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1月24日(水)
「悠久の美」
――中国国家博物館名品展――

まあ、朝日新聞が鐘と太鼓で煽っているから、どんなに混んでいるのかと、戦々恐々でした(^_^;
そしたら、何のことはない・・・まあ、ゆったり、とまではいいませんが、
かなりゆったり見られました♪
でー、予想していたよりは、出品物も今までと比較してたいした事はなくてm(__)m
いや、いいんですよ!どれをとっても(^_^;
でもさー、今までかなりの物が来てますから・・・それに比べて遜色ない、といえば遜色ないけど、
それより以上でも以下でもない!というところかな(^_^;

年代別に分けて展示されていましたが点数も少ない(61点)ですね。

新石器時代 前一万年頃〜前2000年頃
入り口近くの第一番の展示品は、
紀元前4500〜紀元前4000年頃の「彩陶瓶(さいとうへい)」でしたが、あーそう!くらい。次の
紀元前3100〜紀元前2800年頃の「彩陶罐(さいとうかん)」は素敵でした!
いやぁ・・・これは綺麗よー♪ホントに紀元前3100年か?!という感じでした。

二里頭文化・商時代 前19世紀頃〜前11世紀
ここは何があったか・・・記憶にないナァ(^_^;

西周・春秋・戦国時代 前11世紀〜前3世紀
「玉[王黄]ぎょくこう」(戦国時代 前4〜前3世紀)というのは、王様の胸飾りですが、綺麗でしたよ♪

秦・漢時代  前3世紀〜後3世紀
兵馬俑も等身大(より大きい)のが一体と
4〜50センチの「騎兵俑」が3体、「歩兵俑」が10体出てました。
いつもの「金縷玉衣」(前漢時代・前1世紀)があって、もうみんな振り向きもしない感じです。
あの中国国宝展の時の、みんなが囲んでナカナカ見られなかったのを思い出すとおかしい(^_^;

ここは「陶船」(後漢時代 2〜3世紀)がよかつたです。
全部で五人だったかな・・・小さな素朴な人形が乗っていて、ちょつとお仕事している雰囲気でした♪

そうそう「説教俑(せっきょうよう)」(後漢時代 2世紀)という赤土の人物像が出てました。
これはかなり表情豊かな芸人の所作を現代的なタッチで彫刻されています。

西南中国のてん文化 前3世紀〜前1世紀
ここは金印ですかね・・・「[シ眞]王てんおう之金印」(前漢時代前100年頃)だそうです。
例の志賀島の金印と同じ握りが「蛇」なのだそうです。
本当に一番位の高い握りは「亀」なのだそうてずが、
あの志賀島の金印は、金印という最高位の印なのに、
しかも、「漢倭奴国王」と彫られているわりには、その握りが蛇なので本当に、後漢から送られたものか?
という疑問が出ている、と何かで読んでいますが。
これもまた「蛇」だとすると、たとえ金印でも最高位でないものには「蛇」ということもありじゃないんですかね(^^ゞ


三国−五代 3世紀〜10世紀
「黒釉三彩馬」(唐時代・7〜8世紀)・・・三彩というと唐三彩と考えてしまいますが、黒釉三彩というのもあるのですね。
いつか、出光のギャラリートークで聞いたのに、見るまで忘れてました(^_^;

まあ・・・こんなところですかね・・・わざわざ行かなくてよかつた(^^)

それより、ですね・・・今、国博は新年の第一発ということで
「新春企画 博物館に初もうで 」と題して、
常設展がかなり充実しているというか、
はつきり言って、
大盤振る舞い状態です(*^-^*)

本館
観る方も承知していて、今までに無く本館が混んでました(^_^;
あのだだっ広〜い本館にあんなに人気(ひとけ)を感じたのは初めてです(^_^;
どこに行っても、ワンサカというわけではないですが、あれぇ!ここにもいる、あそこにもいる、と言うくらい!
ガラスに張り付いて見られないこともありましたから(^_^;

長谷川等伯の「松竹図屏風」も出ているし、
「催馬楽抄」・「浜松図屏風」なんて初見参もあったし、
池大雅の 「楼閣山水図屏風(ろうかくさんすいずびょうぶ)」 も出てました(^^)v

特集陳列では舞楽装束も見られました♪
能装束はこの頃あちこちで展示されるのでけっこう見る機会もあるし、まずナマのお能がみられるので、
第一今日もこの後お能を観に行ったのです♪
でも、舞楽はまだ一度も見たことないし、舞楽装束をマジマジと見たのも今日今回が初めてでした!!
いやぁ♪豪華\(^^)/の一語ですね。
お能や歌舞伎とは違った豪華さがあります。
これは何時頃の製作かわからないけれど、布(勿論絹でしょう)も刺繍も豪華で緻密です。

松竹図屏風は、前回は、だだっ広い展示室にただ一点だけ、悠々と展示されていて、
観覧者も私ひとりだけで凄くゆっくり見られたのですが、今日は、↑で言うようにけっこう込んでましたから、
ちょっと不満(^_^;
でも、やはり、凄いよネェ・・・あの迫力と寂寞感は・・・何というか・・・ムム(^_^;

本館一階の日本画コーナーでは
菱田春草の「微笑」をはじめ、横山大観・下村観山なんて大御所が展示されています。
大観の「雲中富士」なんて白雲だらけの屏風に富士がくっきりと浮かび上がっていて、これはちょつと唸った!
下村観山は、(大観も、誰だってそうですが)、この人は特に良い時、とあまりなぁ、と思う時の落差が激しいんだけど
この「修羅道絵巻」は傑作ですよね!!
でー、浅井忠の「高野コレクション」が出てました。
グレーという町で描かれた数点です。
浅井の人物画の傑作と言う「婦人像」がありましたが、私は「グレーの秋」というのが好きでした(^^)
そしたら、ナント、
只今4時30分です。閉館の五時までごゆっくり御覧下さい」だったかな・・・そういう放送が入っちゃって!!
でー、焦りまくって今日こそは行きたい東洋館!

