9月22日(金)

19日に中国文明展行って来ました!

いやぁ、展示物はBC.三世紀前後(つまり始皇帝の全国統一前後)からのものが圧倒的に多くて、
他の文明展に比較すると新しいものが多いのですが、それでもその緻密・雄大・豪奢なことには感動!

まず、開館前から並んだのは初めての体験で、これがけっこう並んでいたのでびっくり(^^;
私は、どちらかというとさっさか回ってしまう方なので、
ご一緒したS夫人に、さっさと回りますから、ミュージアムショップで一時間後に待ち合わせ、
ということにして頂いて回り始めたら、ナント、ナントS夫人の早いこと、私所の話ではありませんよ!?
30分後の回廊の移動中にもう、下のロビーで座っているS夫人発見!!
でも、私としても、見たいものは見たい人なので、しっかり見て、良かったところはもう一度行って、
常設展も覗いてお約束の5分前にS夫人のところに。

いやぁ、驚いた!
彼女は中国文明はあまり興味がなかったか、と心配していたのですが、
ナンノ、ナンノ、凄い瞬間的に理解してチャッチャッと回ってしまったみたい(^^;
只今ドラゴンに夢中の彼女としては大枚6000円のブローチまでゲットしているのですよ・・・
しかも見てきたお気に入りはなかなかの逸品ばかり!
見るべきところはちゃんと見ているの(^^;

一番古いものは、今から7000〜8000年前に作られたという骨笛で、これは姿的にとても美しくて、
是非音色を聞いてみたいと思いましたが、毎回展示場で、というのは無理でしょうが、
せめてテープ演奏でもよいのできかせてくれればよかったのに、と思いましたね。

彩陶などはメソポタミアやインダスに共通する色彩・模様もありで、お互いに何等かの繋がりがあった様子が伺えました。
玉を使った彫刻はここだけかしら?
一般に玉が多用されていたのが印象に残りました。
そうそう、長年古代はこれを貨幣にしていた、と信じて疑わなかった大きなたまが、
「富を象徴する玉壁」だと知って、唖然ボー然!!
でも、わたしだけじやなく、かのS夫人も貨幣だと思いこんでいらしたそうで、ビックリよね、とのことでした。

青銅器はやっぱり大変なものです。
私としては、今のあの緑青で鈍い輝きのある色彩も貫禄があっていい、と思うけれど、
たまさか、当時の金彩が残っているものを見ると、そこはそれ圧倒されます。

始皇帝の兵馬俑はいはずもがな。
すこし時代がくだると重臣クラスの副葬品にもそれなりの兵馬俑が出てきてこれまた素晴らしい!!
剣には薄くクローム鍍金が施されて錆止めになっているし、
漆塗りの化粧箱は今のお重のような感じでこのまま、現代の工芸展にもって行っても賞がとれそう。

テン王之印というのは例の志賀の島の金印を髣髴させますが握りはこれも蛇でした。
志賀の島の金印は握りが当時の最高印の「亀の握り」じゃないと言うことが問題らしいけれど、
結局周辺の部族長並に扱われていたから、
「蛇紐(だちゅう)の印」が「下賜」されたということじゃないのかしら、ね?

ランチは横浜美術館の附属施設のレストランで。
雰囲気はまぁまぁだけれと、高い!!
スープは本格的なものがつくけれど、後アントレがすぐ出て、サラダなし。後パンとコーヒーで1800円!!
世田谷美術館のランチは安くて美味しくて雰囲気最高で涙物だつたけれど、
あそこまで、とはいわないけれど、もう少し考えてもいいのでは!?
おまけに、S夫人が食べた中国文明展特別メニューなんて2500円ですぞ!
一応、こちらにはオードブルとデザートがつくけれど、大した感じはしなかつたなぁ・・・
彼女もとくに美味しいとは言ってなかったし、ランドマークで食べた方がよかったかも(^^;

