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2011年

06月27日(月)


近藤富枝著 「紫式部の恋」

近藤富枝さんが著書ですが
紫式部の初恋の人として具平親王の名が上がってました!!!
でー、もしかしてご落胤を産んだのじゃないか〜?なんて匂わせることも!!
ひぇーっ!ホント?!
まあ、式部の候名からたぶん爲時が式部丞の時に具平親王の所に仕えていたんだろうな、とか、
だふんその当時に色模様があったんだろうな、
なんて考えてはいましたが、こうもズバリと具平親王!と書かれているとビックリでした(^_^;

うちの源氏の先生にも、チョコっと、
「近藤富枝さんが紫式部の初恋の人として具平親王の名を挙げていらっしゃいましたが」と伺ったら、
「ちょっと身分が違いすぎて話になりませんね。でも、おもしろかったでしょう」と、ニコニコ(^_^;
全く問題にされて無いみたいでした(^_^;

でも、私もこれは、ちょっと無理じゃね?!とは思いますねぇ・・・(^_^;
勿論、憧れはあったと思いますよ!それは絶対!!
だからと言って・・・具平親王ねぇ・・・ちょっと高足駄はいてみても・・・んー、考えちゃうナァ(^_^;
親王が家司の娘に手を出すかなぁ・・・勿論召人ってのは、そのクラスの女性なんだけど(^_^;
夕霧が惟光の娘を愛人?にしますけど、ちょっと、それとは違うんじゃないかな(^_^;
まあ、具平親王が雑仕女に子供を生ませた、という事実はあったらしいので、
まんざら、紫式部が範疇に入らない、ってことは無いだろうけどね(^^ゞ

それと、これはこの本で初めて知ったのですが、
具平親王の母荘子女御の母(つまり、具平親王祖母)と為頼・爲時兄弟の母は、
二人とも右大臣定方の娘!
へぇー!と思ってウイキに行ったら、ホントだ(^_^;

まあ、紫式部の曽祖父は例の堤中納言藤原兼輔ってのは有名で、
でー、その奥方は↑右大臣定方の娘、
そのまた娘で更衣になって親王生んでる女性もいます、って言ってもネェ・・・。
それから二代隔ててるわけで・・・難しいですよ!!
まあ、当時のことだから、内内で一度や二度手が付いてってこともあるか・・・(^_^;

ついでに、
阿刀田高氏が「源氏物語を知っていますか」という題で
「小説新潮」で四月号から書いていらっしゃいます。
これけっこう面白いですv(^^)
毎号3〜4巻分くらいまとめて書いてあるので一年で終わる予定なのだと思いますが、
大事な所を落とさずに良く纏まっているし、 この先楽しみで、本に纏まったら買うつもりです!!
気楽〜に、それでいてシッカリと!Mori源氏のような感じです(^^)



そういえば、先日、
某カルチャースクールの半期に一度の「源氏物語」の一般公開講座がありました。
講師はうちの源氏の先生です。


「源氏物語の作者と読者」と言うテーマでした。

源氏物語の構成、と言う風によく言われるけれど、最初から構成を立てて書かれたものではありません。

当時は作者と言っても、どういう読者にあてて書かれたか、まあ第一の読者としては彰子中宮でしょうが、
彰子中宮は紫式部より14歳くらい年下です。
当時は二十歳くらい、その人に対して書いたものとしては相当な全力投球をしている。
彰子中宮のその上に一条天皇がいる。
一条天皇が天皇付きの女房に読ませている。
それだけでなく、宮廷の煩い女房たち、知性も教養もあって意地悪い人たちですね。
左衛門内侍などという、紫式部に日本紀御局などと意地の悪い仇名をつけた女性たち。
寛弘六年敦成親王の五十日の祝いの席で「このわたりに若紫やそぶらう」と声をかけてきたのは、
藤原公任という、当時の最先端の知性を持った高級官僚です。そういう人たちも読んでいる。
これは作者として必死になって頑張らなければなせない。

書くための筆・紙・墨、女房勤めをしながら書くための時間など考えられない。
そういう勤め方を認めてくれる主人、つまりパトロンが必要です。
そういうことを考えれば、とても最初から五十四巻の構成を考えて書き出す、などということは出来ません。

また書かれた順序についても色々の説があります。
例えば桐壺後記説というのがあり、紫上系という巻々が先に書かれ、
そのあとに玉蔓系が書かれたという説があります。
源氏物語の構造というのは論じられるけれど、構成、ということは言えませんね。


という風なこと仰ったのですね。

それで、その最後の質問を受けるという時間に、
いつものメンバーとは違った新しい方がけっこう多くて、だいぶ、先生に食い下がっていらっしゃいました。
それは、勿論公開講座ですから、質問が多いのはそれでよいと思うのですよ♪
私もよく、昔質問させていただいたものでm(__)m