何しろ新しくなってから、一度も覗いてないのです(^_^;
一階の入り口のトコでミュージアムショップとトイレだけ・・・いつも本館でストップしてしまって、
時間切れになってしまうのです(^_^;
なので、今日は意識的に本館も素通りに近い所もあったりして惜しかったのですが(^_^;


東洋館

東洋館は古い時も一回しか行ってませんが、その時、
私の好きな時代(4〜5世紀)のインド・パキスタン・アフガニスタン系の仏様が充実していて感激したのを覚えています。
だから、もう絶対行きたいと思ってました(^^)v

今度も、一階に、その4〜5世紀あたりの仏像や浮彫りが大変豪華に充実していて、こっちの方がいいな〜(^^)
それと、東南アジアの陶磁器が展示されていました。
インドシナ半島のクメール、タイ、ベトナムで作られた陶磁器だそうです。
日本的な染付けもありましたが、やはり、あ〜AsianTasteと言う感じのも多いです。当然か(^_^;

二階では「特集陳列 抵抗と恭順−明末清初の書人たち−」と銘打つた書道展が、
台東区立書道博物館 との連携企画、ということで開催されています。
これは、
異民族(満州族)に覇権を奪われた漢民族の明の遺臣や烈士たちが、
明末清初の時期、満州族の清朝に抵抗するか恭順(きょうじゅん)するか、
苦渋の選択を強いられたによる心中の発露というべき作品のようです。
まあ日本で言えば、江戸末期明治維新の徳川の遺臣たちと明治政府との葛藤というところなのでしょう。
でも、日本ではそこまでの葛藤にはならなかったですよねぇ。
それがまあ「日本は単一民族だから」というあやふやに論理になっていくのでしょう。

そうだ!唐三彩の凄いコレクションがあったんだ!!
「悠久の美」より断然凄いの!!
いやぁ・・・これ見るだけで千円分くらいの価値ありますよ\(^^)/
いや、どうせ、私はパスポートだから無料ですが〜(^^)
そういえば、「源氏」の臨席のオバサマがおっしゃってます。
「特別展なんて混んでるときはいきませんよ。
常設展で国宝や重文がたくさん出てるでしょう。本館はすいてるし、ゆったりみられますよ」
とおっしゃってましたけどホントです♪
いやぁ・・・今日の本館は混んでましたけど、東洋館はガラガラで、
しかも、こんな素晴らしいコレクションを独り占めです(^_-)-☆

三階は、「北東アジアの考古遺物 」「朝鮮の考古・金工」という展示ですが、
これもなかなかミデがあります(^^)
「青銅器時代から朝鮮時代までの朝鮮半島の考古・金工を紹介します。」とありますが、
印章なども大変数多く展示されていて、これは貴重な体験でした。
「特に青銅器時代〜三国時代の支配者の権威を示す」というのは、これをさすのかな。
「さまざまな金工品を展示します」というのは、まあ様々色々・・・この辺になると、もう後何分、という感じで、
駆け足・・・でも疲れて足が上がらない!!
とにかく、階段駆け下りてトイレに行って、正門出ると五時過ぎてましたm(__)m


表慶館
東洋館の時間が押せ押せになったひとつの原因は、国博第一歩で表慶館に入っちゃったことです(^^ゞ
2005年から、老朽化の爲と耐震リフォームのためかな・・・、で去年の秋に完成してリニューアルオープン中♪

2003年12月4日のダイヤモンド展の時にも書いたのですが、

表慶館というのは、明治33年(1900)に国立博物館の中に建てられた、
大正天皇のご成婚の記念館です。
「設計は宮内省技師の片山東熊で、古代ギリシア・ローマ建築を範とした」そうです。
ドーム型の青い屋根がちょっと見で「ニコライ堂」を思わせて、推理小説のトリックに使われたこともあります。
建物内部に入って天井を見上げると、そのドームの天井まで高く三層分の吹き抜けになっていて、
てっぺんに装飾ガラスがはめ込んであります・・・当然ステンドグラスなんでしょうね(^_^;
そして、その吹き抜けを取り巻くように一部がモザイクタイルを敷いた石の回廊と表側・裏側に分かれた展示室があります。
建物だけでも豪華です(^^ゞ

表慶館の入り口の両側には三越のライオンみたいな獅子像が狛犬のように置かれていまして、
その階段を上がっていくと、独特の入り口があります。
まあ、アール・デコというわけではないですが、それに近い雰囲気です。

明治の竣工当時の内装が一部リフォームされていた、ということも今回のリフォームでわかったりしたようです。
今回は何も展示されていなくて、ただただ裸の表慶館を見る、ということでしたが、
天井や建具の尋常でない高さが時代を感じさせます。
是非一度はお尋ねください(*^-^*)