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9月13日(火)

ドレスデン国立美術館展――世界の鏡

―国立西洋美術館―

ずっと行きたいと思っていたのに、なかなか行けなくて、もう駄目だ〜、と思っていたのですが、
何とか行って来ました\(^^)/
今回はフェルメール旋風も前回ほどではなくて、いささか静か・・・でも、会期が19日までだし心配してましたけど、
けっこう見られました♪

ドレスデン、というのはドイツのザクセン候国の首都というのでしょうか、
ドイツはもともと神聖ローマ帝国があって、ソレが衰徴して有力諸侯の自治区がひとつの国家のようになりました。
その中の有力な諸侯がザクセン候で、何かというといろんな戦争に首を突っ込み、口を出し、焼け太りをしていきました。
そのザクセン候が代々、ドレスデンに居城を構えていろんなお宝を収集し、想像したのです(^^)
ヘヘヘ・・・なんで詳しいか?前期の前の世界史の範囲でしたの〜(^_-)-☆

なんたっち、ワタシャ、ドレスデンといわりりゃぁ陶磁器だけんねぇ・・・ソレをば見に行きましたばってんがぁ・・・(^_^;

まあ、オープニングの地球儀と天球儀にビックリ!
17世紀頃のものだそうで・・・小泉総理がお好きなガリレオが、宗教裁判にかけられて
それでも地球は動いている!と言ったのは1633年だそうで・・・今検索してきました(^_^;
その同じ世紀にこんな立派な地球儀やら天球儀があったの?
神聖ローマ帝国(まあ、ザクセン候国とは微妙に違うけど)に?
それで天動説?
よくわからない(^_^;

まあ、わからないことは置いといて・・・(^_^;なんだこりゃあ

で、まあ
T.ドレスデンの「美術収集室

これがですねぇ凄いのなんの!!
展示品としたら「人体均衡論四書」と言う題名の本なんですが、此れがナントアルブレヒト・デューラーとは!!
要するに人体のバランス表なんですね。人体のデッサンの爲に描いたのでしょうか、それにしても緻密!!
且つ、やっぱり西洋人て、この時代から足が長い!!

クリストファー・シスラーという人の「四分儀」というのが大変美しくて、道具の美の極致!と言う感じです。
「四分儀の主な役割は距離を測ること」けだそうですが、分度器を更に半分にして、あっだから四分なわけですよね。
正方形の真鍮の板に貼り付けて、と言う感じですが、その正方形の板の周囲に微細な彫刻が施してあって、
嘗ては鍍金をしていたということでした。
今はハゲハゲ?でも十分綺麗ですよ\(^^)/

この部屋のもう一つの目玉は、
三角定規・定規・コンパス・分度器、烏口つき細線コンパス・修正用ペンナイフ・烏口・・・
などの工具?文房具?
此れが真鍮・鍍金で、まだ金がはげてなくて豪華!繊細!・・・素敵です(^^)
以前月光さんのサイトで、釣りのハリスとか釣り針・浮き・疑似餌のイラストの繊細さと美にビックリしましたけど、
こういう、働く道具の美しさって大好きです(*^-^*)

そうそう、バウルス・ブフナーという人の「弾道」という絵?スケッチかなぁ・・・彩色素描と書いてあるからにはスケッチか(^_^;
砲兵隊の弾道の軌跡を纏めて描いているのですが、科学的にも重要なものらしいのですが、絵として面白いです(^^)

そうそうザクセンの皇太子が描いたと言う透視図もありました。
要するに製図です。ちゃんと遠近法の専門家に習って、本になっています。
大変な緻密さで、こういう人が皇太子になって、ねぇ・・・どうなるんだろ?てか、どうなったんだろう、ザクセン!!