そのあと、神奈川県立歴史博物館の鎌倉彫り展に。
私は結婚前に洋服作ってもらっていた方が住んでいた本町辺りのはずで、通いなれた道だつたのに、
もう全然わからないの!?イヤになったよぉ〜!!!
博物館の建物は例のレトロなやつで、私はてっきりこれが、キングとかクィーンだと思っていたら、
(開港記念館がジャックということだけはなぜか知っている!!)
これは国の重要文化財指定の旧正金銀行で、キングは県庁・クィーンは税関だそうです。
鎌倉彫りもレトロで良かったけれど、地味だしね。

本日の白眉は最終地そごうのラリック展!!
いやぁ、豪華・繊細・精密・洗練!!
どれをとっても超・超一流の大宝飾展でした!!
もう、さすがに疲れて、目もくらみ足もフラフラだったけれど、
これを見落としたら末代までの不覚!とがんばった!!

さすがに、そのままは帰れず館内の甘味処へ。
私はお昼のケーキ(ランチに追加した!)が祟ってちと胸焼けギミ!
S夫人の方はあのランチは物足りなかったらしくおなかすいたわ、と珍しく弱音を吐く!?

それが、こんな甘味処に来てスパスパタバコ吸っているおじさんがいて、ま、感じ悪い!と思って、
だんなの話にして、えんえん肺がんの話しをしつづけて差し上げた!!
私の声は静かに押さえ気味に話すとすごく響くのだそうで、あとでS夫人に伺うと
だいぶこちらを気にしていたとのこと、これで禁煙が出来れば、
あのおじさんの奥様から感謝状でも頂きたいです。

ああ、疲れたけど楽しい一日でした(^.^)



9月15日(金)

メソポタミア展に行ってきました(^.^)

すいているそうだけど、雨模様の中、こんな日はよりすいてて静かでいいだろう、
と思いの他の大混雑でした(^^;

大体が、電車乗り違えたりして、(慌てて急行に乗ってしまった!)
現地についたのが、もう12時10分前で、
こりゃレストランに先に行かなくちゃ、と食事優先で行ったからですけど(^^;
いやいや、噂にたがわず、素敵に素晴らしいレストラン!
一面緑のお庭に面して、彫刻なども置いてあるんだけれど、その石膚が雨に濡れて光ってるの
はとても素敵でした。
おまけにメニューも豊富で高いものもあるけれどランチは1200円から1700円・2100円と三種類あるし。
アホねーちゃんは1700円の、私は1200円のランチを食べてみて感激・感動!!
スープ・サラダ・パン・コーヒー、アントレによつて値段が違うわけで、
2100円のはステーキ、1700円が魚、1200円は「今日の特別ランチ」というわけらしいけれど、
いやいや、これはなみだものですぞ!!
これが、あちこちに取り上げられる理由ですね(^.^)

ランチを終えて外に出たら、えんえん長蛇の列!
この渡り廊下の椅子はランチ待つ人用と判明!?

さて本題のメソポタミア展!!
もう、これはなんといってもハンムラビ法典につきます!!
やはり、その存在感は生半ではありません。
でも、条文の訳が出ている掲示板を見てアホネーチャンとわらっちゃつた!
曰く「夫をほったらかして外を遊び歩いている妻は水に投げ入れて構わない」ですと(^^;
いや、これは困った!!

私が、見たい見たいと思っていた彩色レンガの「歩行するライオン」は考えていた以上に大きくて立派!
これはBC.580年頃の作品ですからそう古くはないけれど(といっても2600年くらい前よ!)
色彩の退色が無いし形姿も損なわれていないので本当に美しい!という感じです。

美しいと言えば、各種装飾品!
いまでも十分美しいし、且つ宝飾品として通るものが多かったように思います。
エジプトは豪華&ダイナミック・インダスは洗練&繊細、メソポタミアは意外に現代的でシックです。

後・アホネーチャンは円筒印章に感動していました。
これでエジプト展もインダス展も行きたい、となったんだから大変なものです(^^;
我が家もついにここで全4冊のカタログセット注文9300円なり、送料900円、嬉しいけどヤレヤレ(^^;

「アフロディテイーになった女神イシュタル」というのは思ったよりチヤッチイ感じでまぁまあ。
いずれにしても、これみなルーブルのお引越し展覧会というのは・・・ねぇ!?



