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8月27日(月)

23日は源氏のセミナーの日でした。

一度落ち着いた気温が又猛暑に戻って、猛烈暑い上に、眼の具合も悪くて、予習が出来ない!!
どうしょうか〜?と、思いつつ、ここを逃すと、また9月13日までないので、エイや!と行ってきました♪
帰りに、お友達と、もしかお茶くらい飲むかな〜?と思っていたら、先生とばったり!!
先生は、受講生になっていらっしゃる後輩の方とお茶するご予定だったようで、私たちにまでお声をかけてくださいましたm( )m

というわけで、また一個、疑問に思っていたことを伺ってきました(^_^;

というのはね、今日も、「橋姫」の殆ど最後の部分で、「葉守の守」の話が出ていたんですよ。
で〜、私は、以前から、
「若菜」で、女三宮を柏木が犯すでしょ。
柏木はつまり「葉守の守」です。「衛門督」の別名が葉守の守ですからね。
つまり、柏木が、ああいう横死のような死に方をしたのは、
「宮廷を守るべき=内親王を守るべき葉守の守が、内親王を犯した罰である」という意味ですか?ということですね。
これが、ずっと気になっていたんですよ(^_^;
ちらちら見る論文集なんかでも、全然見かけないのですよ・・・どうして、こんな素朴な疑問が出てこないのかな?
と言うほうが「第一の疑問」だったんだけどね(^_^;

そしたら、そういうこと気にするのは、当然オバサンみたいな素人だけじゃなくて、
本ちゃんの学者さんたちにもいらっしゃったそうです。
曰く・・・
「国学院系の人にはそういうことを言う人もあるし、俗説としてそういう考え方もあるでしょうが、
紫式部はそういう書き方はしていません」とすっぱり(^^ゞ
でー、先生の後輩の方(国文ー日記文学専攻した元先生です)も、
「紫式部は、内親王の神聖とか、そういう書き方はしない人ですね」と、こちらもすっぱりm( )m

そうかぁ〜、俗説ね。
でも、やっぱり、気にしている専門家もいた!ということのほうが嬉しい(*^^*)
まあ、「紫式部は、そういう書き方はしない人ですね」というのが、正式回答なんでしょうけど、
でも、素人の強みで、オバサンとしては、こうも考えています(^^ゞ

つまり、さ、「源氏物語」というのは、かなり、古代物語の要素を取り入れてますよね。
引きずっている!というより、意図的に「古代物語の要素を取り入れている」と言って良いと思うのですね。
つまり、源氏が紫上を略奪婚のようにさらってくる、とか、
その後の紫上のシンデレラ・ストーリー、
さらに源氏自身の貴種流離譚とか・・・。
ま、帝の后に通じる、というのだって、「史記」からだけじゃなく、
仁徳帝の汝鳥と隼別のトリスタンとイゾルデみたいな話もあるわけで(^^ゞ
それでいて、紫式部自身は、当時としては信じられないほど、かなり合理的思考の持ち主だったはず!

一寸、また脱線しますけど、今流行の内館牧子「十二単を着た悪魔」なんかは、そこに注目して書いてるんですけど、
オバサンも、そのへんは以前から面白いと思って、
2001年3月31日のうちの「源氏店」に書いてます(*^^*)

私は、この猛烈おばさんがけっこう好きです(呂后もけっこう好きなのですが)。紫式部も案外この悪婆を好きだったのではないか、と考えています。というのも、先にあげた「雨など降り、空乱れたる夜は、思ひなしなる事はさぞ侍る。軽々しきやうに、思しおどろくまじき事」と言い放つあたりずいぶんと颯爽としている、と思うからです。しかも、自分自身病に倒れても直、源氏を許そうとしないのは「お釈迦様が詫び縄文を書いてきても嫌だ、嫌だ!」という歌舞伎の悪役に通づる明快さがあるから、というのは私の感じ方ですが、この理路整然としたところは紫式部自身の、当時の天変地異に対する見解とも言われていますし、こういうところで、そっと、自分の理論を忍ばせて、正面切っていっては異端視される理屈をうまく書き残しているものだ、と感心もしてしまいます。そして、こういう密かな自分の意見を託す女性を紫式部自身が嫌っていたようには、私には思え無いのです。

円地文子氏も、このあたりのことを、「まことに正論で女丈夫だとも言える」と言い、
――女が意志をはっきりと示すことが悪とされた世界では、たしかに彼女は悪后であったろう。そうして「源氏物語」の中の女性で和歌を詠んでいないのは、この大后と葵上だけではないだろうか。――と結んでいます。