象牙細工・珊瑚細工の見事な高杯や飾りモノがありました。
このへんになって、美術館の展覧会だった、と思い出したんだ(^_^;



U.「オスマン帝国―恐怖と魅惑―」

ここで、えっ?オスマン?
そうかぁ・・・ここでオスマン・トルコ台頭の時代だったんだぁ(^^ゞ
1453年5月には、オスマントルコによって、コンスタンティノープルが占領されていたんだわぁ〜!!
スミマセン、私、世界史でやった?記憶に無い(^_^;
ノートの整理ズボラしてるから!!キャーm(__)m先生ゴメンナサイ

えー、それでですねぇ、これが、例のトルコ三大文明展大トルコ展を思い出させる豪華な短剣!
まあ、あれほど豪華宝石が貼り付けられているわけではないのですが、それなりにシンプルゴージャス♪
鎖帷子・腕甲・頭巾型甲のセットが展示されてましたが、鎖帷子と言っても、日本の鎖帷子よりも精緻です(^^)

剣は分かりますが、戦棍(せんこん)・戦斧(せんぷ)・戦鎚(せんつい)なんて名称で呼ぶのですね。
いずれも、その字をみればそのままです。漢字って便利!!
でも、これは金・銀・鍍金・彫金・宝石も!まあトルコ石ですけど♪
いやはやそれなりに豪華ですよ(^^)

「ウイーン解放メダル」というのもたくさんあって、これがメダル?!というほど豪華です(^^)
まあ、ヨーロッパではメダルはコレクションアイテムの王道だそうですので、フーム、そういうものかぁ、と感心(^_^;
殊に「アウグスト強王58歳の誕生日記念メダル」なんて殆どCD盤くらいの大きさです(^^)
なるほど、これはコレクションというか、持っているのも大変な名誉になるのでしょうね。

オスマントルコの天幕の生地がタペストリーのように飾られて有りました。
ホントにトルコ展を思い出します。
あの時は、そっくりスレイマン1世の天幕が張ってあったのでした(^^)

あ、陶磁器!
「トルコ風の手洗水差と手洗盤」というの、題名聞かなければ、コーヒーポットとお菓子器です♪マイセンです♪
同じく磁器の人形「アジア」マイセン、は緻密で、表情豊かで、色彩も素晴らしいです!!

シャルル・ド・フェリオ侯爵と言う人が描いたという東方の国々を表した


V.イタリー芸術の理想像

ここは、待ってましたのイタリア美術の部屋です(^^)

ティツァーノの「白いドレスの女性の肖像」
フェルメールが来ていなければ、パンフレットになったかも知れない名画ですが、私の好みではないので(^^ゞ

大きな(百号くらいの)風景画が数点、マルコ・リツチの「川辺の町」「冬景色」・・・他にも、よくあるヨーロッパの風景画です(^^ゞ
ベルナルド・ベロットの風景画数点・・・同じく
・・・んー、悪いと言うんじゃないのですよ、今日はそういう雰囲気ではなかったと言うm(__)m

でぇ〜、ここで、始まる陶磁器の素晴らしさ♪待ってました(^^)v

まずはクリスタルガラスです。
ジョバンニ・パッティスタ・メテリーノの「龍型装飾水晶杯」「二頭の海豚付き貝殻型水晶皿」というのです!
これはそれぞれ脚の台座に銀に鍍金した縁取り(一見コバルト)をして、さらにそこに瑠璃をはめ込んでいます!
しみじみ綺麗だなぁ、と思わせる逸品でする年代的にも18世紀ということで、ガラス自体が薄手で綺麗です♪
この傍に、「海豚頭部台座付き水晶皿用収納箱」というのが出てました。
茶色の本革に金の型押しをしたものだそうですが、これだけで十分豪華な飾りモノです。

「貴石モザイク装飾箱」が二点、いずれもジョバンニ・バティスタ・フォッジーニと言う人の図案で、
ガレリア・デイ・ラヴォーリ製作、と言う事でしたが、色調などはカラバッジョ風というのかなぁ、まあイタリアなんだ、と変な納得!


