り張りアルバム仕立てで、
例の神護寺の頼朝像みたいなのもありました。
結局、後進のために手本を残した。それが仇になつたわけです。
芸術に手本はありませんからね・・・そういう発想もなかった時代のことでしょうし(^_^;

後「山水花鳥画帖」「鷹鷲図鑑」ね・・・よく掻き集めた?描き集めたものです(^^ゞ
「東海道地取図鑑」「富嶽図巻」がありました。「富嶽図巻」の方には「現存中、もっとも魅力的な風景写生」という添え書きが。
やはり、このあたりが、今回の目玉だったんでしょうか・・・大変よかった・・・と言うと、いかにもアンチ狩野派だけど(^^ゞ

狩野派らしいものも良い物がありました。
勿論、名古屋城の「雪中梅竹遊禽図襖」、二条城の「松鷹図」なんてのは、美術雑誌には必ず載ってるモノでして、
さっすが〜!!という感じ(*^^*)
「頼朝先老供養図」「義朝最後図」なんてのは、いかにも狩野派らしい細密で折り目正しい豪華な絵です。
「百人一首手鑑-和泉式部-」も素敵でした♪
そのわりに、南禅寺の「竹林に虎図襖」はなんかねぇ・・・漫画チックで(^_^;
漫画チックといえば「風神雷神図屏風」も人間的で・・・まあ、宗達のだって、けっこうオモロイ風ではありますが(^_^;

狩野三兄弟合作という「白衣観音図」もねぇ・・・つまり、ここに展示されているだけでも、いい絵とそうでもないんじゃないの、
と「?」がつくものがあるということで・・・(^_^;

そうそう、徳川家御用絵師らしく「東照権現像(天海僧正の讃)」「金地院崇伝像」があります。
近世日本の肖像画で、屈指の名作と言われる「石川丈山像」・・・このへんは面白いですね。

全国から集めた105点の絵の中に書が一点。一行書の掛け軸で「萬法一如」。
「空海の書に引かれた大師流」と解説してありました。
空海というよりは、顔真卿という感じだな・・・まあ、空海はけっこう顔真卿に心酔していた時期もあつた筈だから、
間違いじゃないと思うけど、これも大師流というのかしら(^_^;

というわけで、けっこう充実した気分を味わい、かなり昂揚して西洋美術館へ♪

ウィンスロップコレクション展

これが、よかったのです\(^o^)/
点数も半端じゃない上に、結構大作・名作が来てました!!
おまけに、ここはちゃんとミニ解説がついた目録ありの大サービス♪

ウインスロップというのは、このコレクションを遺贈した実業家グレンヴィル・L・ウインスロップというお人の名前から取ったもので、
ハーバァード大学に付属するフォッグ美術館という美術館が管理しているそうです。
で、今まで門外不出だったそうですが、建物の修復ということでロンドンのナショナルギャラリーや、
ニューヨークのメトロポリタン美術館に貸し出されることになって、日本の国立西洋美術館は其の皮切りとのことでした。

目玉としては、ロセッテイ・アングル・モロー・バーン=ジョーンズというところなのだそうですが、
結局いつもどおり買って帰った絵葉書など見ると、そのとおり♪と言う感じですねぇ(^^ゞ
まあ、ロセッティは乙女チックであまり好みじゃないと思っていたんですけど、そうでもないのですね(^_^;
でも、やはり、何が一番か?といわれればエドワード・バーン=ジョーンズですね!!
大変に神秘的で宇宙的で、現代のイラストに通じる物もあるのにエンターテイメントまで突っ込まないところがいいなと(^^)
エンターテイメントになってしまうなら、いっそなりきればそれはそれでいいのですが、
やはり首の皮一枚で芸術に留まっているのが素晴らしいと思います。
「天地創造の日」なんて、ね!!
モローは、いつものモローで・・・これはいいと思う時と、そうでもない時の私の気まぐれで・・・今日はそうでもない(^_^;
こういうのは印象派の絵を見る時とは違いますね・・・印象派の絵画は何時見ても嫌、という時はないですけど、
モローなんかは、すごく心惹かれる時と、なんか違和感のある時と微妙です(^^ゞ
あ、でも「出現」というのはよかった!!これは前々から美術の本なんかで見ていてねあっ本物だ!!と言う感じ(^^)v

アングルはやっぱり色が綺麗です(^^)
今日見たのは「奴隷のいるオダリスク」というのですが、でもやっぱりこうなると本物の「オダリスク」が見たくなるじゃないですか(^^ゞ
でもまあエロティシズムに溢れていて結構でした♪

見終わって、もうヘトヘトで、帰るか、と思ったんだけど、皆がピカソの方へ行くのですよ!!
ついつい灯りに吸い寄せられる虫のように(^_^;

ピカソ・天才の誕生

まず、その膨大な量に圧倒されました(^_^;
あ、ここもちゃんと目録あり!!それを見ると222点だそうでした・・・・いやぁ凄かった(^_^;
あの上野の森美術館を区切って区切って、いっぱい壁作ってそこら中に貼り付けた、という感じです(^^ゞ
それもこれも、ピカソの天才を早くから見抜いていたピカソの母が、小さなデッサンや習作まで
きちんと保存していたからです(^^)
だからかしら、後々まで、例えば「科学と慈愛」なんて、この間「美の巨人」で取り上げていた習作数点がずっと見られて、
そのために、一点の作品として昇華結実していくプロセスをしっかと見ていくことができるのです。
それにしても、9歳の絵、11歳のスケッチ、11〜12歳の習作なんて・・・天才は生まれた時から天才なのねん♪という感じです。

家族の肖像が多いのもびっくり!!芸術家って家庭的には孤独な人が多いと思うのだけれど、
ピカソは両親の愛にどっぷり浸かっているのですねぇ・・・まあ美術教師の父親とはいろいろあるかもしれないけれど、
父の肖像・妹の肖像・母の肖像
やはり、他の画家達から比べると家庭的には幸せなんじゃないかな、と・・・まあ、ご多分の漏れず貧しくはあったようですが。
その割に全人生の恋愛遍歴のものすごさね(^_^;
ようわからんけど・・・?

いやぁ、ここ出た時は、足元がふらつきました!!大体見て回っている間らに座り込みたくなったのが何回も(;_;)
もう少し足腰鍛えなくっちゃ(^_^;

というわけで充実した?充実しすぎた一日でした\(^o^)/