はい、元に戻って、その合理的思考であったはずの紫式部は、
これまた、古代思考から抜け切れない当時の生活の中で、当然、自分の異端を知っていたはずです。
父親が、弟の傍で聞いているだけで漢籍をそらんじてしまった式部を惜しがって、
「この子が男だったら、と溜息を漏らした、という自慢話とともに、
漢字を読むというだけで、自分家の侍女から出さえ、アレコレ言われていたと書いてんですからね(^_^;

その異端の思考というか嗜好をうまく眼くらますために、というか、
読者の古代嗜好を突くような、古代物語を巧く取り入れながら書いていたと思うんですね。
で、「若菜」は、それまでの「源氏物語」とは、また、一寸レベルを上げた凄い「文学」ですが、
そこに、従来の「源氏物語」との色彩的繋がりを施すために、古代的要素を取り入れることをしたんじゃないか?
だから、宮廷を守るべき葉守の守が内親王を犯す、という神がかり的タブーを取り入れたりもしていたんじゃないかな、とは思うのですよ。
ま、これは、ホントニ素人のオバサンの勝手な考えですm( )m

ところで、「素人のオバサンの勝手な考え」ついでに、
前回の、同窓会セミナーの時、書き落としたんですけど、
「紫式部日記」の水鳥の水下の足掻きですけどね・・・あれさ、
いつも思うんですが、山上憶良の、「貧窮問答歌」の反歌の、
「世の中を憂しとやさしと思えども 飛び立ちかねつ 鳥にしあらねば」を受けていないかな?

当時としては、古今集が断然のバイブルで、後は、古今六帖とかね、拾遺集もあるか・・・。
でも大体そのあたりなんですよ〜。
とても「万葉集」というのは出てこないんだけど・・・オバサンは、なんとなく、
紫式部なら、万葉集は当然読んでいたと思うし、それなら、ありうる話じゃない?
それとも↑みたいなことで、やはり、専門家も当然気がついているけど、取るに足りないこととして無視されているのかな?

ま、いいや、楽しかったです。頑張って行った甲斐があった〜!!
クリーム餡蜜を十何年ぶりで食べたんだ!!!!!
大変美味しうございました(*^^*)

そういえば、その時、
その件の先生の後輩の先生のお友達(ああ、ヤヤコシ!)が、今年の春ヨーロッパ一周をなさったのだそうて゜す。
そしたら、行く所、行く所、ゴセイコウキが翻っていて、
ヨーロッパの人たちは渋い顔だったそうです。
ビジネスマンにしても、観光客にしても、態度も凄い大きいらしくて、
ヨーロッパでも、
移民の人たちや、まあ、下層階級と言われる人たちは(ヨーロッパは階級意識がまだまだ強い!!)、
それなりに良いお客とか、思っているらしいのですが・・・。

まあね、バブルの頃の日本と日本人だって同じようなものなのでしょうがm( )m

ユダヤ人はどんなに嫌われてもヨーロッパ人?だけれど、
アジアはヨーロッパからすれば、「極東」と呼ばれる偏狭の地の人種!という蔑視があるのですよね・・・。

アジア内でも、ゴセイコウキの国は、日本だけじゃなくアチコチと領土・領域争いしているでしょ・・・七カ国くらい?
こないだのアセアンでも、ゴセイコウキ資本が入って潤ってるカンボジアだけが方を持って、
あとは、凄い反発があった、というしね(^_^;

って、思っていたら、昨日は、ブルゴーニュのワイン工場を中国資本が買い取った!というので、フランスは大騒ぎだそうで!!
↑のギリシアの主要港を35年間借りる権利を買ったというだけでも凄かったんだからね(^_^;
いやはや・・・「源氏物語」なんて、夢見たいなこと何時までやっていられるやら・・・(^_^;

今回のことも、日本が震災と原発被災で大変な時に火事場泥棒!という感じを持つ人もいるようですが、
領土問題は戦争ですからね・・・敵が弱っている時に叩く!というのは孫子の兵法かもしれません・・・。
もっとも、今が戦時と考えれば、ですが。
一応、世界的にまだ平和の時代だと考えるなら火事場泥棒なんでしょうか。
いずれも政権交代が控えている国ですから・・・ん?日本も?(^^ゞ
そして、平和ということも・・・シリアで殺された日本人ジャーナリストもいるのですよね。
ここに弾が飛んでこないから、世界は平和、世はこともなし・・・とも言えないのですよね。

いやはや・・・「源氏物語」なんて、夢見たいなこと・・・本当に何時までやっていられるやら・・・(^_^;


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