W.フランス―国家の表象と宮廷文化

このへんは、アウグスト強王の関連品ばかりです。
さっきから、この名前ばかり良く見かけます・・・すげえメダルもあったし、ね(^^ゞ
で、この部屋のど真ん中に、
「アウグスト強王の騎馬隊」(フランソワ・ジラルドン周辺の作家)というブロンズ像があって、馬に乗るアウグスト強王のブロンズの、
その台座を囲むように四本の足元に騎馬兵がいるんだけど、
なんとなく、「馬に乗るアウグスト強王」に踏みつけられている気もしないではない(^_^;
「馬に乗るアウグスト強王」(ルイ・ド・シルベストル)という絵もありました。
こうしてみると、絵よりもブロンズの方が迫力あるか〜、と思います(^^ゞ
おばさんは彫刻があまり好きではない、というか理解できないのだ、というのはお友達の間では常識m(__)m

ここで、台座のデザイン画と本物の台座(「ブールの台座」)が並べて陳列してあって、
このデザイン画と本体とは別物なんですけど<
はぁ、こういうデザイン画があって、こういう風に作るのか〜、と納得(^_^;

それで、ですねぇ、ナンタッチ、ここでこのようなものにお目にかかるとは!!
ダイヤ!ダイヤ!ダイヤモンドだよ〜!!

「ローズカット・ダイヤモンド装身具一式」
a.ポーランド白鷺騎士団の勲章
b.ポーランド白鷺騎士団の星型胸章
c.剣
(9個の大粒ダイヤに770個の小粒ダイヤ)と鞘
d.肩章
(20個の大粒ダイヤと216個の小粒ダイヤ
e.帽子用ブローチと留め具
(15個の大粒ダイヤと103個の小粒ダイヤ)四点
f.靴の留具(バックル
ー豪華な32個の大粒ダイヤに72個の小粒ダイヤ)2点、靴下用留め具2点
g.ウェスト用ボタン10個、上着用ボタン10個
h.台付き大粒ダイヤモンド(おそらく1818年以後)

はい、これてで締めて何カラットあるでしょう?
分かる分けない(^_^;
一番大きいダイヤは、肩章についている一粒だけで31,518カラットだそうですからね(^_^;
「煌きのダイヤモンド―ヨーロッパの宝飾展」 「ヨーロッパジュエリーの四百年展」 「ロマノフ王朝展」
でも、ついぞ見かけぬ大きさでしたm(__)m最敬礼

「ローズカットダイヤモンド」というのは、17世紀後半のフランス宮廷で好まれたそうですが、
「カットの輝きはブリリアントカットほど強くない」と書かれてました。
でもさ〜、数が数ですよ・・・凄い眩しさ!!

どこかのカップルが展示ガラスに張り付いて離れない!!
いや、男性は離れたかったと思いますが(^^ゞ

「戴冠用裁縫師ジーモン・ルドルフ(?)」と言う人の「戴冠の祝宴のためのアウグスト強王の礼服」と言うのが有りました。
これはルイ14世などが着ているのと大して変わりないし、
昔は凄かったでしょうけど、もう、ちょっと保存状態がよくないので・・・
それより「戴冠用裁縫師」と言うのがいたんだ、というのが驚き(^_^;
まあ、王侯貴族には専属のデザイナーや裁縫師・化粧係・様々の服飾品を扱う係りがいたのは聞いてますがね
ただの裁縫師というだけでない、「戴冠用裁縫師」というのもいたのね・・・すご!!

あ、この礼服も、傍にあった飾り鞍も、どうしてここまでこんなになっちゃったんでしょ(^_^;

装飾の施された短銃が二丁!決闘用?
他にも短銃が数丁、みんな鉄の銃身に金や象嵌で装飾して、「高熱による青色加工」なんてものを施したり・・・(^_^;
宝飾剣もウソクサイ気がしますけど、装飾短銃というはもっとウソクサイですよねぇ・・・だせって、結局人殺しの道具だもの(^^ゞ

ここの最後にメダルと本です!
メダルは先程から言うように、コレクターズ・アイテムの王道品です。
片や、当時の「本」は貴重品ですよねぇ・・・・第一持ち出せないように大きくて重い!!
メダルは歴史の記念すべきショットを切り取っています。大体戦勝記念(征服・即位など)が多いのでしょうが、
「王妃マリー・テレーズのパリ到着記念メダル」なんてのがあって珍しかったですねぇ。
女王の即位記念メダルなんてのはありますが、王妃が到着した記念メダルって・・・知らないなぁ(^_^;

