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4月30日(月)
思いついたこと
こないだが疑問集だったけど、今回は、ちょっと思いついた、というか、前から感じていたことね(^^)
「源氏物語」ってさ、敗者の物語なんだと思うのですよ〜。
藤井貞和先生の本だったかな・・・後で調べますけど・・・。大分以前に読んだので(^_^;
こんなに「死が溢れている物語」はない、という文があったんですネェ。
でー、「まず、冒頭から桐壺の更衣の死で始まる」というわけですよ。
あ、今「」でくくったのは便宜上です。
後で、ちゃんとした文とホントに、藤井先生だったか調べますから・・・これも筆者の心覚えだと思ってください。
でー、その時、
はぁ〜ん、「死が溢れている物語」というよりは、こりゃあ、敗者の物語だよ、と思ったのさ(^_^;
まず、藤井先生(もう断定的に藤井先生になってますが)の仰るとおり、初っ端から桐壺の更衣は死んでしまう。
ある意味で後宮戦争での敗死ですよね。
当然、桐壺帝も、最愛の人を死なせてしまって、敗れたと言っていい。
勝者のはずの弘徽殿大后は、恋の敗者であるわけです。
葵上も恋の敗者でもあり、人生そのものも敗者でしょう。
六条御息所も立派な敗者ですよね。
源氏はついに臣下にされてしまう、帝位に届かない、と言う意味で敗者だし、
朱雀院は、恋の敗者でもあり、娘を幸せに出来なかったことで、父親としてもついに敗者になつてしまう。
紫上は一応恋の勝者となったかに思えるが、若菜以降、人生の敗者であることが色濃く現れる。
柏木・女三宮は恋の勝者であったけれど、現世に生きることを否定せざるをえなくなり人生の敗者となる。
冷泉帝は自分の皇統を遺す事ができなかったと言う意味で敗者だし、
玉鬘は、巧く世渡りしているようで、やはり思う人と添えなかった、と言う意味では敗者だし、
頭中将は、源氏のライバルとして後塵を被るばかりで立派に敗者だわ。
雲居雁は勝者だったのに逆転敗者になるし、
その原因となった落葉宮は、最初から最後まで敗者ですよね。
「宇治十帖」でいえば、
薫は当然敗者だけど、匂宮だって、浮舟を亡くしたことに変わりなく、
又、あの人の人生そのものが虚無の中にあるような気がするんだけど・・・(^_^;
人に羨まれながら、人生の辛酸をなめている中君は当然敗者だし、
死のうとして死ねず、出家しても悟れない浮舟は何おか況や。
そうやって、カウントしていくと、勝者というのは藤壺と明石くらいなんですよ(^^ゞ
まあ、冷泉帝は皇統を断たれて敗者になるけど、一応、息子を帝位に就けた、というのは勝者でしょぅ。
しかも、密事を秘密のままに隠しおおせたことは、やつぱりあんたの勝ちよ!ねって所ですよね。
片や、明石御方。
こっちはこつちで、まあ、女としての幸せ云々はともかく、
源氏の物語は「明石一族の王権奪取物語」と言われるほどになっているんだから、これは勝者でしょう。
そうそう、ある意味で大君は勝者なのかも知れませんよね。
薫との純愛(だと本人は信じてる!)を貫いて、お先に失礼、とばかり、死んでいけるし、
しかもそのあと愛する人の心に残り続けるし・・・。
こうやって見ると、勝者って、みんな嫌な奴に描かれているような気がする!
ってのは、どうせ私だけなんだろうけどさ(^^ゞ
紫式部は、本当に敗者の物語として人物設定して書いて行ったのだろうか?
だととしたら、こういう風に設定した紫式部って、どんな人なんだ?
やっはり、一筋縄で行かない、嫌なオバハンだったんだろうけど、ねぇ・・・(^_^;
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