9月13日(水)
 
明日書くはずの玉三郎の舞踊会のお話が・・・

いやいや、良かったです!!
綺麗だったわよぉ〜!
「玉三郎の功罪」というのに、歌舞伎役者が綺麗なものだという観念を一般人に植え付けてしまった!
というのがありました。
そりゃ、綺麗でなくてもいい役者というのはいるけれど、
やはり主役張ろうっていうくらいの役者は「見てなんぼ」「見せてなんぼ」ですよ!!

というわけで「雪」
これはあまりにも有名な武原はんさんの舞姿のイメージが強いですからして、超、超心配だったのですよ。
美しさでは負けなくとも、やはり「おはんさん」とじゃまだまだ技量に差があるではないですか!?
モチロン玉三郎が「板に乗せる」んだから、それなりの自信があってのこととは思っていたんだけれど。
それに、今回のプログラム上でも後の二つはもう手に入った演目で、どう考えても
今回の目玉は「雪」でしたから。

でも、観客の開演前のさんざめきがすっとひいて、緞帳が上がって、玉三郎の後姿が現れるや、
全ては杞憂だと思い知ったというか、すべてを忘れて、「雪」の世界に没入しましたね。

いやぁ、後姿の美しさ!
傘の柄から脚の線、着物の裾の流れる曲線まで一気に芯がピンと張っているようで
美しさと緊張感とが凄い舞台から客席に流れ込んでくるのです。
まだ、全曲が流れるように、というまでにはいかないけれど、
ひとつひとつの舞姿はおはんさんにも負けてない。
しかも玉三郎の世界になっているのです。これが凄い!
どうしてもおはんさんほどの強烈な手本があると、それを真似るだけで汲々としてしまうのに
「玉三郎は玉三郎でございます」とにっこり笑うようなあでやかさをきちんと残している。
それが玉三郎の「雪」の世界を構築しているのです。

二番目の「阿古屋琴責」は、もう国立でも松竹座・歌舞伎座でも演じて絶賛された演目。
もっとも、今舞台でこれを演じられるのは玉三郎しかいないわけで、
ま、福助が猛特訓しているだろうけれど、それを舞台に乗せられるかどうかは別の話しでね。
なんたって琴・三味線・胡弓全てが観客に納得できる程度までは弾きこなさなくてはならないから大変。
歌右衛門が女帝でいられたのも自分しかできない、というプライドがあったからだし、
第一あのオールマイテイの鳫次郎でさえやってないんですから。
さすがに、玉三郎嫌いの母も「もう立女形だね、誰も文句はつけられないねぇ」とノタマフ!
ホホホ(^^;

さてさて「藤娘」
これはもう、十八番中の十八番で、なんといおうか、アンコールを先に出したようなもので、
玉三郎の魅力のエスプリとでもいおうか、といつたところです。
ただし藤「娘」には見えなくて、やはり、これ踊るみんながそうなのだけれど、
この舞踊自体が「おぼこ」振りじゃないのだけれど、
 ういういしさより「女盛り」の所作事ですよね。
でもとにかく綺麗で、「雪」と「阿古や」で見せたストイック振りからは想像出きない
可愛さとコケティッシュな魅力に溢れていました。
これも古来からの「藤娘」を求める人達には文句があるところだろうけれど、
これは立派に「玉三郎の藤娘」として構築された作品です!
それと、このセットがよかった!!
劇場の大きさに合わせたらああいうセット組むしかなかったのかもしれないけれど、
それにしても、シンプルで豪華、両面併せ持ったいいセットです。
美術・座間芳松となつている。どんな人なのでしょう??
地方さんたちの衣装も上は普通の紋付だけど、袴は藤色で揃えて統一感があったし、
各所に「玉三郎の目」が光っていて OH!GOOD!