ただ、その方たちの食い下がり方が半端じゃなくて、
あとで、お茶の時伺ったら、どうやら、新顔の方たちとは、どこかの学校の先生たちだったそうです。
その受講に来た先生が、
「先ほど、先生は最初から全体の構成を考えて書かれたものでない、と仰いましたが、
私はそういう風には考えていません」
てな風に仰って、俄然食い下がってきたのでした(^_^;
その先生は、源氏物語は紫式部が最初からきっちり構成を立てて書かれた、という説なのだそうです。

まあ、どうお考えでもいいと思うのですが、
円地文子さんも、私はどの順番で書かれたとしてもそんなことは無関係に、
一ファンとして今ある順番で楽しんでいる!と仰っていたし(「源氏物語私見」)、
それに倣って、私なども源氏物語を読む時は、今の順番で楽しんでるわけですし(^^)
而して後、あーでもない、こうでもない、と考えるのが楽しいわけで
みんな考えるのは自由ですよね(^^)

源氏物語だけでなく、村上春樹も夏目漱石も同じでしょ(^^ゞ


でも、教える立場の人が自分の考えだけを、押し付けるのはどうかな?と思ってしまいました(^^ゞ
それに、こういう公開講座での質問コーナーで、
質問でなく自説を陳述するのはマナー違反じゃないか?と思いました。

大体、小説とか、文学・芸術なんて、受け取る方のキャパ次第!という所ありますからね(^_^;
俳句も短歌も、詠み手も詠み手!読み手も読み手!!というところですから(^^ゞ

ついでに、大野晋先生の「源氏物語」(岩波現代文庫)にも、
中野先生と同じようなことが書いてありました。
でも、こういう風に考えるのは少数意見だ、というようなことも書かれていたと思います。
今は秋山虔氏などが賛成しているのでそうでも無いかもしれないが、ということでしたが・・・
(はっきりしないのは、大野先生と丸谷才一氏の対談形式の共著の中の言葉と混同しているかも、です)。


後、その方たちの質問としては、・・・って、その方たち(男女二人)しか質問しなかったもので(^_^;

@「源氏物語」で出家した女性たちはみんな不倫した女たちで、出家しなかったのは不倫しなかった女性たちですね、
と言う確認みたいな感じでおっしゃったり。
これは藤井貞和先生とか寂聴さんも、近藤富枝さんも、みなさん仰ってますよね。
今、流行なんでしょうかねえ(^_^;

うちの先生も、以前そういう仰り方もしていらしたことが会ったと思うのですが、
この日は、
「特に不倫したからとか、そういうことはありません。
当時の女性にとっては出家するということはとても大事な理想的なことだったのです。
女性は仏教の救いの外に置かれていましたからね。
それと、やはり源氏に棄てられたことで出家をしたということもあるでしょう」という感じでした・・・。

ちょっと、ここは引っかかったのですよー!
当時の貴族の女性は大体最後は出家しますから、
その時したか、しなかったかというのは、守るものの違いで、
出家をしたり、出家をしなかったり(できなかったり)ということだったのではないかと思うのですが・・・。
まあ、自分の作品の中での取り扱い、として不倫をした女性には作品中に出家させたんだ、
といえばそうなのかもしれないけれど・・・どうかな?

その他
A「源氏物語」の中での「葵上」は冷たい女性として描かれているが実際はどうだ、とか、
これは、うちの先生としては、
「当時、妃がねと育てられ、一の皇子にも入内させたい、と乞われていた第一の女性ですから、
プライドが高いのは当然です。
巧く行かなかったと言っても、源氏は夕霧を生んでくれたことを大変感謝しています」
というのが持論です、からね(^_^;

私としては、それはそうだけど、
それと、今のご時世で女性が高学歴化してプライド高くなっているから、
葵上の気持ちに理解を示す女性が多いから、そういうことになっただろうけど、
当時の作者としては、
葵上と弘徽殿の大后については、ちょっと複雑な思いで書いてる、と思うんですけどね(^_^;

B「源氏」は本当にもてたのか、とか
まあ、これは源氏は狂言回しだと言う方もいらっしゃるし、
折口先生も、元々は「女源氏」の物語としてスタートしたのだと言う説を唱えた事もあるそうですし、
まあ、さまざま(^_^;
A・Bについては、うちの源氏店でも、昔に書いてますので読んでやってくださいませm(__)m
あー、あれもなんとか整理しなくちゃ、と思いつつ・・・(^_^;

C「有明の月」という表現が多いが、これは何を意味するのか、とか。

これ、質問の意味がわからなかったんですけど・・・(^_^;
うちの先生は、
当時の夜の例の宵からはじまり暁になる解説をなさって、
「特に有明は弥陀の来迎にあたる時間で、死の時間でもあり、男が女の下を帰る時間でもあり、
大事な時間でしたから(出る頻度も多くなる)」
ということでしたかね・・・このへんになると、
ってか、もう、時間が30分以上オーバーしていて、
カルチャーの担当者がソワソワしていて、次の教室の準備もありますからね・・・(^_^;
私も、ノートしまったりしていて、落ち着いて聞いてませんでしたm(__)m



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