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3月2日(日) 古文書解読講座第四回「和歌と絵画」講師笠嶋忠幸(出光美術館)

今日はまた、普段と違う、美術館の学芸員の方が講師です。
当然、資料も色紙や絵巻・和歌集の詞書の解読です。で、その解読の基本法則とは・・・
@「字」を崩すということは、まず「一画」を点に替え、さらに線に替えていく。
A田の字型の枡を作って、字を分ける。
→つまり、これが崩しの基本だとしたら、これを逆に辿って、解読していくこと、だそうです。

で、それを踏まえての注意
○お習字で、私たちが一番最初に習うのは楷書体だから、といって、楷書が一番最初に出来た字体ということではない。
○隷書(篆書も含む)と並行して既に草書というものがあった。
→草書の特徴として角張る物は曲線で書く。回る線が出てきたら、元は角だと考える。
○どこで崩されてきたか、どういうことがポイントになるか、の見極めが大事。→篇と旁(つくり)、田の字型の分解
→田の字型の分解・・・センターに目を置いて、上下に分けて読めないものは左右に目を置く。
というわげで、よく出てくる字(かな文字)をチェック・・・ここで変体仮名一覧表の総合理解へ、と言うことらしいのですが・・・

○「源氏物語(としかおっしゃらなかったのですが、絵巻の事だと思いますー筆者注)」は五人の書き手が手分けして書いていた。
○「紫式部日記絵巻」は鎌倉時代風の書体で時代がわかる・・・100年〜50年のスタンスで分けられる。
○金泥・銀泥で下絵を描いた上に詞書(五七調・七五調)が合うように書かれている。
○「あしで」・・・絵の中にポイントとして置く。

本日の資料
@隆房卿艶詞絵巻―平安時代の物語は悲恋も→歌を詠む―どんなに通いつめても帝に召し上げられては終わり、なわけで、隆房も、その例に漏れず、高倉帝に召し上げられた。それを嘆いた説明はなくとも歌で展開する絵巻。「白描絵巻(墨の線だけで描く)」である。
A後鳥羽院本三十六歌仙絵「在原業平」・・・世の中にたえてさくらのなかりせば はるのこころはのどけからまし
B尾形乾山・定家詠十二ヶ月歌絵角皿「三月」・・・表に絵(光琳が描いた)、裏に歌・・・兄弟合作の名品、ということで、先月の国博の「大日蓮展」にも展示してあって、現物を見たばかり!!ナント、出光で来月から展示するそうです(^^ゞ
C本阿弥光悦・和歌色紙

今日は、実施に変体仮名を書く練習が多くて、ここで、メモを、というのは難しいです。
そのうち、変体仮名一覧表をアップしたほうがいいでしょうか?



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