本のほうも「銅版画集」で、
「選帝侯公子フリードリヒ・アウグストスへの金羊毛皮騎士団章授与」なんてのがあったり、
「ドレスデン謁見の間」というのがあったり、・・・「銅版画集」として、「本」にするというのが、面白いですね(^^)


X.東アジア―驚嘆すべき別世界

さて、ここから、待ってました、の陶磁器ですが、ビックリしたのは、
手本になった日本や中国の陶磁器と、それをコピーしたマイセン・ドレスデンの陶磁器を並べて置いていた事です\(^^)/
勿論コピーの手本となった、中国・日本の品々も逸品揃いですが、
コピーした方のマイセンもドレスデンも、印象こそ違うものはありますが、これまた逸品ぞろいで、
なんら見劣りするものはありません!!
凄い技術です!!

殊に最初の中国の布袋さんを写した、と思われる
マイセンの「中国風人形(いわゆる『パゴーデ』)」というのはショックを受けるほど素晴らしいです(^^)
その他白磁の透かし彫りの小椀や急須。
マイセンの代表的絵柄とされるブルーオニオンが、清朝の乾隆帝時代の「色絵薔薇文皿」の絵柄にそっくり、
というのはへぇ〜♪の世界です(^_^;
そうそう、マイセンで有名な「スノーボール」も、同じく清朝雍正帝時代の「白磁貼花肝木文三重壷」などという手本があるのです♪

その他有田・伊万里の様々な逸品に習ったマイセンの豪華な陶磁器に溜息です(´∧`)〜ハァー

ドレスデンの家具工房は漆絵を得意としたようで、初めて知りました(^_^;
漆は学名がJAPANというくらいですが、今回は大名道具と思われる長持ちが、台座・脚をつきで展示されていました。
脚は猫脚でザクセン製の台座だそうです。
台座には、長持ちに合わせた漆絵が施されて、一見長持ちではなくなって、
西欧貴族のキャビネットと言う感じでしたね(^^)

ドイツの家具工房で作られたグランド・ファザー・クロックが素敵でした。
漆絵の絵は西洋画ですが、ちょっと色褪せてました(^_^;

Y.オランダ―作られた現実

さあ、ここがフェルメールです(^^)
「窓辺で手紙を読む若い女」

まあ、素敵、と言えば素敵です。当然チラシもチケットもこれね♪
女性像より、カーテンなどの質感がいいかも(^^)

やっぱり個人的に好きなのは、レンブラントの「ガニュメデスの誘拐」ですかねぇ・・・何度もドッカで見たような気がして、
あんまり新撰でもないけど、やっぱり遠目で見てもインパクトあるし・・・。
今回はねこの絵に至るまでのスケッチと下絵が出ていました。
それと、今回の修復(洗い)で、キャンバスの片隅に子供の母親が驚愕している絵が描かれていたことがわかった、という話。
ホーファルト・へリンクと言う画家が「赤い街灯を着たレンブラント」という絵を描いてました。
レンブラントが描いた「自画像」と似てるかな?

レンブラントのエッチングが三点?
このエッチングのところは素敵でした。


Z.ロマン主義的世界観

この辺になるともう疲れてきて、出口も見えて落ち着かなくなります(^_^;
だって、5時半閉館で、もう5時15分なんだもの・・・ドレスデン紹介VTRも見たかったし(^^ゞ

で、いいものがあったらジックリ見るんですが、ありがちな風景画で・・・
好きだったのは、カスパー・ダーヴィッド・フリードリッヒという人の
「雪中の石塚」と「エルベ渓谷の眺め」言う絵くらいですか。

アードリアン・ツィンクというひとは、ちょっと高島北海を連想したりして・・・あっ、ここは印象派か、と気が付いたり、
私っていい加減ですm(__)m

で〜、慌てて、ドレスデン紹介VTRのコーナーに走って行って、
(会場のガイドさんも、衝立を抜けていけば近回りで行けますから、急いでどうぞ、などとm(__)mありがたい)

五時半ギリチョンまで見て、東京駅でいつものカレーショップ(ここが一番早いのです!)、
開演10分前に慌しく日生へ駆け込んだのでした(^^ゞ