カーテンコール張りの御挨拶があって、一言もしゃべらずに、
それも凄い貫禄と愛敬があって、今ああいう挨拶ができるのは玉三郎くらいでしょう。
(昔、鴈次郎がすごい貫禄たっぷりの無言の挨拶を見せて感動したけどあれ以上でしたよ)
というわけで、満足満足大満足の日でした(^.^)



9月9日(土)

重陽の節句でござます。
本来なら、だんな様に菊枕でもお作り致すところなれど、うちの庭には菊がない!
――つて、そういう話では御座いません(^^;

で〜、木曜日、エジプト展行ってきましたぁ(^.^)
Hさんの言うとおり、朝一で行って、正解というところでしょうか。
そうそう、お天気も悪くて、これはRさんがお天気が悪いとすいているというから「雨乞いをしたい!」とおっしゃってましたし・・・(^^;

ということで、9時40分頃上野駅に到着、会場は50分頃でしょうか。
もう、駅のところから行く人の列!わかるのよ!この人はエジプト展だろうって!
ま、中には西洋美術館のフェルメールに吸い込まれてしまう人達もいますけど、
後、インダス文明展ね。

で、会場のエスカレーター、ドキドキしながら乗っていたら後ろのほうから聞こえる会話!
「あ〜ら、今日はすいてるみたい」「えっ!これでぇ〜!?」
「そうよ、こないだなんて、もう凄かったものぉ〜」と、二人連れの奥様の会話。
フムフム、なるほど、片方はリピーターの方で、こういうとこ慣れてる人ね。
片方の方はここも初めてだし、あまり出歩かない人かな・・・というわけで

まぁ、すいているとは言えないけれど、けっこう傍でじっくり見られたし、
一時間半で二回りできたんだから優秀、優秀!!

インダス文明展に較べればダイナミックなものが多くて、見栄えもインパクトもあるけれど、
そのぶん洗練された雰囲気はあまりしないですね。
でも、インダス文明展があんなに淒い映像処理を見せたのは、やはり、こういうダイナミックな展示が
少ないからだと納得。

今で言う「家族の記念写真」的な家族像がしっかり残っていて、TVで感じていたとおり、
エジプト人はかなりのマイホーム主義ということがわかります(^.^)
そうそう、3人で並んでいるような像が、同一人物を三体横に並べて彫ったものだとわかりましたが、
どう言う意味でこういう彫り方をしたのか不明、とあって、
ええっ?過去・現在・未来じゃないの?と突っ込みたい気分。

大物としてはカフラー王やネフェルテティの坐像、ブスセンネス1世の黄金マスク、アクエクアテン王の立像頭部、などなどたくさんあったし、
興味深く眺めたのは、王家の人々を始め、いろいろな家族のいろいろな場面を彫刻したレリーフで当時の家族の様子がわかって楽しかったですね。

珍しい女性の単独像があったり、装飾品も凄くきれいな、
全く今、叶姉妹(!?)がつけてもおかしくないような豪華風でそれなりにおもしろいけれど、
あ、後スフィンクスも小さ目のを持ってきてあって、はぁ〜これがスフィンクスかぁ、とか
ミニミニピラミッドのピラミディオンなんて可愛かったし、
そりゃいろいろあったけれど、
昨年の大英博物館展を思えば、やはりちょつと下がるかな?と思ってしまいます。
そりゃ、散逸もさせずに、あれだけの保存状態を保っているのはイギリスの力だろうけれど、
やはり、大英帝国は何等かの責任を感じるべきだと思いました。

もう、朝は早かったし、気合入れてみたし、で疲れて、一休みしようか、どっこいしょと座ったら、
立てなくなって、というよりうつらうつら。
(頭が後ろにガクンガクンと落ちるのがわかったけど)
気がついたら40分も経っていた(^^;

少し元気が出たので、立ち上がって、一階の縄文展に。
いやぁ、これも予想以上に良かったです。
日本の縄文時代から鎌倉時代までの土器・はにわ・銅鏡などを集めてあるのでずか、国宝も何点か。
とくに土師器・須恵器はよくわからないので(今もわからないけど)
興味深く見られました。

東洋館!
国立博物館というのはとんでもないところだ!とまたまた実感!
ホントに凄い!
確かに国の宝物庫ですよ、淒い!としかいいようがない。
もう、時間゛も泣くなってすーすー通り過ぎただけですが、
ガンダーラの仏様、唐三彩を始め、東洋(アジア)の宝物がいっぱいです。
ほんとに本館と併せて、また来なくちゃ、と確信!!

で、午後は玉三郎の舞踊会なのですが、長くなったので後はまた明日書きます(^^ゞ